青年海外協力隊が後悔している10個の失敗談
2年間の青年海外協力隊生活も、残りわずか2週間となった。
2年間のボランティア活動とその前の2ヶ月間の訓練生活ではいろんなことがあり、今思い返してみると「失敗したなぁ」と後悔していることも多い。
この失敗経験はぼくのためにもなるし、新しいJICAボランティアの参考にもなると思う。
そこで今回は、ぼくが青年海外協力隊で後悔している10個の失敗談を公開しよう。
「失敗したなぁ」と後悔している10個の失敗談
「失敗したなぁ」と後悔していることを順番に紹介しよう。
1.日本で派遣国のことをもっと調べるべきだった
まずは、日本で派遣国のことをもっと調べるべきだったと後悔している。
ぼくの場合には、パナマ共和国の歴史やパナマ運河についてもった調べておくべきだった。
例えば、アメリカとパナマの戦争のことを知っていれば、パナマ人が持つ激しい反米感情をもっと理解できたと思うからだ。
さらに経済に占めるパナマ運河の重要度も知っておくべきだった。
派遣国のことを日本で徹底的に勉強しておけば、現地人のことや社会のことを理解するのが早まるだろう。
参考:パナマ観光のプロが教える!パナマ運河の仕組みとミラフローレス水門のおすすめ見学方法
参考:パナマの観光情報まとめ!旅行者向け観光地を10エリアごとにまとめてみました
2.日本でスペイン語をもっと勉強するべきだった
次は、日本でスペイン語をもっと勉強するべきだったと後悔している。
派遣前訓練では2ヶ月間みっちりとスペイン語を勉強したが、派遣前訓練前の時間や出国前にももっとスペイン語を勉強するべきだった。
パナマに住んで2年経った今では日常会話と農業に関する話はいくらでもできるようになったが、派遣された当時はまったくスペイン語が話せなかった。
会議に出席しても2%しか理解できなかったし、ファーストフード店では注文できずに店から追い出されたこともある。
派遣されたときにもっとスペイン語が理解できていれば、もっと早く任地と配属先に溶け込め、もっとたくさんの活動を行えただろう。
途上国に派遣される前に日本でスペイン語をもっと勉強するべきだった。
参考:青年海外協力隊の派遣前訓練のスペイン語の語学研修で、初めてワークショップを開催した。
参考:誰でも簡単にできる!初心者がゼロから半年で「スペイン語の文法・単語・挨拶」をマスターする効率的な勉強法
3.日本のことをもっと知るべきだった
意外と多くのボランティアが悩むのが、日本のことを知らないという問題だ。
例えば、パナマでは愛国教育が徹底されているので、パナマ人はパナマの歴史にとても詳しい。
パナマ人から日本の文化などについて、「○○について、日本ではどうなんだ? どんな意味があるんだ?」と聞かれるが説明に困ってしまうことも多い。
例えば、水琴窟や神社の手水舎、だるま、こけし、祭りの意味などについて質問を受けても答えられず、日本人として恥ずかしいと感じた。
海外に出る前にもっと日本のことを知るべきだと思った。
参考:外国人が意外と知りたい7つの奇妙な日本文化「(^o^) ←これ何?」
参考:なぜ日本人は金持ちなのに不幸なのか?青年海外協力隊と日本好き外国人の意見
4.日本で専門分野の途上国向け知識をもっと勉強するべきだった
専門分野の途上国向け知識をもっと勉強するべきだったと痛感している。
例えば、ぼくは野菜栽培隊員なので熱帯農業の問題点とその対処方法について、もっと知識が必要だったと感じている。
具体的にはコストがかからない農業技術や、熱帯特有の病害虫対策などである。
日本で役に立つ専門知識が途上国で役に立つとは限らないので、途上国向けの知識をもっと勉強するべきだった。
参考:熱帯農業のプロが教える!真夏に家庭菜園に植えた野菜の苗が枯れるのを防ぐ秘訣
参考:果物農家が教える!珍しくて美味しい中南米の熱帯フルーツ図鑑 in メキシコ・コスタリカ・パナマ
5.配属先の幹部にも活動報告をするべきだった
そして、最近感じたのが配属先の幹部にも活動報告をするべきだったということだ。
ぼくは配属先の上司とカウンターパート、そして要請内容のプロジェクトのコーディネーターには細かく活動報告をしていたが、配属先の幹部とは接点がまったくなかったので、これまで活動報告をしてこなかった。
しかし、最後の最後になって配属先の幹部に活動報告をしたところ、ぼくの活動に大変興味を持ってくれ、農業技師にプレゼンする機会まで頂いた。
そして、他の地域の農業技師に野菜栽培の技術についてプレゼンを行うと「なぜ、今まで俺たちに農業技術を教えてくれなかったんだ? なぜ、ひとつの支所だけが日本の農業技師を独り占めしていたんだ!?」という不満の声が上がった。
ぼくは保健省のプロジェクトのために農牧省に派遣されるという「ねじれた関係の配属形式」だったので配属先とは接点が薄かったが、もっと農牧省の幹部や他の支所の農業技師と関われば良かったと反省している。
参考:青年海外協力隊の帰国直前に50名の農業技師へ野菜栽培のプレゼンをした真の目的
6.カウンターパートにもっと技術指導するべきだった
仕事上の相棒であるカウンターパートに、もっと技術指導をするべきだった。
ぼくのカウンターパートはとても優秀な男性で、農業の専門知識を持っているし、なおかつ技術を学ぶ意欲がある。
めちゃくちゃ素晴らしい人間なのだ!
参考:JICAボランティア同士のカップル、結婚の秘密!青年海外協力隊の新人隊員は、先輩隊員に恋をする。
しかし、ぼくは山奥の集落に泊まり込んで活動することが多く、彼と一緒に活動する時間があまり取れなかった。
一緒に活動するときにはお互いに技術を教え合ったりしたが、おそらく彼はもっと新しい技術を覚えたかったと思う。
継続的な改善のために、カウンターパートに技術指導をするべきだったと後悔している。
参考:「青年海外協力隊の一年目は結果を求めるな!」はボランティアOB・OGのアドバイスで耳タコだったけど、それでもぼくが結果を求めた1つの理由
7.体調管理に気を付けるべきだった
体調管理に気を付けるべきだったと反省している。
パナマでは入院するような大きな病気にはかからなかったし、怪我もしなかった。
しかし、風邪は何回もひいてしまったし、下痢は数え切れないほどかかった。
富士山登山よりもきつい山道の往復のせいで、全身が筋肉痛でベッドから起き上がれないことも多かった。
「無理しすぎたぁ」と後悔することが何回もあったので、もっと体調管理に気を付けるべきだったと思う。
参考:相棒が指を切断、プロジェクトが崩壊、ぼくは40度の熱で寝込んだ。
8.外部メディアに記事を寄稿するべきだった
青年海外協力隊の体験の情報発信という面では、外部メディアに記事を寄稿するべきだった。
この2年間はブログとFacebookページとTwitterと農業活動レポート、その他寄稿で情報発信を行ったが、もっとたくさんの人に青年海外協力隊の実態を伝えるためには個人ブログではなく、もっと知名度が高い外部メディアに記事を寄稿するべきだったと後悔している。
例えば、フィリピンの観光隊員アオノトモカさんは、ハフティングポストや世界新聞へ記事を寄稿していて情報発信が上手である。
参考:現役隊員が語る!プロモーションの仕事もある青年海外協力隊
青年海外協力隊の経験を発信したい人は、自分のメディアだけでなく外部メディアへも記事を寄稿するべきだと思う。
参考:初心者でも簡単に無料でブログが作成できるおすすめサイト3選&継続して書くコツ
参考:海外ボランティアにブログをおすすめする理由「1.途上国のため 2.日本のため 3.JICAボランティアのため」
9.日本帰国後の進路を決めるべきだった
最近思うのは、日本帰国後の進路を決めるべきだったということだ。
2週間後には日本へ帰国するが、ぼくは仕事も住む場所も決まっていない「ホームレスニート」である。
青年海外協力隊の問題点として、帰国後の働き口がないことが指摘されている。
帰国後の社会復帰をスムーズに行うためにも、日本帰国後の進路を早めに決めるべきだったと思う。
参考:青年海外協力隊の進路希望調査票をJICAへ提出「帰国後の選択肢は、起業」
10.好きな人には好きと伝えるべきだった
好きな人には好きと伝えるべきだった。
参考:青年海外協力隊の2年間で恋に落ちたラテン女性に共通する3つの特徴
まとめ
この10個が、ぼくが青年海外協力隊として後悔していることだ。
1.日本で派遣国のことをもっと調べるべきだった
2.日本でスペイン語をもっと勉強するべきだった
3.日本のことをもっと知るべきだった
4.日本で専門分野の途上国向け知識をもっと勉強するべきだった
5.配属先の幹部にも活動報告をするべきだった
6.カウンターパートにもっと技術指導するべきだった
7.体調管理に気を付けるべきだった
8.外部メディアに記事を寄稿するべきだった
9.日本帰国後の進路を決めるべきだった
10.好きな人には好きと伝えるべきだった
これから青年海外協力隊になる人にはぼくのように後悔しないように、日本にいるうちからしっかりと準備して途上国へ出発して欲しい。