国内外で農場視察歴5年
学生時代のぼくは信州大学農学部と大学院でイチゴの新品種の普及活動をしていたので、長野県内や東北、中部、四国、中国地方など国内各地の農場視察に参加していた。
農場視察には大学教授や農業改良普及センターの普及員、JA職員、農業資材会社の社員などが参加しており、日本全国のイチゴ農園を中心に50か所以上の農場を視察して回った。
大学院を卒院後は青年海外協力隊に野菜栽培隊員として参加し、学生時代と同じようにパナマの農場視察に参加している。
国内外で農場視察に参加した経験から、農場視察をする際に気を付けるべきポイントをまとめてみた。
1.予習をする。
まずは農場視察に参加する前に、その農場に関係することを徹底的に調べるべきである。
有名な農場ならばネットでググり、農場のホームページや記事になった農業雑誌などを読もう。
小さな農場でもその地域の標高や平均気温、主要都市までの交通時間などを調べる。
そのような情報は農産物の品質や作型、出荷に影響を与えるからだ。
また、知り合いの農家から視察に行く農場に関しての話を聞くのも大切だ。
事前に情報を仕入れ、視察当日は何を質問したいのか、何を調査したいのかをはっきりさせておくことが大切だ。
逆に言えば、視察当日はネットで調べられるようなことは質問すべきではない。
2.案内役ではなく、やる気なさそうな人に質問する。
日本で農場視察をする際には、農業普及員やJA職員などが案内役を務めることが多い。
パナマでも農牧省などの職員が案内役をする。
その案内に着いて行ってはいけない。
案内役は彼が紹介したいものだけを見せ、都合が悪いものは見せないからだ。
案内役からは距離を取り、あらかじめ用意した調査したいものリストに従い、視察をするべきだ。
また質問したいことは案内役にはせず、農場内でやる気がなさそうに働いている人に質問しよう。
そういう人の方が、本当のことを答えてくれる。
下の写真のように視察団が来ているのに関心を示さず、黙々と作業をしているタイプの人が最適だ。
案内役や農場主は良い技術は他の農場に知られたくないし、都合が悪いことも教えたくないのでウソをつくことが多い。
3.畑では一番奥まで入る。
農場視察では畑の中に入らずに、案内役が畑の手前で説明をするだけの場合も多い。
植物の状態は同じ畑でも場所によって違う場合が多い。
人目に付く手前だけ植物を管理する農場もあるし、畑の奥に別の品種を隠れて栽培している農場もあった。
すべての植物の状態を把握するためにも、まずは農場主に一声かけてから必ず畑に入るべきだ。
また、いろんな角度から畑の写真を撮影するためにも、畑の一番奥まで入ることは大切である。
農場視察の3つのポイントまとめ
1.予習する。
2.案内役ではなく、やる気なさそうな人に質問する。
3.畑では一番奥まで入る。
以上の三点を意識したら、日本でも海外でも充実した農場視察が出来ると思う。
農業男子や農ギャルにとっては、農場視察ほど心が躍ることはない。
では、楽しい農業ライフを!
おすすめの本
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