被害者続出!海外のノンアルコールビール中毒にご用心
海外には中毒を引き起こすノンアルコールビールがあり、青年海外協力隊の中にも被害者が続出している。
ぼくは中米パナマ共和国でノンアルコールビール飲料「マルタ」にハマってしまい、毎日飲まないと生きていけない体にされてしまった。
これから海外旅行に行く人には、ノンアルコールビール中毒にかからないように注意してほしい。
そこで今回は、中毒を引き起こすほど美味しいノンアルコールビールを紹介しよう。
ノンアルコールビール飲料「マルタ」がうますぎて、我慢できない!
ぼくは中米パナマ共和国でノンアルコールビール飲料「マルタ」にハマってしまい、毎日飲まないと生きていけない体にされてしまった。
まずは、マルタという悪魔の飲み物の正体を暴こう。
1.マルタ(Malta)とは、麦芽糖ソーダである。
マルタとは中南米とアフリカを中心に飲まれている「麦芽糖ソーダ」であり、ノンアルコールビール飲料とも呼ばれている。
パナマ国内では、マルタは小さな商店やスーパーなどどこでも売っており、庶民の飲み物として親しまれている。
(1)マルタの味
原料は麦芽糖で、麦芽糖味のサイダーだ。
原料がビールの原料である麦芽糖なので、ノンアルコールビールと言われているが、日本のノンアルコールビールとは全く別物だ。
見た目はギネスビールのような黒ビールっぽいが、実際の味は黒飴や黒糖蒸しパン、焼き芋に似ていて、糖分がたっぷりと入っているので激甘だ。
(2)マルタとビールの違い、製造方法
マルタにはいくつかの種類があり、基本的にはビールの苦み成分である「ホップ」が入っている。
ぼくは学生時代に自家製ビールを醸造をするくらいビール好きなのだ。
ビールを醸造する工程は、麦芽を糖化させて麦芽糖にして、そのあとホップを投入して香りと苦みを付け、その後ビール酵母を投入して糖をアルコールに発酵させる。
ビール酵母を投入する前の麦芽糖液を飲むと、麦芽糖の味がしてめちゃくちゃ甘い!
(※このまま発酵させると本物のビールができてしまい法律に引っかかるので、水を加えて糖分を薄めてアルコール度数が低いビールテイスト飲料を作る)
マルタの場合には、麦芽糖にホップを投入した後、ビール酵母を加えずに糖を糖のまま味わっている。
そのため、マルタはビールの一歩手前の飲み物なのだ。
(3)マルタは元気の源
マルタには大量の糖分が含まれているので、「エネルギー補給飲料」として売り出されている。
コカ・コーラのカロリーは100ml当たり45kcalで、マルタのカロリーは45~67kcalだ(メーカーにより異なる)。
コカ・コーラよりもカロリーが高いので、栄養補給にはピッタリだ。
そのため、配属先の同僚と炎天下の中きつい農作業をした後には、「喉が渇いたから、マルタでも飲みに行こうぜ!」と言い、近くの商店へマルタを飲みに行く。
マルタを飲めば水分だけでなく糖分も補えるので、重労働の後の栄養補給にピッタリだ。
しかし、日本人のおよそ7倍もあるパナマ人の高い肥満率は、「マルタ中毒」によるものではないかと疑っている。
2.マルタの種類
マルタにはいくつかのメーカーからいろんな味が発売されている。
おそらく中南米とアフリカでも商品は違うと思うが、今回はパナマで購入できるマルタを紹介しよう。
まずスーパーでは、このような大きな冷蔵庫にビールやソーダが並んでいる。
マルタはコカ・コーラなどと一緒に炭酸飲料コーナーに置かれている。
日本のノンアルコールビールのように、ビールコーナーにはないので注意が必要だ。
(1)Vigor Malta
パナマで最もポピュラーなマルタは、Vigor Malta(ビゴールマルタ)だ。
どんなに小さな商店でも、ビゴールマルタとコーラは必ず置いてある。
ビゴールマルタの中でも一番多いのは、250mlの小さな瓶だ。
他にもいろんな容器・サイズのビゴールマルタが販売されている。
値段は250mlの小さな瓶が一本30円で、下の写真の下に写っている1リットルペットボトルが120円だ。
これは小さなペットボトルタイプ。
これは中型のペットボトルタイプ。
缶のビゴールマルタも売っている。
隣りに並んでいるセブンアップというソーダの売れ行きと比較してみると、マルタの人気ぶりがわかるだろう。
パナマ人はビゴールマルタが大好きなのだ。
(2)Super Malta
ちょっとマニアックなマルタが、Super Malta(スーペル・マルタ)だ。
何がスーパーなのかは不明で、味はビゴールマルタとほとんど変わらない。
ぼくの村ではスーペル・マルタは珍しくて、なかなか手に入らない。
(3)Vita Malta Plus+
Vita Malta Plus+(ビータマルタ・プラス)は、滋養強壮ドリンクとして売られている。
どこにでも売っているが値段は1本120円と高いので、パナマ人が飲んでいるところを見たことがない。
パナマでは小さな瓶ビールが1本40円くらいなので、なんとビールの3倍の値段がするのだ!
ビータマルタプラスには、ホップ、薬用ニンジン、ロイヤルゼリー、アロエベラなどが入っており、中南米の栄養ドリンクだ。
味はビゴールマルタよりも濃くて、口に含むと複雑な味わいが広がり、後味は焼き芋っぽい。
めっちゃ美味しいし、気分的に元気が出る。
ハードな農作業をした後には、ビータマルタで超回復している。
(4)Vita Maltaのフルーツ味シリーズ
ビータマルタには、フルーツ味シリーズもある。
イチゴ味、マンゴー味、アサイー味だ。
マンゴー味にも麦芽糖が含まれているが、ホップは入っていない。
これも1本120円もするので、村人は買えない。
マンゴー味のビータマルタを飲んでみると、ただのマンゴー味のソーダだった。
マンゴーの香りがして、麦芽独特の香りは感じなかった。
マルタだと思って飲むとガッカリするが、これはこれで美味しいし、絶対に女性にウケる味だ。
(5) Pony Malta
ポニーマルタにはホップが入っていないが、バニラが入っているので、甘い香りがして女性におすすめだ。
100ml当たりのカロリーはコカ・コーラと同じ45kcalで、他のマルタよりもカロリーが低くて、甘さも控えめだ。
3.最初は甘すぎるけど、中毒性が半端ない!
今でこそマルタなしには生きていけない体になってしまったが、最初からマルタファンだった訳ではない。
初めて飲んだ時には「ノンアルコールビールだ!」と言ってパナマ人から手渡されたので、日本のノンアルコールビールのような苦い味を想像しながら飲んでみたら、口の中に麦芽糖の激烈な甘さが広がって頭が混乱して吐き出してしまったほどだ。
パナマ人はフルーツジュースに必ず砂糖を山ほど入れるし、コーヒーにも飽和状態になって溶けきらないほどの砂糖を入れて飲むので、マルタのような激甘な飲み物が好きなのだ。
マルタの味は日本人のぼくには甘すぎて、最初のうちは嫌いだった。
しかし、同僚たちと農作業をする度にマルタを飲んでいるうちに、この甘さにも慣れてしまい、次第にマルタが大好きになった。
今では一日1本は飲まないと元気が出ないほど、マルタ中毒に侵されている。
そして、パナマで活動する協力隊員の中には、ぼくと同じようにマルタ中毒を発症してしまった隊員がいる。
日本でマルタが手に入らない場合には、ぼくらは禁断症状に苦しめられ、中南米かアフリカに引っ越すことになるだろう。
中南米やアフリカを旅した時にうかつにノンアルコールビール・マルタに手を出すと、マルタ中毒に侵されて後戻りできない人生になるので、気を付けてほしい!
まとめ
海外のノンアルコールビール・マルタは、中毒性がヤバい。
マルタに手を出す場合には、覚悟を決めよう。
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