2015年11月に南米ベネズエラのカナイマ国立公園にあるアウヤンテプイで、5日間かけてトレッキングした。
アウヤンテプイは世界最高落差の滝エンジェルフォールが流れているテーブルマウンテンで、非常に珍しい固有種の動植物が生育している場所だ。
トレッキング1日目の様子は、こちらの記事を読んで欲しい。
参考:ベネズエラでアウヤンテプイトレッキング1日目!大雨の中バックパックを背負い真っ暗闇の中を歩いた
初日は重たいバックパックを担いで、大雨が降った中を歩いて、日が暮れた後も歩いたので、くたくたに疲れた。
しかし、2日目は初日を超える過酷さだった……
ぼくはアウヤンテプイ(悪魔の山)が、なぜ悪魔と呼ばれるのか分かった気がしたよ。
そこで今回は、トレッキングツアー2日目の様子を紹介しよう。
南米ベネズエラのカナイマ国立公園でアウヤンテプイにトレッキングしたよ
まずは、簡単にベネズエラとカナイマ国立公園のことを紹介しよう。
1.南米のベネズエラの首都はカラカス
ぼくが南米ベネズエラに滞在したのは、2015年9月から11月まで。
まずは首都のカラカスに滞在していたが、世界一危険な町と呼ばれており超怖かった。
参考:ベネズエラの首都カラカスの治安は東京の100倍危険!目の前でひったくりが起き犯人がボコボコにされた
2.ギアナ高地のカナイマ国立公園
カラカスからプエルト・オルダスという町まで飛行機で移動し、そこから車でシウダー・デ・ボリーバルという町まで移動した。
そして、シウダー・デ・ボリーバルから小型飛行機でカナイマ国立公園にあるカマラタ集落まで移動し、そこから小型飛行機で目的地のカバック村に到着した。
カバック村は最大級のテーブルマウンテンであるアウヤンテプイの麓にある村。
これが世界最高落差の滝エンジェルフォール。
高さはおよそ1キロもあり、あまりにも高すぎて水が落ちている途中ですべて霧になってしまうので滝壺がない(笑)
3.アウヤンテプイのトレッキング1日目
せっかくアウヤンテプイの麓に暮らしていたので、このエンジェルフォールが流れているテーブルマウンテンに登ることにした。
残念ながらエンジェルフォールまで行くためには15日間くらいかかるので無理だが、アウヤンテプイの最高地点までは往復5日間で行けることになった。
こちらがトレッキング1日目の様子。
参考:ベネズエラでアウヤンテプイトレッキング1日目!大雨の中バックパックを背負い真っ暗闇の中を歩いた
アウヤンテプイトレッキング2日目は過酷だったよ(泣)
それでは、アウヤンテプイトレッキングの2日目の様子を紹介しよう。
初日以上に過酷で、すごく辛かった。
1.朝ご飯
テントで一夜を明かしたのだが、寝心地はまぁまぁ。
一緒に登山した本庄さんとはカバック村で一ヶ月以上もツインルームで一緒に寝たので、特に気にならなかった。
しかし、テントで寝袋はそこまで熟睡はできない。
朝起きてみると、初めてテントの周囲の様子を把握した。
前夜は日が暮れた後に到着したので、テントを張った場所がどんな場所なのか知らなかったのだ。
トレッキング中はこのテントで寝ていた。
大人二人が入ると、ピッタリサイズ。
ガイドをしてくれたペモン族の二人はハンモックで寝ていた。
ペモン族はハンモックで寝るのが一般的で、ベッドでは眠れない人もいるそう。
近くの川で顔を洗う。
トレッキング中にはたくさんの川を横断したが、もちろん橋などないので下半身がずぶ濡れになった。
それから、トイレは茂みの中で済ませていた。
ガイドの二人が朝食を作ってくれた。
缶詰料理だけかと予想していたが、実際には美味しい料理が食べられた。
とりあえず、コーヒーを頂く。
山で飲むコーヒーって美味いよね。
朝ご飯はトルティージャ(ベネズエラではアレパ)と目玉焼きとハムとチーズ。
いただきまーす!
※宮﨑が写っている写真は、本庄氏が撮影したものです
朝ご飯でしっかりと栄養補給!
山ではダイエットなんてしてられないよ!
トレッキングをして再確認したことは、食事は人を幸せにしてくれること。
朝ご飯を食べたら休憩。
出発予定時刻を30分過ぎてるけど、まだ出発しない。
夕方に土砂降りの雨に打たれるのは嫌だよ? ←不安が的中することに
2.草原を歩く
カバック村からアウヤンテプイの頂上まで行くためには、4つの断崖絶壁を登らなければいけない。
2日目は2つの断崖絶壁を超える必要があるので、ハードな日。
予定では1個目の壁を超えてから巨石の近くで昼食をとり、2個目の壁を超えてから別の巨石で宿泊する。
それでは、2日目の出発。
トレッキング中はだいたい9時頃に出発して、17時頃まで歩き続けた。
ここが宿泊する予定だったヤシの葉小屋(帰路の4日目はここに泊まった)。
ここには欧米人のグループが宿泊したそう(2日目の夕方に遭遇する)。
まずは草原地帯を歩く。
ガイドの二人のうち、一人はバックパックを使っていて、もう一人はペモン族の伝統的なカゴを使っていた。
トレッキング中はGoproをバックパックに設置して、一眼レフカメラを首から下げて撮影していた。
※Goproは栗原さん(@kurit3)に頂きました。
人の気配がない草原地帯。
ペモン族にとってテーブルマウンテン(テプイ)は神聖な場所なので、人は住んでいない。
昔は「アウヤンテプイに登ると災いが起きる」と恐れられていたので人が立ち入ってはいけない場所だったけど、最近は観光客のガイドをすることが彼らの生業になっている。
ネパールでエベレストのガイドをしているネパール人と同じこと。
30分くらい歩くと、不思議な植物が生えている場所に出た。
なんか火星っぽい。
茎は黒くて葉は緑。
茎は焼かれたのかも。
ちなみにこの時、ガイドと一緒に迷子になっている(笑)
なんとか正しい道を見つけて、再び歩きだした。
しばらく進むと森とぶつかった。
この森を抜けるらしい。
野生のオウムの声がうるさかったし、帰路では野生のバクの糞も見つけた。
3.森の中に入る
森の中に入ると、ジャングルだった。
いろんな種類の植物が生えている。
これぞ、南米の大自然!!
テーブルマウンテンは雨が多いからか、木に苔がびっしりと生えていた。
日本だったらお洒落なビルで観葉植物になっていそうな植物が、野生で生えている。
植物って好きだな。
笹みたいな植物も生えている。
ぼくはトレッキングシューズを履いて、ズボンは雨合羽を使っていた。
後に、これが問題になる。
4.急斜面を2時間以上登り続ける
森の中を歩いていると、ついに急斜面が始まった。
2日目に越えなければいけない断崖絶壁の一つ目にぶつかったのだ。
急斜面を上から撮影した。
基本的には急斜面をジグザグに登っていく。
手を使って這いつくばらないと登れないような場所もある。
重たいバックパックを担いだ状態なので、5分も歩くと息が上がってしまう。
急斜面がしんどくて「あと何分で着くの?」とガイドに聞いたら、「2時間以上かかるよ」と言われた時は泣きそうになった。
休憩しながら2時間以上登った。
登っている間は、Goproをバックパックにつけて撮影していた。
この動画の最初にバックパックの写真を撮影している場面が写っている。
ジャングルの中を歩いているだけの動画だが、臨場感は伝わるはず。
Goproだけでなく、一眼レフカメラでも撮影した。
木に生えた苔。
アウヤンテプイの木の幹。
穴が開いた葉。
虫に寄生された葉。
木に生えた植物。
綺麗なシダ。
苔が生えた大木。
バックパックと坂道。
ちなみにぼくは、バックパックなどのアウトドア用品はColemanを使っている。
Coleman製品は丈夫だし、機能的だし、値段も手ごろなのでおすすめ。
2時間以上かけて無事に一つ目の断崖絶壁を登り切った。
崖の上で食べた安物のチョコレートの美味しさを、ぼくは一生忘れないだろう。
5.巨石で昼食
急斜面を登り切った後も、まだ午前の目標地点にはつかない。
ここから45分ほど緩やかな登り坂を歩いた。
たくさんのトレッキング客が歩いた後が、道っぽくなっている。
ぼくはバックパックの片側にクッションシートを付けていたので、それが樹木にぶつかりまくり歩きづらかった。
そして、ようやく午前の目標地点である巨石に到着。
アウヤンテプイにはこのような巨石がいくつかあり、目印や休憩地点になっている。
疲れ切ってヤバイ顔をしているぼく。
マジでしんどかったからね!!
この時点でトレッキングは一日半しか終わってないから、残り三日半もあるからね。
この巨石の上に登れると聞いて、登ってみることにした。
簡単には登れなくてガイドの手を借りてなんとか登った。
ロッククライミングが好きな人にはおすすめの岩。
岩を登っている本庄さんの足元に注目して頂きたい。
タイツ&靴下&サンダル!?
本庄さんはまさかトレッキングに参加することになるとは予想していなかったので、ペモン族並みの軽装備だった。
そして、巨石の上からぼくたちが歩いてきた方角を見てみる。
今は平らな部分が見えていて、その下にぼくたちが登った急斜面がある。
「めっちゃ歩いたねー」とガイドと談笑。
彼は脱ぎ癖がある。
巨石の上にも小さな生態系が生まれていた。
綺麗で珍しい植物。
テプイは花が綺麗。
こっちがぼくらが登ってきた方角。
こっちがぼくらがこれから進む方角。
すでに次の断崖絶壁が見えている。
午後はこれを超えなくてはいけない。
アウヤンテプイの天気は変わりやすいので、数分後には今まで見えていた断崖絶壁が雲で隠れてしまった。
これはもしや、1日目と同じように今日も土砂降りの雨が降るのでは?
昼食はパンとハムとチーズ。
飲み物は川の水にネスレのレモンティーの粉を溶かしたものを飲む。
なぜかベネズエラではネスレの粉末レモンティーが大人気。
6.急な斜面を登る
午後は2日目に登るべき二個目の断崖絶壁を登る。
断崖絶壁を超えるとかなり大きな巨石があるらしいので、そこでテントを張って泊まるそうだ。
昼食を食べた巨石から30分ほど急な坂道を登った場所から、巨石方向を撮影した。
テーブルマウンテンはこのように何段も層があり、まるでウエディングケーキみたい。
7.雨が降り出すが、歩き続ける
午後も急な坂道なので手を使って地面や木に掴まりながら、登っていく。
めちゃくちゃしんどいが、途中でやめることも逃げることもできないので、ひたすら坂道を登り続ける。
山登りは人生ですね。
そして、恐れていた事態に。
2日目も雨が降ってきた!
1日目ほどの土砂降りではないけど、地面が川のようになり、石が濡れて足が滑って危険。
Goproは防水カバーを付けたので撮影できた。
綱渡りのようにして細い石の上を渡るシーンが2日目のハイライトなので、ぜひ見てほしい!
動画の最後には巨石に到着する。
途中で欧米人のグループに遭遇したが、彼らはお年寄りもいたので先に通させてもらった。
彼らとは宿泊地も一緒で、3日目も同じルートで登った。
8.巨大な岩に到着
雨が降る中、なんとか日が暮れる前に巨石に到着した。
ここが今夜の宿。
これは翌日に撮影した写真だが、巨石の巨大さが伝わるだろうか?
めちゃくちゃ大きな石なので、その下にあるすき間で宿泊する。
雨で全身がずぶ濡れになったので、まずは温かいコーヒーを頂く。
山で飲むコーヒーは最高って、ぼくが好きな登山マンガ「岳」でも言っていた。
これが登山マンガ「岳(gaku)」。
ぼくは登山に興味がなかったけど、この漫画を読んだら山に登りたくなってきた。
9.岩の下にテントを張る
コーヒーを飲んだら、岩の下にテントを張って寝る準備をした。
テントって便利だね。
巨石の下の空間なので雨はしのげるけど、風が寒いしプライベート空間を作りたかったのでテントを張った。
そして、この時に衝撃的な光景を目にした。
さっきの欧米人グループの女性(おそらくフランス人で40代)が、おっぱいを丸出しで服を着替えてる!!!!!
「人の目なんて気にしない、私は自分がしたいことをする!」という国民性なのでしょうか、それとも彼女が個性的な人なのでしょうか。
テントでプライベート空間を作りたがっているぼくとは違いますね~。
10.夕食
今夜もガイドが夕食を作ってくれる。
これがぼくたちの食料。
マヨネーズ一瓶は多くね?
この間にぼくはポータブルバッテリーを使ってGoproのバッテリーを充電して、一眼レフカメラのデータをタブレット経由でポータブルハードディスクへ移しかえた。
トレッキング中は電気がない生活なので、大容量ポータブルバッテリーが超便利。
ぼくが使っているのは、この大容量モバイルバッテリー。
プレゼントしてくださったヨウさん、ありがとうございます!!
参考:Amazonのほしい物リストを公開したら3つもプレゼントが届いた!ヨウさんありがとうございます
そして、夕飯が完成。
シチューかけご飯を頂いた。
(このシチューは初日に食べたと思っていたが、実際には2日目の夕飯だった)
11.テントの中で寝袋で寝る
夕飯を食べ終わったら、歯を磨いて寝る準備。
巨石の下にテントを張り、その中にクッションシートを敷き、寝袋を使って寝た。
「寝ている間に巨石が倒れてきたら、死ぬよね?」と不安に思ったけど、あまりにも疲れていてすぐに寝た。
全身が筋肉疲労でバッキバキの状態だった。
12.2日目の感想
2日目の感想を簡単にまとめよう。
急斜面を登るのが泣きそうなくらい辛かった
2日目は午前と午後に急斜面を乗り越えて、肉体的にも精神的にも疲れた。
重たいバックパックを担いだ状態で急斜面を何時間も登り続けるのは、本当に辛い。
ぼくは小学校では剣道道場、中学校では陸上部で長距離種目、高校では硬式テニス部、大学ではサッカー部と社会人フットサルチーム、青年海外協力隊時代はサッカーとサーフィンをしてきたので、スポーツが好きで得意な方だ。
そんなぼくでも泣きそうなくらい、しんどかったからね!!
雨が降る中、岩場を歩くのは危険
1日目も2日目も夕方に雨が降り出し、雨が降っている中歩き続けた。
雨が降ると体も荷物も濡れてしまう。
乾いたパンツを履きたかったので、下着だけはビニール袋で二重に包んで守った。
もちろん一眼レフカメラやポータブルバッテリー、ポータブルハードディスクのような電化製品も防水対策はした。
それでも、バックパックは水浸しになるし、ほとんどの荷物は濡れてしまった。
しかも、雨が降ると歩いている小道が川のようになるし、歩いて渡らないといけない川は水かさが増すし、岩場の岩の表面は滑りやすくなり危険だ。
なのでできれば朝早く出発して、雨が降り始める夕方よりも前に目的地に到着すべき。
雨合羽のせいで太ももの内側が炎症を起こした
ぼくは1日目に布製のズボンが水で濡れてしまったので、2日目は雨合羽のズボンを履いていた。
すると、雨合羽の縫い合わせ部分がぼくの太ももの内側を擦り続けたせいで、炎症を起こしてしまった。
太ももの内側が内出血して、ヒリヒリして痛い。
3日目以降は半ズボンを履いてから雨合羽を履くようにして対応した。
登山では服装が重要だね。
おっぱいを丸出しで着替える女性に驚いた
なんといっても2日目の衝撃は、おっぱいを丸出しで着替えていた女性。
いろんな人がいるんだなーと思った。
もっと自由に好きに生きていいのかもね。
まとめ
今回はアウヤンテプイトレッキング2日目の様子を紹介した。
2日目は二つの急斜面を登ったので、めちゃくちゃ疲れた。
そして、3日目はついにテプイの頂上に到着する日。
最後に待ち受けていたガチな断崖絶壁と、頂上の景色をご紹介しよう。
つづく。
追記:トレッキング3日目、4日目、5日目の記事
トレッキング3日目、4日目、5日目の記事はこちら。
→ ベネズエラのギアナ高地トレッキング3日目!7本のロープで断崖絶壁をよじ登りついにテプイの頂上へ
→ ベネズエラのギアナ高地登山4日目は下山編!頂上で珍しい植物を見てから3つの断崖絶壁を一気に駆け下りた
→ ベネズエラの世界遺産カナイマ国立公園でトレッキング最終日!5日間で最も辛い思いをしながら歩き続けた
ベネズエラの関連記事
ベネズエラでアウヤンテプイトレッキング1日目!大雨の中バックパックを背負い真っ暗闇の中を歩いた
ベネズエラのカナイマ国立公園に暮らすペモン族の村で47日間農業を教え、テーブルマウンテンに登頂したよ
ベネズエラの首都カラカスの治安は東京の100倍危険!目の前でひったくりが起き犯人がボコボコにされた