スペイン語の中南米パナマ訛り&方言まとめ
ぼくは青年海外協力隊として、中米パナマ共和国に2年間住み、パナマ人との会話を通してスペイン語を学んだ。
実はスペイン語といっても、スペインのスペイン語と中南米のスペイン語は大きく違うので、ぼくはスペイン人の話すスペイン語を聞き取ることができない。
さらに中南米の中でも国によってスペイン語の訛りと方言があるので、パナマ以外の国の人と会話するのは苦労する。
さらにさらにパナマの中でも、8個の県ごとに使われるスペイン語に微妙な訛りがあるので、ぼくの話すスペイン語は、パナマのベラグアス県訛りなのだ。
これは日本語でいうと山奥の村に住む老人が使うガチな東北弁みたいなもので、山形弁を話す外国人タレントのダニエル・カールさんみたいな感じだ。
スペイン人からみたら、ベラグアス県訛りを話す日本人はめっちゃ面白い存在だろう。
そこで今回はパナマの訛りと方言をまとめてみた。
中南米の他国と共通する訛りも多いと思うが、思いつく範囲でまとめてみた。
パナマ独特の若者言葉がある
パナマには若者だけが使う独特の若者言葉がある。
例:本来はQue paso ?が正しいが、Que sopa ?という言葉を使う
「どうしたんだ?」という意味のQue paso ?(ケパソ?)という言葉を若者は、「Que sopa ?(ケソパ?)」という。
これは日本語でいうと、うまいを「まいう」という気持ちと一緒だ。
例:カッコイイという意味で、英語のPretty(プリティー)を使う
パナマ人の若者はカッコイイと言いたいときに、英語のプリティーを使う。
めっちゃゴツイ腕時計をはめていたとしたら、「その腕時計、プリティーだね」と言う。
挨拶は一日中Buenas(ブエナス)を使う
パナマ人の挨拶は、一日中Buenas(ブエナス)を使う。
スペイン語の基本的な挨拶は以下の3つだが、パナマではあまり使わず、すべてをBuenas(ブエナス)で済ませる。
・おはようございます:Buenos días(ブエノスディアス)
・こんにちは:Buenas tardes(ブエナスタルデス)
・こんばんは:Buenas noches(ブエナスノチェス)
出会い頭や他人の家に入る時の呼びかけなど、すべてブエナスだ。
語尾にPues(プエス)を多用する
パナマ人は語尾にPues(プエス)を多用する。
プエスには意味はないが、語尾に着けるとノリを軽くする効果がある。
例:Chao pues(チャオ プエス)
例えば、Chaoだけだと「さようなら」だが、Chao puesだと「じゃあね♪」という意味になる。
以下のように、何にでもプエスを付けられる。
・Nos vemos pues(また会おうね♪)
・Bien pues(いいよ♪)
・Gracias pues(ありがとね♪)
しかも、パナマ人はSを省略することが多いので、Pues(プエス)はPue(プエ)になる。
同僚たちから「チャオ プエ!(じゃあね♪)」といつも言われるし、毎日使っている。
日本でもプエプエ言ってしまいそうだ。
Dale(ダレ)を多用する
パナマ人はDale(ダレ)を多用する。
例:「じゃあな」という別れの挨拶の意味でのDale(ダレ)
ダレを電話の切り際や立ち話をしていた話し相手との別れ際に使う場合には、「じゃあな」という別れの挨拶になる。
例:「行けよ」というOKの合図でのDale(ダレ)
バスの中で料金徴収係がダレという行った時には、運転手へ「行けよ」という合図の意味で言っている。
例:「やれ! やれ!」とはやしたてる時のダレ
ケンカなどをはやしたてる時にもダレを連呼する。
YOはヨではなく、ジョと発音する
Yoはヨではなく、ジョと発音する。
Yはヤユヨではなく、ジャジュジョだ。
例:Yo soy はヨ ソイではなく、ジョ ソイ。
Yo soyはヨ ソイではなく、ジョ ソイと発音する。
ヨでも通じるし、ヨという時もある。
スペイン語話者は、日本人とは発声方法が違うので、「ヨ」を強く発音すると「ジョ」という音になるのだ。
そのため、ヨとジョを明確には区別していない。
SとESを省略する
パナマ人はSとESを省略する。
例:Como esta usted?は本来コモエスタウステだが、コモエタウテという。
Como esta usted ?(コモエスタウステ?)は、「コモエタウテ ?」になる。
この言葉は一日に30回以上は使うので、ぼくも完全に訛ってしまっている。
例:Esperateは本来エスペラテだが、ペラテという。
Esperate(エスペラテ)は、ペラテという。
「ペラテ! ペラテ!」と言われたら、「待って! 待って!」という意味だ。
例:Esta bien(エスタビエン)は「タビエン」
Esta bien(エスタビエン)は「タビエン」と発音する。
同様にEsta bueno(エスブエノ)は「タブエノ」という。
語尾のDOをOと発音する
パナマ人は語尾のDOをOと発音する。
最初は別の言葉かと思って意味が分からずに困っていたが、今では自分でも使っている。
例:Pescadoは本来はペスカドだが、ペスカオという。
Pescado(ペスカド)は、ペスカオという。
魚という意味。
例:Cansadoは本来カンサードだが、カンサーオという。
Cansado(カンサード)は、カンサーオという。
2つの言葉をくっつけて短縮する
パナマ人は短縮形の言葉を使う。
例:Para acaはPacaに短縮
Para aca(パラアカ)は、Paca(パカ)と短縮させて使う。
例:Para allaはPallaに短縮
Para alla(パラアジャ)はPalla(パジャ)という。
とりあえずは異常だ。
他にも思い浮かんだら追加していきたい。
【おまけ】「パンジャオ!」と声をかけてくる
パナマ人から「パンジャオ!」と声をかけられることが多いが、そんなスペイン語はないので意味を尋ねたら、「友達のいう意味の中国語だ」と言われた。
パナマ人は母国語で「アミーゴ!」と呼びかけてあげようと思って、わざわざぼくに「パンジャオ!」と呼びかけてくれている。
中国人じゃないし間違っているのだけど、見た目では見分けがつかないし、「友達!」と声をかけてくれている訳なので、最近ではぼくも「パンジャオ!」と返事している。
【おまけ】コスタリカの方言
コスタリカでよく耳にした方言も紹介しよう。
1.Pura vida(プラビダ)
Pura vida(プラビダ)は「純粋な人生」という意味のコスタリカが掲げる標語。
コスタリカ人に「コモエタウテ?」と体調を尋ねると、100%の確立で「プラビダ!」という返事が返って来る。
驚くほど浸透したスローガンなのだ。
参考:綺麗なビーチ&野生動物&森林浴が一度に楽しめる!コスタリカで最も人気があるマヌエル・アントニオ国立公園の3つの魅力
2.Mae(マエ)
Mae(マエ)は仲がいい男同士でしか使わない呼びかけ語。
「お前」という意味に近く、公での場では使ってはいけないそうだ。
3.Mande ?(マンデ?)
Mande ?(マンデ?)は「え、何? どうしたの?」という意味で使われている。
パナマでも使う人がいるらしいが、ベラグアス県では稀である。
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まとめ
スペイン語のパナマ訛りと方言をまとめてみた。
パナマに来る機会があれば、パナマ訛りのスペイン語をマスターしてみてほしい。
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