今回は家業の会社に跡継ぎとして入社したカタオカさんにインタビューを行いました。
- 家業の跡継ぎになるのはどう?
- 跡継ぎとして何をしているの?
- 家族と働くのは大変では?
こんな疑問がある方は、ぜひ最後までお読みください。
カタオカさんの紹介
まずはカタオカさんについて紹介します。
- 名前 カタオカさん
- 年齢 30代後半
- 今の職業 株式会社片岡商店
- 過去の職歴 会社員経験9年(2社)→フリーランス(6年)
カタオカさんの経歴です。
年代 | できごと |
0歳 | 広島県広島市のカバン屋の長男として生まれる |
2007年 | ネット求人広告の会社に入社し1年で退職 |
2008年 | 重機械メーカーに転職し8年で退職 |
2016年 | 地域おこし協力隊に合格するも辞退 |
プログラミングスクールへ行く | |
フリーランスになる | |
2021年 | 実家の家業に入る |
インタビューをする宮崎の経歴
インタビューを行う宮崎のプロフィールと経歴も紹介します。
- 氏名 宮崎大輔(みやざきだいすけ)
- 年齢 33歳
- 職業 会社経営
- 仕事 いちご農園の栽培、戦略、経営コンサルタント、家庭菜園YouTuberなど
年月 | できごと |
1988年 | 長野県の果樹農家に次男として生まれる |
2013年 | 青年海外協力隊として中米パナマへ派遣 |
2015年 | 日本へ帰国し、独立 |
2018年 | 家庭菜園系YouTuberを始める |
2022年 | 友人知人へインタビューを始める |
では、ここからはオンラインで行ったインタビューの様子を紹介します。
家業は何をしているの?
カタオカさんの家業は何をしていますか?
歴史がすごいですね!
スクールバッグとはランドセルのことですか?
いえ、ランドセルではなく、中学生や高校生が通学に使うタイプのカバンです
なるほど、私も中学や高校生時代に使っていました!
片岡商店さんはバリューチェーンの中で、どの役割なんですか?
まずは①自社で商品の企画をして、②試作品を製造します。
仕様が確定し、量産段階に入ると ③国内協力工場に発注します。
④販売先は学校に直接販売することもありますし、制服屋さんやスポーツ店などに間接販売することもありますね
自社量産工場は持っていないんですね
そうなんです。
今風の言い方をすると、ファブレス・メーカーですかねw
※工場を持たないメーカーのこと
強みはどんなところですか?
商品の改善ができる点です。
弊社は自社製品の修理も行っているのですが、頻出する故障箇所から原因を推定し、再発防止の改善ができるのです。
一般的なカバン屋さんは売り切りになってしまうので、ここまではできませんね
カタオカさんが家業に入った理由
カタオカさんはいつ家業に入ったんですか?
2021年の8月末からです。
なので、ちょうど1年経つ頃ですね
家業に入るまでのカタオカさんのキャリアについては、別のインタビュー記事で紹介しています。
どうして家業に入ったんですか?
家業をしている両親が高齢になったからです。
「廃業するか?跡を継ぐか?」で迷ったのですが、跡を継ぐことに決めました
カタオカさんは東京に住んでフリーランスとして順調に仕事をしていたと思います。
広島の家業を継ぐと決めることは、難しい決断ではなかったですか?
かなり悩みましたね…
決断する前には、両親や広島に住んでいる弟を含めてオンライン会議を何回もしました。
私は長男なので、子供の頃から「自分が家業を継がないといけない」という意識もありました。
やっぱ長男が先陣を切って身を切らないと物事が進まないなと。
なので同じ長男として、鬼滅の刃の炭治郎のセリフには共感しましたね
『俺は長男だから我慢できたけど次男だったら我慢できなかった』
竈門炭治郎
私は次男なので長男の考えは理解できないのかもしれませんw
迷いながらも最終的には跡継ぎの道を選んだ理由は何ですか?
理由は3つあります。
①フリーランスの働き方に飽きはじめていたから
②廃業するのがもったいないと感じたから
③伸びしろがあると感じたから
フリーランスの働き方に飽きたんですねw
伸びしろはどんな点ですか?
家業は商圏が広島のみで、かつ超アナログな運営体制なので、「国内・海外での販路拡大・ITを活用した業務効率UPをすることで伸びしろがある」と感じていました。
ただ、実際に家業に入ってみると、それよりも先に取り組むべきことが見つかりまして…
家業に入って1年間で取り組んだこと
何かの壁があったんですね。
家業に入って1年間は何をしていたんですか?
整理整頓
主に事務作業や収益性の分析、取引先との交渉を担当しています。
どちらも社長である父親が苦手なことなので、その役割を担っています。
具体的には学校ごとの収益性を整理したり、ウェブサイトのリニューアルなど情報発信を整えています。
あとは、ひたすら整理整頓ですね…
整理整頓?
1年前は「社内のどこに何があるのか?」がわからない状態だったです。
必要なものを使うために、探す時間が膨大で。
よく父と母が喧嘩してました。
入社前は「ITをどんどん導入をするぞ!新商品開発するぞ!」と意気込んでいたのですが、そんな余裕が無いくらい乱れていました
それで整理整頓に力をいれたんですね。
どうやって取り組んだんですか?
まずあまりにもモノが多すぎるので、不要な備品をジモティーに出品して処分しました。
短期間に30件以上もジモティーで処分したのでメッセージのやり取りが超大変でした。
そこが一段落ついたら、さらに突き詰めるために整理整頓のプロの方に定期的に入って頂き、細部の整理を進めています
ジモティーは便利ですね!
整理整頓の他に力を入れていることはありますか?
新しい取り組み
こんな取り組みを少しずつ準備し始めています。
①ECサイトでの直販事業
②海外への販路開拓
③スクールバッグ以外の用途開発
④Instagramのアカウント運営
片岡商店さんのスクールバッグは耐久性が高いことがウリだそうなので、キャンプやサバイバルゲームなどのアウトドア用が良さそうですね。
あとは日本や海外のコスプレーヤー向けに、アニメに映ったスクールバッグを提供するとか
アイデアをありがとうございます。
耐久力があるのでアウトドアユースはイケると思います。具体的にどんなシーンで使うのか用途を明確にすることが今後の課題ですね。
また物流ドローンがこれから増えていきますが、その運搬用バッグにも参入できるのではと考えています。
直近の成果ですと、当社のスクール補助バッグを改造したものが、法人向け保険会社の営業用サブバッグとして採用されたケースもあります
いろいろ取り組まれていますね!
私は家庭菜園YouTuberとして活動しているので、コラボバッグの開発ができたら面白そうですね
面白そうですね!
カバンは最小ロットが30個くらいから作れるので、家庭菜園愛好家向けのカバンも作れそうですね
あとはAmazonでクチコミが良かったビジネスバッグを買ったのですが、しばらく使ったら壊れてしまって、ビジネスバッグにも不満がありますw
ぜひビジネスバッグも作って欲しいです!
Amazonのレビューは買ってから数日以内に書く人が多いので、使い込んだ人のレビューが少ないんですよね。
Amazonで販売されている商品ってデザインや写真は良いのですが、耐久性は未知数なんです。
実際私も4,000~5,000円で買ったカメラバッグが使って数回目で壊れた経験があります。
そのような技術的な知識やノウハウは、社長である私の父親が得意な領域です
父親の知識をわかりやすく伝える息子
社長のその知識やノウハウが活かせると良さそうですね
そうなんですが…
社長は伝え方が下手で、話が長いんですよねw
たまに的を得た発言もするので、しぶとく社長の長い話(ボヤキ)に付き合って会社ブログに掲載したら、Twitterでバズりました
さすがブロガー
家族と一緒に仕事をすることの難しさ
カタオカさんにとって社長は実の父親ですが、家族と一緒に働くことは大変じゃないですか?
やっぱり親子の関係性で仕事をするのは難しいですね…
社長からしたら「入ったばかりの者が偉そうに!」となりますし、
私からしたら「30年前の価値基準は今では通用しない!」と感じますし…
たしかにジェネレーション・ギャップはありそうですね
一般的な会社だと社長と次期社長の年齢の差は10歳くらいだと思います。
しかし、家業だと社長と次期社長の年齢の差が30歳以上になります。
家業の方が世代差が大きいので意見が合わないんですよね。
なので毎日、意見交換という名の口喧嘩をしていますw
意見の対立が問題ですね…
毎日しんどいんですが、ある方から「社長と衝突しない方が逆に不自然だよ」と言われたので、まぁ多少は前向きに捉えています。
こういった社長と後継者の口喧嘩は、「跡継ぎあるある」だそうですw
跡継ぎのネットワークと強み
Twitterを拝見していると、跡継ぎ同士の横の繋がりがあるように感じます。
皆さんとはどこで知り合ったんですか?
実際に会ったことがある人は少なく、Twitter上でのやり取りがメインです。
まだコロナ禍なので直接会うことは稀ですね
たしかにコロナでコミュニティがオンライン化しましたね。
最近は跡継ぎの人が多いと感じますが、ブームなんですか?
アトツギのブームと仕掛け人
3年くらいから、SNS上での跡継ぎの情報発信が増えたようです。
昔は「跡継ぎ」は草葉の陰に隠れる地味なイメージでしたが、「アトツギ」はカッコイイというイメージに変わってきましたね
そのリブランディングは誰かが仕掛けたんですか?
一般社団法人ベンチャー型事業承継の山野さんが跡継ぎを『アトツギ』にリデザインして発信されたことが発端と聞いております。
他にも「家業エイド」さん・「ツギノジダイ」さん・「BIZHINT」さんなどアトツギをサポートする団体やスポットライトを当てるメディアはここ数年で多く増え、私自身とても参考になっています
やはり、仕掛け人がいたんですね!
アトツギをサポートする組織やメディアが増えていると知りませんでした
跡継ぎ候補生の方にメッセージ
跡継ぎになることを考えいている人にメッセージをお願いします
実際に家業に入ってみると、表面上では分からなかったことに驚かされます。
それはネガティブなことだけでなくポジティブなこともあります。
そのポジティブな要素を知らずに何も手を尽くさず閉じてしまうことはもったいないです。
特に歴史がある家業ほどその後悔が大きいでしょう。
最近ではリモートワークできる環境も整い、家業に関わりながら通常の仕事をすることも不可能ではなくなってきました。
家業の跡を継ごうか少しでも迷っている人は、時間を作って向き合ってみることをおすすめします
カタオカさんのインタビューまとめ
今回はカタオカさんに家業の跡継ぎになる道を選んだ理由や取り組んでいることの話を伺いました。
カタオカさんのご経験は、跡継ぎになろうと考えている人の参考になると思います。
転職とフリーランスについて
カタオカさんには転職とフリーランスの経験についても話を伺いました。
こちらも合わせてお読みください。
YouTubeもあります
今回のインタビューの様子はYouTubeでも観れます。
ラジオ感覚で家事や運転、デスクワークをしながら、聞いてみてください。
カタオカさんのSNSとブログ
カタオカさんのSNSやブログもぜひご覧ください。
カタオカさんのブログ
https://make-from-scratch.com/
カタオカさんのTwitter
カタオカさんの水耕栽培のYouTube
カタオカさんのマイクロドローン撮影のYouTube
株式会社片岡商店さんのウェブサイトとInstagram
株式会社片岡商店では、主にスクールバッグを企画・販売しております。
スクールバッグ以外の用途も模索中ですので、何かアイデアがある方はぜひ株式会社片岡商店のお問い合わせフォームよりご連絡ください
株式会社片岡商店のウェブサイト
https://kataoka-shouten.co.jp/
株式会社片岡商店のInstagram
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