【ウユニ塩湖プロジェクトの活動報告】青年海外協力隊OB2名がウユニ市の学校で環境教育ワークショップを行いました

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ウユニ市の学生と記念撮影

ぼくたちは南米ボリビア多民族国家でウユニ塩湖環境改善プロジェクトを実施している。

ぼくは2015年12月から2016年2月までウユニ市へ滞在しバイオトイレの建設のために活動し、別の青年海外協力隊OB2名が2016年2月にごみ問題の改善活動を実施した。

これで「第一フレーズ」は終了し「第二フレーズ」へ移行するので、このブログを読んでくれている皆さんやクラウドファンディングの支援者の方へ、これまでの活動内容をご報告しようと思う。

活動についてはバイオトイレの話とこれからの予定も伝えたいが、今回は廃棄物処理に対して行った活動についてのみまとめることにする。

それでは青年海外協力隊OB2名がウユニ市で実施した環境改善活動についてご紹介しよう。

 

 

 

 

目次

ウユニ塩湖環境問題クラウドファンディング

ボリビア人ドライバーと記念撮影

まずは簡単に状況をおさらいしておく。

◆2015年12月:宮﨑がボリビアのウユニ市へ入り、環境問題についての調査を行った。

◆2016年1月:ウユニ市長の合意が得られたので、READYFORでクラウドファンディングを開始。一週間で目標金額の100万円達成!

◆2016年2月:宮﨑が日本へ一時帰国。入れ違いで玉置と他1名の青年海外協力隊OBがウユニ市へ入り、ごみ問題の改善活動を行う。

◆2016年3月:玉置が日本へ帰国。クラウドファンディングのリターンの発送を開始。

このような流れでウユニ塩湖の環境改善活動を行っており、これで第一フレーズが終了した。 

バイオトイレの建設についてと第二フレーズの計画については、また別の機会に公開するつもりである。

 

 

 

ウユニ市の廃棄物問題の解決のために実行したこと

ぼくは廃棄物処理の活動には関わっていないので、ここからは玉置からの報告をもとに活動内容をご紹介しよう。

1.ウユニ市の学校での環境教育

玉置は東洋大学大学院の修士課程に在籍しており、青年海外協力隊・環境教育隊員としてパナマ共和国で活動した経験と、東アフリカのケニア共和国のJICAプロジェクトのインターンとして活動した経験がある。

彼は「途上国の廃棄物処理」について世界中で取り組んでいるスーパー大学院生なのだ!

以降は彼が作成した報告書を基に作成している。

【プロジェクトの背景】

ボリビア多民族国ウユニ市で起こってい る環境問題を改善するために、バイオトイレの設置を市役所側に提案したところ、ウユニ市役所側はごみ問題 について問題意識を持っていることが明らかになった。

そこでバイオトイレ建設とごみ問題改善を抱き合わせでプロジェクトを行うことでより質の高い環境改善が行えるというという結論に至った。

 

玉置ともう一名の青年海外協力隊OBは、ウユニ市の学校でごみ問題についてのワークショップを開催した。

青年海外協力隊OBによるごみ分別の教育

 

ごみの種類と、そのごみが何色のごみ箱へ捨てるべきなのかを生徒に質問しながら指導していった。

青年海外協力隊OBによる環境教育の様子

 

青年海外協力隊はワークショップの開催に慣れているので、子供は楽しそう。

もう一名の青年海外協力隊OBはボリビアで活動していた環境教育隊員だ。

ウユニの学校で行った環境教育ワークショップ

 

ボリビアで2年間環境問題の改善のために活動した経験を生かして、プロジェクトを支援してくれている。

子供たちが飽きないように日本の紹介や分別クイズを取り入れたり、工夫した。

子供たちも積極的に参加している様子が窺える。

ウユニ市の学校で環境教育

 

ボリビア政府は「3色のごみ箱」を使ったごみの分類を普及しようとしている。

しかし、まだウユニ市では実践できていないので、子供たちはごみを分別した経験が一度もない。

ウユニ市で実施したごみ教育

 

そんな子供たちのために写真を使いながら、家庭で発生するごみの適切な分類方法を指導した。

青年海外協力隊OB2名によるごみの啓もう活動

 

玉置がケニアの学校で実施した「環境意識アンケート」をウユニ市の学校でも実施した。

このデータは今後の大学院の研究にも役立てられる。

青年海外協力隊OBの環境教育ワークショップ

 

学校でのワークショップは2回行い、合計で100名の生徒が参加した。

環境教育ワークショップの一コマ

 

分別式のごみ箱の数が全然そろっていないので、ごみ箱を学校へ支援した。

クラウドファンディングで支援して頂いたお金を使わせて頂きました。

ごみ箱を使った環境教育ワークショップ

 

こちらが校長先生。

環境教育に対しては重要性を理解しているがその方法がわからないという状態なので、ぼくたちの活動を快く受け入れてくれた。

ウユニ市の校長と青年海外協力隊OB

 

最後に記念撮影をパシャリ。

「環境意識の改善には20年から30年の期間がかかる」といわれているので、子供への環境教育は非常に重要である。

そこで中学校をパイロット的に選定し、ウユニ市役所と協力して、分別用ごみ箱を提供した。

ウユニ市の学生と記念撮影

 

以下、玉置の報告。

【まとめ】

課題としてはまだ圧倒的に分別用ごみ箱が不足していることである。

特に小学校や中学校への早期の導入が必要である。

ごみの分別指導などの環境教育は幼少期に行うほど効果が期待できることが知られており、そのような施設に分別ごみ箱がないウユニ市の廃棄物処理の未来は明るいとは言えない状況である。

また教師の中に分別指導のできる人材はおらず、市役所の廃棄物課が小学校や中学校へ訪問し、分別指導を行っていく必要がある。

もしくは廃棄物課の人間が教師へ分別方法を指導し教師が授業の中で児童や生徒に指導するということも考えられる。

しかし、廃棄物課と教育課は連携が取れているとは言えず、援助機関などを仲介させることにより横の繋がりを構築する必要がある。

 

 

2.ごみ回収車に同乗し、ごみ回収方法の同行調査

次はごみ回収方法の調査について報告しよう。

ウユニのごみ回収車と玉置。

ウユニのごみ回収車と玉置氏

 

彼がウユニ市のごみ回収車の運転手さん。

ちなみにボリビアではごみ回収をしている人は教育水準が低いと見られ、差別を受けることもある。

ごみ回収車を運転する運転手

 

ウユニ市では朝3時から午前10時までごみを回収している。

ウユニ市のごみ回収方法は、「市民がごみを路上に放置しそれを回収員が拾って集める方式」。

効率が悪いし、野犬が散らかすしで問題あり。

ウユニ市のごみ回収の様子

 

ごみは一切分別せずにすべて埋め立てごみへ。

実はごみの分別施設はあるのだが、機能していないのだ……

ごみ回収の様子をチェックする玉置氏

 

ごみの内容物を分析する玉置。

パナマやケニアでも廃棄物処理のプロジェクトに関わっていたので、さすがに慣れてますね。

ウユニ市でゴミを調べる玉置氏

 

ごみ回収にかかる時間を測定している玉置と野犬。

野犬がごみを散らかすのが環境汚染に影響を与えている。

ウユニでゴミを調査する青年海外協力隊OB

 

おばあちゃんたちがごみを捨てに来た。

ウユニ市の路上は家庭ごみが常に溜まっている。

ウユニ市でごみ回収を調査する玉置氏

 

ごみ回収作業員と記念撮影。

彼らのおかげでウユニ市の町はある程度の状態を保っているが、彼らの社会的な地位はとても低いそうだ。

ごみ回収職員と記念撮影

 

日本から持って来たお菓子とコカ・コーラをプレゼント。

こういうのが国際協力プロジェクトでは、実は重要なんですよ。

ごみ回収車の運転手と記念撮影

 

 【玉置の報告】

市役所の廃棄物課にお願いし、ごみ収集車 (パッカー車 )に乗せてもらいどのように集めているかなどの調査を行った。

ウユニ市のパッカー車は2台 であり月曜~土曜まで稼働している。

回収車のメンテナンスが十分に出来ていないので、昨年購入したパッカー車なのに、すでにボロボロの状態である(ボリビアのOB談)。

稼働時間は AM3:00~ PM12:00までである。

1台のパッカー車が50か所以上でごみ収集を行うが、1か所平均での回収時間に1分半以上を要しており、袋収集の必要性を感じた。

袋収集が導入できればごみ収集にかかる時間が大幅に削減でき、清掃員さんの労働負担を減らすことができる。

また、ごみ収集車が家の前を通るときに外で待っていたり、外に出てきて捨てに来る住民が一定数いるが、中には収集車が家の前を通ったことに気付かず、クレームを言いに来た住民がいた。

足の不自由な人や老人にはごみを収集場所までごみを運んでくることは大変であり、住民がごみ収集車が通ったときに気付く仕組みが必要がある。

 

一つにはベルリングがある。

収集車が通るときにベルを鳴らして来訪を告げる方法である。

日本でも昭和初期から中期にかけて行われていた。

ベルを買うだけなのでコスト面でのメリットがある。

 

もう一つは収集車にスピーカーを設置して音楽を流して来訪を知らせる方法である。

ボリビアではタリハ市で行われており、環境教育ソングなどを流すと環境教育にも効果的である。

コストがかかるが、ベルリングよりは効果が期待できる。

 

事前情報ではウユニ市では1日に12 tの廃棄物が出ていると聞いていたが、筆者が収集車に同行した印書やドライバーとの話しなどを考慮しても、それほどの廃棄物量は出ていないと思われる。

ウユニの住民は市場で買った野菜や肉などで料理しており、生ごみの割合が多く、プラスチックごみなどはごく少数である。

筆者が調査を行ったのは雨季であり、観光客の出すプラスチックごみ、とりわけペットボトルが多く輩出されていた。

宿のオーナーによってはペットボトルを分別して集めているところもあった。

このように宿のオーナーがペットボトルだけを集め、それをみんなで持ち寄ればかなりの数のペットボトルの量になりウユニ市にリサイクル業者を誘致することも可能かもしれない。

 

 

3.スタディツアーMotiプロジェクト 、旅行会社オンリーワン、NGO団体Projecto Yoshiとコラボ

モチプロジェクトのスタディツアー参加者と記念撮影

2016年2月にウユニ市でMotiプロジェクトさんのスタディツアーが行われたので、株式会社オンリーワンとNGO団体Projecto Yoshiとコラボして環境問題について説明した。

参加したのは日本の大学に通う日本人大学生20名ほど。

スタディツアーMotiプロジェクト

モチプロジェクトは、福室まなみさんが代表を務める大学生向けスタディツアー団体。

 

Projecto Yoshi

プロジェクトヨシは、南米でツアーガイドを行っていた本間賢人さんが立ち上げたNGO。

 

 

【コラボイベントについての説明】

列車の墓場でゴミを拾う日本人旅行者

Motiプロジェクトのスタディツアーで日本から 20名弱の大学生が列車の墓場に訪れた際、本プロジェクトやウユニにおけるごみ問題について解説し、その後、一緒にごみ拾いを行った。

ごみを拾う玉置とスタディツアー参加者

 

拾うごみの種類はプラスチックごみに限定し、ごみ拾い後にプロジェクト Yoshiの代表である本間氏にごみの入った袋を渡した。

ウユニでごみ拾いを行う日本人旅行者

 

列車の墓場でゴミを拾う日本人旅行者

 

ごみ拾いをするモチプロジェクトの参加者

 

本間氏は油化装置でウユニの環境改善を行っており、集めたプラスチックごみは油化装置でエネルギーに変えることができる。

Projecto Yoshiの本間さんと玉置

 

 

まとめ

2016年2月に青年海外協力隊OB2名が環境改善活動を行った。

活動のためにクラウドファンディングで支援して頂いたお金を使わせて頂いた

ありがとうございます。

バイオトイレの建設の進展と第二フレーズの予定は、また別の記事にまとめる。

 

【追記】ごみ問題に対する活動報告には続きがあります!

→ 【ウユニ塩湖プロジェクトの活動報告2】青年海外協力隊OBが行った廃棄物問題に対する取り組みを紹介します

 

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