「青年海外協力隊になりたいです」
そういう人は、青年海外協力隊のことをどれほど理解しているだろうか?
「青年海外協力隊のことは経験しないとわからない」と協力隊OBのぼくは今だから思う。
・青年海外協力隊を選んだことは正しかったのか?
・青年海外協力隊以外の道に進んだ方がよかったのでは?
・協力隊経験者のリアルな意見は?
青年海外協力隊に参加する前に、協力隊経験者のリアルな体験談(※JICAのポジショントークではない)を知りたかった。
また、青年海外協力隊になりたい人には、協力隊以外にも選択肢があることを伝えたい。
そこで今回は、青年海外協力隊になりたい人が知っておくべきことを紹介しよう。
【追記】
YouTubeで青年海外協力隊の体験談を語っています。
→ 【青年海外協力隊の体験談・試験対策】合格率を上げるコツは?面接で聞かれる質問は?
青年海外協力隊に興味がある人は、ぜひチャンネル登録してください。
青年海外協力隊以外の選択肢
まずは、青年海外協力隊に興味がある人に、協力隊以外の選択肢を伝えたい。
JICAボランティアも素晴らしい経験ができるが、参加する目的によっては他の手段も選択肢になる。
1.ボランティアがしたいから青年海外協力隊になりたい人
・ボランティアがしたいから
・人の役に立ちたいから
・困っている人を助けたいから
こんな理由で青年海外協力隊になりたい人は、日本でボランティアすることも選択肢に入れてほしい。
開発途上国でボランティアすることにも意義はあるが、日本でもボランティアをすることはできる。
2.海外に住みたいから青年海外協力隊になりたい人
・とにかく海外に住みたい
・日本で働きたくない
・外国が大好き
そんな人は、青年海外協力隊だけではなく、留学やワーキングホリデーも選択肢にいれてみよう。
留学やワーホリは国際協力ではないが、その分自由に海外で活動ができる。
海外に住みたいだけの青年海外協力隊志望者は留学かワーホリしよう | JIBURi.com
3.キャリアアップのために青年海外協力隊になりたい人
・海外の実務経験をキャリアアップに生かしたい
・日本の会社から転職したい
・海外の会社で働きたい
そんな人は、外資系企業や海外駐在員を狙ってみてはどうだろうか?
ボランティアではなく「ビジネスマン(ウーマン)」として海外で勝負するのも、やりがいがあることだと思う。
4.国際協力がしたいから青年海外協力隊になりたい人
・この世界から貧困をなくしたい
・国際協力を仕事にしたい
・国連やJICAで働いて大きな仕事がしたい
そんな人は青年海外協力隊ではなく、JICA職員や開発コンサルタントを目指そう。
政府開発援助(ODA)の中心は、青年海外協力隊ではなく国際機関のプロジェクトなので、そちらで活躍してほしい。
日本には青年海外協力隊の情報が不足している
ぼくは青年海外協力隊の任期が終了してからおよそ2年が経過するが、今でも青年海外協力隊の情報は不足していると感じる。
日本人の税金を使って行われている事業なのに、青年海外協力隊のことを正しく理解している人はほとんどいない。
・海外青年隊は自分でお金を払って貧しい国へ行って、お給料が1円ももらえないのよね?
・JICAで一生働けていいわね〜
・青年海外協力隊のくせに首都で働くなんて、ダメな隊員だ!
・英語がペラペラじゃないと、なれないんですよね!?
・貧しくて可哀想な人のために奉仕していて偉い!
日本人からこんなトンチンカンな言葉をいただくことが多い。
せめて青年海外協力隊を目指す人には、リアルな青年海外協力隊のことを知ってほしい。
そんな後悔を感じて、協力隊を志していた4年前の自分のために、この記事を書いている。
1.青年海外協力隊はボランティアではない
まず、青年海外協力隊はボランティアではない。
JICAでは「ボランティアという言葉の意味は、無報酬で働くことではなく、”率先的に働くこと”です。なので、生活費や国内手当を支払ってもボランティアなのです」と説明している。
でも、日本人がイメージするボランティアは「無報酬で働くこと」だろう。
実際には青年海外協力隊は自己負担金0円だし、生活費(毎月3万円から5万円くらい)も国内手当(2年間で200万円)ももらえるので、ボランティアとはよべないと思う。
青年海外協力隊のお金に関することは、こちらの記事にまとめてあるので読んでほしい。
2.40歳から69歳ならシニア海外ボランティア
「JICAのボランティアには、若者しかなれない」
と勘違いしている人も多いけど、実際には20歳から69歳まで(49年間)が募集年齢だ。
40歳から69歳までは「シニア海外ボランティア」といい、青年海外協力隊の2倍の生活費をもらいながら働ける。
シニア海外ボランティアについては、こちらの記事で詳しくまとめたので、30歳以上の人にはぜひ読んでほしい。
参考:給料540万円!JICAシニア海外ボランティアとは?年齢40歳以上TOEIC330点から応募できる |
3.青年海外協力隊に合格する裏技
「青年海外協力隊は合格するのが難しい」
という勘違いをしている人も多い。
しかし、ぼくは社会人経験ゼロ、留学経験ゼロ、ボランティア経験ほぼゼロ、TOEIC500点台なのに、一発で合格した。
なぜかというと、”青年海外協力隊に合格する裏技”をしっていたからだ。
青年海外協力隊は攻略法さえしっかり理解すれば、合格する確率をあげることができる。
参考:本当は教えたくない!青年海外協力隊の試験に合格する裏技を暴露する。新卒で社会人経験なしなのにJICAボランティアに採用された方法
4.JICAボランティアの負の一面
「青年海外協力隊は素晴らしい制度だ!」
と褒めるだけの人もいるが、負の一面も理解している人は少ない。
日本人の若者を一人で途上国に派遣すれば、それはいろんな問題が発生するに決まっている。
協力隊志望者には、JICAは絶対にアピールしないマイナス面についても、理解したうえで青年海外協力隊に参加してほしい。
青年海外協力隊の問題点については、こちらの記事を読んでほしい。
5.JICAの派遣前訓練の様子
JICAボランティアは途上国に派遣される前に、派遣前訓練を受けるがそのことが知られていない。
「世界一の語学学校」とよばれたり「婚活学校」とよばれる訓練生活について、ぜひ日本人に知ってもらいたい。
ぼくはできるならばもう一度訓練所に入って、駒ヶ根マジックか二本松イリュージョンを起こしたい。
また、この派遣前訓練がJICAボランティアの最終試験になっているので、辞退やクビなどの問題が起こることもある。
参考:【特別寄稿】宮﨑大輔に支えられた、カルロスの青年海外協力隊、辞退までの道のり
6.青年海外協力隊一年目の様子
途上国に派遣されれば、「私たちのために来てくれてありがとう!」と住民から感謝されると思っている人がいるが、そんなことはほぼない。
・金をよこせ!
・新しい機械と車を買え!
・必要ないから国へ帰れ!
とぼくはいわれた。
そんな状況でも環境のせいにせずに、結果を出さないといけないと思う。
ぼくの協力隊一年目の感想はこちら。
7.青年海外協力隊の葛藤
「青年海外協力隊は途上国の貧しくて可哀想な人を、日本人のように幸せに変えてあげるべき」
と考えている日本人が多い。
でも、本当にそうだろうか?
途上国の住民は不幸で、先進国の住民が幸せなのだろうか?
そんな価値観のズレを体験して、ぼくは葛藤した。
でも、この経験のおかげで真実に気がつけたと思う。
8.青年海外協力隊OBが任地へ戻って調査した結果
・青年海外協力隊が帰国したあとの任地は、いったいどうなるのか?
・ボランティアが帰ったあとも活動は続くのか?
・ボランティアが任地へ戻ったら、どんなリアクションをするのか?
そんなことを確かめるべく、ぼくはおよそ一年後に自費で、パナマ共和国の無電化村に帰ってみた。
そこで自分のボランティアを振り返ったことで、ボランティア活動に大切なことを学ぶことができた。
この記事は青年海外協力隊に興味がある人には、ぜひとも読んでほしい!
9.青年海外協力隊OBOGの進路
青年海外協力隊の任期が終わった後に、何をするか?
これはJICAやJICAボランティアの頭を悩ませる問題だ。
協力隊OBOGの多くが再就職か公務員か大学院へ進学するが、中には途上国へ戻り起業したり働く人もいる。
そんな3名の協力隊OBOGにインタビューを行ったので、ぜひ読んでみてほしい。
青年海外協力隊の後の進路を考える参考になるはずだ。
【追記】YouTubeで青年海外協力隊の体験談を語っています
YouTubeで青年海外協力隊の体験談を語っています。
青年海外協力隊に興味がある人は、ぜひチャンネル登録をお願いします。
【青年海外協力隊の体験談・試験対策】合格率を上げるコツは?面接で聞かれる質問は?
青年海外協力隊になりたい人向け情報まとめ
今回は、青年海外協力隊になりたい人に伝えたいことをまとめた。
青年海外協力隊以外にも選択肢はあるし、協力隊を選んだとしても、実態を理解するべきだ。
今回の記事は、4年前に青年海外協力隊になろうとしている自分自身のために書いたものだ。
これから青年海外協力隊になりたい人には、ぜひ読んでみて考えてもらいたい。