スペイン語の挨拶は、体調・気分を尋ねる問いかけをする
スペイン語のネイティブスピーカーは、挨拶をするときに必ず体調・気分を尋ねる問いかけをする。
問いかけは2個以上重ねて使うことも多いので、その使用確率は150%だ。
ぼくは中米パナマに2年間住んだ。
そして、スペイン語のネイティブスピーカーであるパナマ人と交流した。
そして、その問いかけのバリエーションの豊富さに驚いた。
出会い頭の挨拶のパターンは10種類以上ある。
それぞれの問いかけに適した受け答えをしないといけない。
でも、それが外国人にはなかなか難しい。
そこで今回はスペイン語ネイティブスピーカーが挨拶で使う体調・気分を尋ねる問いかけと、その答え方を紹介しよう。
スペイン語圏へ旅行や留学する際には、この挨拶を覚えて流暢な受け答えをしてほしい!
1.コモ エスタ ウステ? Cómo está usted ?
スペイン語の教科書に載っている基本的な挨拶の仕方が「コモ エスタ ウステ?」
これは「あなたの体調・気分はどうですか?」という意味である。
ちなみに、パナマ訛りでは「S」を省略して発音するので「コモ エッタ ウテ?」と発音する。
中南米は各国ごと、さらに同じ国でも地域ごとに訛りがあって、発音や使う言葉も違うのだ。
返事の仕方:ビエン グラシアス イ ウステ? Bien, gracias y usted ?
基本的な答え方は「ビエン グラシアス イ ウステ?」で、これは「元気です、ありがとう。あなたはどうですか?」という意味だ。
体調・気分を尋ねられたら、相手にも同じことを聞き返すのが礼儀とされているので、必ず聞き返すことにしよう。
「聞き返すとまた相手から体調・気分を尋ねられ、またこちらが聞き返す」
というループ状況になることも多い。
これは相手の体調・気分を気遣い合うラテン文化なのだ。
ビエンを繰り返して、「ビエン ビエン」や「ビエン ビエン ビエン」と言う人もいる。
スペイン語では語呂が良いと、同じ言葉を繰り返す習性がある。
ちなみに、キリスト教徒は
「ビエン グラシアス ア ディオス(神様のおかげで良いです、ありがとうございます)」
と答えるのが良いとされている。
2.ケ タール? Que tal ?
「ケ タール?」は親しい関係の人、身分が自分と同じか下の人に使う問いかけである。
返事の仕方:ビエン イ トゥ? Bien y tu?
返事の仕方は「コモ エスタ ウステ?」と同じで良い。
でも、親しい関係なので「ビエン イ トゥ?」というより親しげな返事の仕方でも良い。
3.コモ テ バ? Cómo te va ?
「コモ テ バ?」も親しい友人や家族向けの挨拶だ。
日本語に訳すのが難しいが「どんな調子だい?」といったところだろう。
返事の仕方: トランキーロ Tranquilo
「ビエン」と答えてもいいが、「トランキーロ(落ち着いてるよ、問題ないよ)」と答えるとネイティブっぽい。
4.コモ テ フエ? Cómo te fue ?
「コモ テ フエ?」も親しい友人や家族向けの挨拶だ。
返事の仕方: アキー Aquí
これはパナマの田舎だけかもしれないが、「アキー」と答えると「私は元気だよ」という意味になる。
本来のアキーは「ここ」という意味で、「アキー エストイ ビエン(こっちは元気だよ)」が省略されている。
体調や気分が少しぐらい悪いときでも、「元気」と答える文化
「体調や気分が良くないときにはどうしたらいいのか?」
と思うだろう。
でも、基本的には「良いところ」を見つけて良いと答えるのがラテン流の考え方なのだ。
風邪気味でも昨日よりは回復してきていたら、「ビエン!」と答える。
ネイティブスピーカーが「ビエン」と答えない状況は滅多にない。
95%の確率でビエンと答える。
入院するほど体調が悪かったり、絶望するような悲しい事件でも起きない限りは、とにかく常に良いと答えればよい。
日本人の感覚で「ちょっと寝不足だから」とか「ちょっと肩が凝ってるから」という理由で、ビエンと答えないと質問攻めにされる。
もしくは、過剰に心配されてしまう。
ラテンではとにかく「良い」とポジティブに考えるのだ。
しかし、それでも本当に体調・気分が悪かったら、
「エストイ マロ(体調が悪いです)」と答えよう。
5.ケ アイ デ ブエノ? Qué hay de bueno?
「ケ アイ デ ブエノ?」は「何か良いことあったかい?」という意味。
これはおじさんなど年配者がよく使う問いかけの言葉。
若者は「ケ アイ?」と略して使う。
返事の仕方:ナーダ Nada
最初は「ナーダ(特にないよ)」と答えるのが一般的。
その後 「ないってことはないだろ? この前のお祭りはどうだったんだ?」と相手からの質問に答える流れになる。
6.ケ パソ? Qué paso ?
「ケ パソ?」は「どうした?」という意味。
「何をしている? 」という意味で使う場面もある。
でも、出会い頭に言われた場合には「どうした元気か?」という意味になる。
返事の仕方:ビエン Bien
特に返事の必要はないが、ビエンと言っておけば無難だ。
7.ケ ソパ? Qué sopa?
「ケ ソパ?」は絶対にスペイン語の教科書には載っていない。
なぜかというと、これはパナマの若者言葉だから。
「ケ パソ?」のパとソを入れ替えた言葉で、日本語でいう「まいう~」みたいなものだ。
おそらく世界中でパナマの若者しか使わない言葉である。
パナマで人気の歌手も、PVがパナマの名所で撮影されたこの歌の中で「ケ ソパ?」と唄っている。
返事の仕方:ビエン Bien
特に返事の必要はないが、ビエンと言っておけば無難だ。
8.エントンセス? Entonces ?
「エントンセス?」は本来は「それでは」という意味で使うことが多い。
でも、出会い頭で使う場合には「どうした? 元気か?」という意味。
少々ぶっきらぼうな挨拶なので、親しい男友達にしか使わない。
返事の仕方:ビエン Bien
特に返事は求めていないので好きに話しかけたらよいが、迷ったらビエンと言っておけば問題ない。
9.コモ アマネシステ? Cómo amaneciste ?
「コモ アマネシステ?」は「よく眠れましたか?」という意味の言葉。
寝起きの状態で使う問いかけの言葉だ。
返事の仕方:グラシアス ドルミ ビエン Gracias, dormí bien.
「グラシアス ドルミ ビエン」と答えれば「ありがとう。よく眠れました」という意味になる。
10.トド ビエン? Todo bien ?
「トド ビエン?」は「すべて順調か? オールオッケーか?」という意味。
これはパナマ以外のラテン地域でも、よく使う便利な言葉だ。
返事の仕方:トド ビエン Todo bien
「トド ビエン?」と聞かれたら「トド ビエン(オールオッケー)」と答えればよい。
【おまけ】パナマ流の挨拶サローマと逆お辞儀
ついでにパナマ流の挨拶の仕方を紹介しよう。
犬の遠吠えの鳴きマネはやし歌「サローマ・グリート」がパナマ流の挨拶
パナマ流の挨拶は、サローマやグリートと呼ばれる犬の遠吠えの鳴きマネである。
日本人には意味が分からないと思う。
人と会ったら犬の遠吠えの鳴きマネをして、された相手も犬の遠吠えの鳴きマネをして返す。
これがパナマの伝統的な挨拶なのだ。
おそらく山奥の密林地帯でもお互いの位置が分かるように、農家の知恵として生まれた挨拶手法だろう。
もちろん、都会ではもうこの挨拶をする人はいないが、ぼくが住んでいる村では全員これをする。
言葉では説明できないので、下の20秒ほどの動画を見て欲しい。
ぼくの村に住んでいるパナマ人は、これを毎日している。
特に酔っぱらったおじさんは、酒屋の前にたむろってコレをずっと続けている。
そして、日々の暮らしの中でも、名前を呼ばれた時の返事は「アウーー!」という犬の鳴きマネでする。
例えば「ホセ君、ちょっと来てー」というと、ホセ君は「アウ――!」という犬の鳴きマネをするのだ。
これは老若男女問わず行われる。
なので、かわいい女子高生も名前を呼ばれると「アウ――!」と犬の鳴きマネで返事をする。
マジで萌える。
「またまた~、嘘でしょ!?」と思うかもしれない。
でも、パナマの田舎ではガチで全員犬の鳴きマネで返事をしている。
そして、パナマに2年間も住んでいるのでぼくも「アウーー!」と返事をしている。
なので、ぼくが日本で「アウーー!」と返事をしても笑わないでほしい。
パナマでは返事は「ハイ!」ではなく、「アウーー!」なのだ。
すれ違う時には、逆・お辞儀をする
そして、日本ではすれ違う時の挨拶といえば、頭を下げるお辞儀。
だが、パナマはすれ違う時に真逆で、頭を上げる逆お辞儀をする。
使うタイミングは日本のお辞儀とほぼ同じなのだが、頭を動かす方向だけが真逆なのだ。
顎を上にあげるのが、パナマ流のお辞儀なのだ。
そして、このお辞儀をされた相手は、同じように顎を上にあげる。
まさに日本のお辞儀と同じ反応である。
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海外旅行で使えるスペイン語の挨拶まとめ
スペイン語のネイティブスピーカーが、挨拶で使う問いかけとその答え方を紹介した。
スペイン語圏に旅行や留学する際には、この答え方を参考にしてほしい。
それからぼくが日本で「アウーー!」と返事をしても笑わないでほしい。
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