悪魔が住むワイナリーのワインを飲みたいと思いますか?
南米チリ共和国の首都サンチアゴでCONCHA Y TOROという日本でも有名なワイナリーのワインツアーに参加したところ、悪魔が住むという古いワイン蔵に入ったぼくはワインの悪魔に憑りつかれてしまった。
ワインの悪魔に憑りつかれたぼくはチリワインの魅力にハマり、本格的にワインの勉強を始めることになった。
今まではイチゴソムリエを名乗ってきたが、これからは「ソムリエ」を目指して頑張ろうと思う。
それほどまでにチリのワインは美味しくて素晴らしいのだ!
そこで今回は、チリで一番大きなワイナリーであるコンチャイトロの半日ワインツアーに参加した様子を紹介しよう。
日本で人気のチリ・ワイナリーCONCHA Y TOROのワインツアーに参加してきた
せっかくワインで有名なチリに来ているので、日本でも有名なチリ・ワイナリー「コンチャイトロ」の半日ワインツアーに参加してきた。
1.日本で人気のチリ産ワイン・コンチャイトロ
まずは、日本でも有名なワイナリー「コンチャイトロ」の説明をしよう。
コンチャイトロのワインは、日本ではキリンのメルシャンが販売しているので、日本中で手に入る。
コンチャ・イ・トロ、それはチリNo.1ワイナリー。
1年のほとんどが晴れるという理想的な環境のチリのブドウ産地に、コンチャ・イ・トロが自社で保有する畑面積は、合計9,000ヘクタール以上。
優れた栽培技術、130年以上の歴史に培われた醸造技術と、熱い情熱の融合によって生み出される世界トップ水準のワインは、今日も世界中のみなさまに楽しまれています。
引用元:キリンCONCHA Y TORO
コンチャイトロのワインは高品質で生産量が多いため、世界中で流通しているようだ。
そういえば、中米パナマ共和国でもコンチャイトロのワインをたまに飲んでいた。
コンチャ・イ・トロは、1969年創設のイギリス有名ドリンク雑誌〈ドリンクス・インターナショナル〉に、2011、2012、2013年の3年連続「世界で最も称賛されるワインブランド」に選出されました。
その審査基準は、ドリンク業界のエキスパートによって「ぶれずに、かつ更に品質が向上しているワインであること」
「幅広い層にとって魅力的であること」など、合計5つの項目で審査されています。この審査で3年連続1位に輝いたコンチャ・イ・トロは世界中のプロが認めた世界で最も称賛されるワインブランドです。
引用元:キリンCONCHA Y TORO
日本のスーパーでも簡単に手に入るのは、この4種類だそう。
ドン・メルチョー、カッシェロ・デル・ディアブロ、フロンテーラ、サンライズ。
・ドン・メルチョー Don Melchor
1987年より販売されている最高級ワイン。創業者メルチョル・コンチャ・イ・トロにちなんでいる。・カッシェロ・デル・ディアブロ Casillero del Diablo
「悪魔の蔵」というスペイン語のワイン。創業者があえて噂を流して、盗み飲みをやめさせたという逸話より。日本のスーパーマーケットで容易に入手できる。・フロンテーラ Frontera
普及品で、日本のスーパーマーケットで容易に入手できる。・サンライズ Sunrise
普及品で、日本のスーパーマーケットで容易に入手できる。引用元:Wikipediaコンチャイトロ
日本でも人気のコンチャ・イ・トロの「カッシェロ・デル・ディアブロ」。
意味は「悪魔の蔵」、その由来は後で説明しよう。
2.チリのサンチアゴ近郊ではワイナリーツアーがたくさんある
ワインの生産量が世界でもトップクラスに多いチリでは、各地でワイナリーツアーが行われている。
首都サンチアゴ近郊にもワイナリーがあるのでサンチアゴ発のワインツアーも多く、町中にはワイナリーツアーを扱うツアー会社のオフィスがたくさんある。
ぼくはサンチアゴの「ボケダーノ駅」の近くのホステルに滞在していて、近くにある商業施設にあるツアー会社を3軒ほど回ってみた。
どこのツアーも英語、スペイン語、ポルトガル語のガイドを用意しているし、バンなどの交通手段も付いているし、ワインの試飲もできる。
ぼくが見つけたワインツアーは、以下のような内容だった。
(1)ワイナリー半日ツアー(コンチャイトロ)
(2)ワイナリー半日ツアー(コンチャイトロではないワイナリー)
(3)ワイナリーを二カ所回る一日ツアー
(4)バルパライソという町まで行き、ワイナリーを見学する一日ツアー
(5)自転車に乗って移動しながらワイナリーを見学するサイクリング&ワイナリーツアー
料金は29,000~49,000チリペソほどで、日本円にすると4,700円から8,000円。
値段がまぁまぁ高いので参加者は欧米人旅行者が多く、バックパッカーは見かけなかった。
アルゼンチンでは無料か格安でワイナリーツアーに参加できるようだが、サンチアゴ近郊ではワイナリーツアーは5千円ほどの料金がかかる。
ツアー会社を通さずに直接ワイナリーに行き、個人的にワインツアーに参加することも可能だが、そうすると自力で電車やバスを乗り継いでワイナリーまで行かないといけない。
個人で行くと交通費がかかってしまうし、交通手段を調べてワイナリーに連絡するのが面倒だったので、今回はツアー会社のワイナリーツアーに申し込むことにした。
いくつかのツアー会社で話を聞いたが、最終的に申し込んだのは「Enotour」というツアー会社。
対応もしっかりしていたし、ツアーの内容にも満足しているのでおすすめだ。
時期によっては「ワイン用のブドウ収穫体験ツアー」や「自分でワインを作るツアー」もあるそうだ。
3.コンチャイトロの半日ツアーに申し込んだ
ぼくが申し込んだのは、コンチャイトロの半日ツアー。
なぜこのツアーを選んだかというと、中米パナマ共和国でコーヒー農園ツアーに2回参加した経験から、この手のツアーは一回目の感動を超えられないと知っているから。
2か所のワイナリー(スペイン語でビーニャ)に行けるツアーも魅力的だったが、おそらくあまり大差はないだろうと思った。
一つのワイナリーだけにするならば、マイナーなワイン農園よりは知名度が高く規模が大きい農園にしようと思い、日本でも有名なコンチャイトロに決めた。
これからチリのワインツアーに参加する人は、自分の目的を考えてからツアーを選んでほしい。
例えば、街の観光が好きな人にはバルパライソの観光付きのツアーがおすすめだし、自然の中で体を動かしたい人にはサイクリング&ワイナリーツアーがおすすめだ!
コンチャイトロのワイナリーツアーに参加して来たよ
ここからはぼくが参加したコンチャイトロのワイナリーツアーの様子を紹介しよう。
1.ホテルに車が迎えに来て、ワイナリーまで移動
ツアーは前日の午後に、ツアー会社のオフィスで申し込んでいた。
そして、ツアー当日の朝にぼくが泊まっているホステルまでツアーの車が迎えに来てくれた。
朝から昼過ぎまでのワイナリーツアーに申し込んでいたので、朝ゆっくりと待っていられるのは嬉しかった。
もし自力でワイナリーに行く場合には、早朝から電車やバスを乗り継がないといけない。
ただしラテンアメリカだけあり、車は待ち合わせ時間よりも遅れて到着した。
車は12名乗りくらいのバンで、運転手は英語とスペイン語が話せるチリ人のおじいさん。
他のお客さんは初老のアメリカ人夫婦が2組と、ベネズエラ人夫婦が1組。
5千円くらいのツアーなので、バックパッカー風の人はおらず普通の観光客ばかりだった。
運転手さんから「時間がないので移動しながら、チリとチリワインの説明をします」という話があり、社内で英語とスペイン語でチリとチリワインの説明があった。
アメリカ人は英語しか理解できないし、ベネズエラ人はスペイン語しか理解できないが、ぼくは英語とスペイン語で2回も説明が聞けるので得した気分だった。
サンチアゴの中心地からコンチャイトロのワイナリーまでは、一時間弱で着いた。
サンチアゴは真夏で扱ったが、ワイナリーは涼しいどころか寒いくらいだったので、上着を持って行こう。
2.ワイナリーで英語とスペイン語のツアーに分かれる
ワイナリーにはいくつかのツアー会社のお客さんがすでに来ていて、ここでスペイン語ツアーと英語ツアーに分かれる。
英語とスペイン語のツアーが交互に10分感覚くらいで始まっていた。
ぼくが参加するツアーまで30分ほど時間があったので、散歩した。
ツタが綺麗に生えていた。
レストランもあった。
3.ワイナリーのブドウ畑見学
ぼくは10時10分発のスペイン語解説のツアーに参加した。
参加者はパナマ人、ベネズエラ人、チリ人、メキシコ人などの中南米人ばかりで、一人だけアジア人のぼくが混ざっていた。
ガイドも他の旅行者も「えっ? 君は英語ツアーじゃないの?」という顔をしていて面白かった。
まずはワイナリーの庭を通り、世界中から取り寄せた木の説明を受けた。
コンチャイトロの創業者が住んでいた家。
そして、ワイナリーに併設されたブドウ畑へ。
ここでは点滴灌水チューブを使って、少量灌水栽培が行われていた。
灌水チューブがあれば植物の生育のために必要最小限の水だけを与えてブドウの糖度を高めることもできるし、たくさん水を与えて収穫量を増やすこともできる。
詳しくはこちらの過去記事で紹介している。
参考:施設園芸農業のメリット&デメリット!日本と海外の点滴灌漑&養液土耕&LED水耕栽培&植物工場(太陽光利用型・完全閉鎖型)
ブドウ園の近くには綺麗なお花も。
ブドウの草丈は1mくらい。
乾季なので土は乾燥していた。
葉の陰にはブドウの実がなっていた。
小粒だがとても綺麗な色。
ブドウの木は支柱に沿って、ずらっと列に並んでいる。
ツアーに参加した人は自由に見学できる。
しかし、時間はわずか5分ほどだったので、奥の方までは見ることができなかった。
農園を見学するときには一番奥まで行くことが重要だと思っているので、残念だった。
参考:海外農業コンサルタントが教える!日本と海外の農園を視察する時に注意すべき3点
ぼくはワイン用ブドウ栽培については詳しくないが、これから勉強したいと思った。
ブドウの品種はいくつもあり、10種類以上育てているそうだ。
果皮の色で赤系統、白系統がある。
ブドウの収穫時期は3月からだそう。
ワイナリーに併設されたブドウ畑は、このくらいの広さ。
コンチャイトロは世界で一番広いブドウ畑を持っているワイナリーだそうだ。
4.ワインの試飲と新しいワイン蔵見学
ブドウ畑の見学が終わったら、すぐ隣にあるワイン蔵の前で白ワインのテイスティングを行った。
彼がワイナリーツアーのスペイン語ガイド。
人数分のワイングラスを用意してくれていた。
白ワインの説明をしているガイド。
どのような特徴があるのかを説明し、次にテイスティングの方法を教えてくれた。
まずは、ワインに光を当てて色を楽しむ。
ほほー。
次にワインをグラスの中で回転させて、香りを開かせる。
ほほほー。
でも、これがけっこう難しい。
ガイドのように綺麗に回転せずに縦揺れを繰り返してしまう。
奥が深いぜ。
この白ワインはフルーティーでもなく辛口でもなく、塩味をわずかに感じて複雑な味がした。
ガイドがいうには「この白ワインは海沿いの畑で作られているので、ミネラルを多く含んでいる」そうだ。
難しいことはよくわからないが、とにかく美味しいワインだった。
シーフード料理に合いそう。
コンチャイトロのオリジナルワイングラスは、一人一個プレゼントされた。
綺麗な箱ももらえたので、安心してホテルまで持って帰れる。
ただし、さすがに飛行機でメキシコ経由で成田までは持って帰れる気がしなかったので、あとで泊まっているホステルのスタッフにプレゼントした。
「やったねー」とツアー参加者は持ち帰っていた。
このグラスは次の赤ワインの試飲でも使う。
次はこの最新式のワイン蔵を見学。
ワイン蔵の中には大量のワイン樽が保管されていた。
エアコンが付いているので、室温が常に一定の温度に維持されている。
それにしてもすごい量のワイン樽。
一個くらいほしい。
ここでもガイドさんがスペイン語で丁寧に説明してくれるし、質問にも答えてくれる。
もちろん英語ガイドをお願いしていれば、英語で解説してくれる。
ワインの樽の木材はイメージよりも白かった。
いろんな種類の木材を使うそうだ。
5.悪魔が出る古いワイン蔵へ侵入
新しいワイン貯蔵施設の見学の次は、伝統的なワイン倉庫へ移動する。
伝統的なワイン倉庫は地下にあった。
古いワイン倉庫の入り口には、「悪魔の倉庫」という文字が。
ここが有名な悪魔が出るワイン倉庫なのだ!
ここは昔からワインの保管に使われていたワイン蔵。
地下なので一年を通して一定の温度を保てるそうだ。
ここにもたくさんのワインが保管されている。
そして、内部は薄暗い。
肉眼だとこんな感じに真っ暗で何も見えない。
作業員はヘッドラインを使っていた。
ワイン蔵の説明を終えると、ガイドは「今でもここには悪魔が出るかもしれませんよ、ハハハ」と笑いながら一人で外へ出てしまった。
すると、突然ワイン蔵に不気味な声と明かりが現れた!
なんとこのワイン蔵が出来た当時のエピソードを、蔵の壁にビデオ上演し始めたのだ。
なかなかのパフォーマンスに、ツアー客は大喜び。
四方の壁に映像が映し出されていた。
簡単に紹介すると、昔はワイン農園で働いてる人が夜中にワイン蔵にこっそりと忍び込んで、ワインを盗んでいた。
これに困った園主が「ワイン蔵には悪魔がでるぞ~」という噂を流したら、盗みがなくなったという話である。
こんなエピソードをレトロな切り絵スタイルの映像で表現していた。
ワインを盗む人がいるくらい美味しいワインだったということだ。
ワイン蔵の中でカラフルな映像を流すので、ワイン蔵は不思議な雰囲気に包まれていた。
ビデオ上演が終わるとガイドが戻って来て、「ハハハ、悪魔には会えましたか?」と言っていた。
そして、ワイン蔵のさらに奥まで進んでいく。
どこまで行っても、中はワインだらけ。
ワイン樽がこんなにあるのを初めてみた。
マジでひたすらワインだらけ。
一番奥にはビンテージワインが鍵がかかった扉に守られて、厳重に保管されていた。
そして、その奥の壁をよく見ると……
今でも悪魔がワインを守っている!!
という感じでワイン倉庫見学は終わり。
ワイン倉庫から出ると、今度は赤ワインの試飲。
イエ~イ(‘ω’)
ぼくは白ワインが大好きだが、赤ワインも好き。
赤ワインもまずは光に透かして、色を楽しむ。
クルクル回して、香りを立たせる。
チョコレートのようなシナモンのようないい香り。
ガイドは味や香りの例えのボキャブラリーが豊富で、ソムリエっぽかった。
赤ワインは二種類頂いたのだが、どちらも味や香りが全然違くて面白かった。
一気に二杯も飲んだので、酔っ払ってきた(笑)
これでコンチャイトロのワイナリーツアーは終了。
ワインとワイングッズのお土産物屋があるので、そこで買い物ができる。
ぼくはテイスティングした白ワインが気に入ったので、一本だけ買った。
お洒落な箱に入れてもらえるので、プレゼントにもぴったりだ。
あとはバンに乗ってサンチアゴのホステルまで送ってもらって、ツアーは無事に終了。
ツアーに参加していたお客さんはみんな満足していたように思う。
6.ワイナリーツアーの感想
ワイナリーツアーに参加したのは初めてだったが、とても楽しかった。
ワインの試飲が3回もできたし、ワイン蔵にも2か所入れたし、ガイドの説明は丁寧だった。
しかし、ぼくは農業コンサルタントをしているので、もっとブドウ畑をじっくりと見学したかった。
なので、今後はブドウ栽培を中心にワイン作りについても勉強して、ソムリエを目指そうと思う。
今まではイチゴソムリエだったが、これからはソムリエを目指す!
ワイン蔵を守るワインの悪魔に憑りつかれてしまったようだ……
まとめ
南米チリ共和国の首都サンチアゴで、日本でも有名なコンチャイトロのワイナリーツアーに参加した。
ブドウ畑やワイン蔵の見学をして、白ワインと赤ワインの試飲もできてとても楽しいツアーだった。
英語でのツアーもあるので、チリに来た旅行者にはぜひワインツアーをおすすめしたい!
コンチャイトロの絶品白ワイン
ぼくがプレゼント用に購入した白ワインが、日本のAmazonでも販売されていた!(さすがAmazon)
このワインは辛口でもフルーティーでもなく、塩分をわずかに含み複雑な味をしていて、シーフード料理との相性はバッチリだと思う。
日本に帰ったら購入して、友達と一緒に飲みたい。
ワインをもっと楽しめる本
最近、ぼくが買って読んでいる「家飲みワインガイドブック」は素人には難しそうなワインの選び方がわかりやすく書いてある。
この本を読めば、美味しいワインをもっと楽しむことができる。
追記:サンチアゴのワインバーはBocanárizがおすすめ!
チリ・サンチアゴでワインを飲むなら、ワインバーBocanáriz(ボカナリス)がおすすめ!!
→ チリ・サンチアゴのワインバーBocanárizは「チリ産ワイン3種飲み比べ」が700円で飲めて料理も絶品!
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