未来の働き方を考えよう(ちきりん著)新しい生き方を模索する若者の感想

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未来の働き方を考えよう

最近、「未来の生き方を考えよう 人生は二回、生きられる」という本を読んだ。

著者は、ちきりんさん。

この本のテーマである「生き方・働き方・仕事」はちょうど自分が悩んでいる分野だったので、本に載っていたデータやちきりん氏の考え方がとても参考になった。

そこで、今回はこの本を紹介しようと思う。

しかし、「ちきりん、って誰?」という人が多いと思うので、まずは著者のちきりん氏から紹介しよう。

 

 

目次

社会派ブロガー ちきりん

「ちきりん」は本名ではなく、ネット上のあだ名である。

ちきりんさんは本名も顔も公開していないが、ネット上では有名人である。

それはなぜか?

 

ちきりんさんのブログ「Chikirinの日記」は月間200万PV(閲覧回数)を誇り、ちきりん氏は大人気ブロガーとしてネットの世界では有名である。

 

1.Chikirinの日記

ブログ「Chiririnの日記」に書かれている内容は、政治からビジネス、グローバリゼーションまで幅広く、独自の切り口で鋭いコメントをしている。
Chikirinの日記

一般論とは違う意見もはっきりと主張するため、時にはバズを引き起こし話題になっている。

月間PVが200万回もあるため、その影響力は大きいのだ。

 

2.7冊の本を出版

ちきりんさんはその影響力の大きさから、7冊の本を出版している。

【ちきりんさんの出版本】

(1)ゆるく考えよう

(2)自分のアタマで考えよう

(3)社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!

(4)未来の働き方を考えよう

(5)「自分メディア」はこう作る! 大人気ブログの超戦略的運営記

(6)「Chikirinの日記」の育て方

(7)多眼思考 ~モノゴトの見方を変える300の言葉! ~

 

今回は「未来の働き方を考えよう」を紹介する。

 

未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられるの書評・レビュー

「未来の働き方を考えよう」 という本のタイトルの通り、この本は統計データを紹介しながら、これからの日本の仕事、生き方、働き方についてのちきりんさんの意見を述べた本である。

 

1.定年退職年齢の延長

定年の70歳までの延長により、「今までとは異なる新しい働き方をする必要がある」と指摘している。

厚生労働省の資料やこれからの高齢化の推定値を見ると、現在20代以下の方にとって、「70歳定年」の世界は、ほぼ確定した未来に思えます。

もう一度、考えてみてください。

年金の支給開始年齢が70歳まで延長された時、あなたは本当にその年齢まで、今の職場で今の仕事を続けていたいと思いますか?

引用元:未来の働き方を考えよう

 

2.IT革命、グローバリゼーション、人生の長期化

ちきりんさんが世界の変化として指摘しているのは、以下の三点である。

(1)IT革命

(2)グローバリゼーション

(3)人生の長期化

 

(1)IT革命

今までは国や国際企業など大きな組織しか世界を変えることはできなかったが、IT革命によって「個人の力」で世界を変化させるチャンスが生まれている。

ウィキリークス、アラブの春がその例だ。

さらに、これからも世界のパワーバランスは変わり続けると指摘する。

産業革命とIT革命には、パワーシフトを起こしつつあるという点以外にも共通点があります。

それは、暴落する層と新たにパワーを握る層が、実は流動的だということです。

引用元:未来の働き方を考えよう

 

(2)グローバリゼーション

発展途上国といわれている国が、「安い労働力と増加する人口」を武器に先進国を脅かすという。

最初に理解すべきことは、日本では迫り来る脅威として受け止められることの多い言葉も、インドなどの新興国においては、完全にポジティブな言葉だということです。

彼らにとってグローバリゼーションは「明るい未来」とほぼ同義です。

引用元:未来の働き方を考えよう

確かに、パナマの発展スピードはものすごい。

ぼくがパナマに住んだ一年半の間でも、経済発展が目に見えて進んでいる。

パナマシティの新市街

 

(3)人生の長期化

寿命の延長により、求められる力が「貯金や資格などのストック型から、自分で稼ぐ能力のようなフロー型に変化する」と予想している。

けれど今後、人生100年の時代になれば、ストックが多いことより、その時々になんらかの価値を生み出し続ける「フローの力」の方が重要になります。

たとえば、貯金はあるけれど自分で稼ぐ力のない人と、貯金はないけれど、自分で稼ぐ能力のある人の対比が、わかりやすいでしょう。

引用元:未来の働き方を考えよう

 

【IT革命、グローバリゼーション、人生の長期化】という変化により、ぼくたちの生き方・働き方にも変化が起こるようだ。

いったい、どう生きたらよいのだろうか?

 

 

新しい生き方を模索する若者たち

未来の働き方を考えようの中では、これまで一番良いといわれてきた「大企業への就職」とは違う進路を選び始めた若者の事例を紹介している。

 

1.大企業に就職し海外転勤から、海外就職・海外起業へ

大企業に就職して海外転勤の辞令を受けるのではなく、海外就職や海外で起業する若者が増えているそうだ。

日本の就職活動のカタチが変化しているようだ。

80年代に社会に出た私の世代にとっては、海外で働くとは勤め先の企業から、海外転勤の辞令が出ることを意味していました。

しかし最近は、大学を出てすぐに海外で起業をしたり、転職先としてアジアやシリコンバレーで働くことを視野に入れたりと、より主体的に海外に出る人が増えています。

引用元:未来の働き方を考えよう

ぼくも新卒で青年海外協力隊に参加したので、この気持ちはよくわかる。

廃油石鹸を混ぜる青年海外協力隊

参照:20代でパナマで1年半ボランティアして得たもの・失ったもの

 

2.労働時間を減らしてミニマムな暮らし

生活コストを抑えることで、労働時間を短縮することを目指す生き方を生まれている。

まったく別の形で、従来型の働き方に疑問を抱き、これまでの常識とはかけ離れた生き方を選ぶ若者もいます。

それは、生きることにかかる費用を最小化することにより、人生において働かなければならない時間も、最小化しようという生き方です。

引用元:未来の働き方を考えよう

パナマ人などラテン文化諸国の働き方は、これに近いと思う。

パナマ人は日本人の半分の労働時間で、半分の給料をもらっている。

農牧省の同僚たち

参照:残業ゼロで30日間有給休暇が取れる!日本とパナマの労働条件の違い

 

3.社会起業、NPO・NGO勤務

社会起業、NPOで働く若者も増えているという。

確かに東日本大震災の支援や発展途上国の支援を行う「社会起業」はブームになっているし、ぼくの周りにもNPOやNGOを目指す人も多い。

ここでは取り上げませんでしたが、社会起業家と称し、利益を株主に分配しない形態の企業を興すことも、数年来のブームです。

特に2011年の東日本大震災以来、NPOで働き、社会貢献活動を本業として生きていこうとする若者も増えています。

引用元:未来の働き方を考えよう

NPOやNGOは給料が安く、社会保障がしっかりしていないため、これまでは「結婚後の女性が働く場所」とされていた。

しかし、最近ではNPOで働く男性も増えているらしい。

 

新しい働き方、生き方を選ぶ若者が増えていることは理解できた。

では、自分らしい人生を送るためには、何をする必要があるのだろうか?

 

 

オリジナル人生を設計するために

オリジナルな人生を設計するために、ちきりんさんがおすすめするのは、以下の3点である。

(1)手に入れたい人生を明確にしよう!

(2)複数のシナリオをもとう!

(3)市場で稼ぐ力をつけよう!

 

1.手に入れたい人生を明確にしよう!

ちきりんさんは、「やりたいこと」と「やりたくないこと」をはっきりとさせることの重要性を強調している。

その評価は、「給料が高い、仕事が楽、社会的な地位が高い、安定した業界」といった過去の一般的な評価ではなく、自分だけのオリジナルな価値観で評価すべきという。

繰り返しますが、検討すべきは、「そんな生活で食べていけるだろうか?」ではありません。

確認する必要があるのは、「そんな生活を、本当に自分は楽しいと思えるだろうか?」ということです。

それさえできれば、他のことが満たされなくても(=たいしてお金が儲からなくても、世間から褒めてもらえなくても)幸せで楽しいと思えるか、ということです。

引用元:未来の働き方を考えよう

 

2.複数の将来シナリオをもとう!

IT革命、グローバリゼーションによって急速に変化している世界で働き続けるためには、 常に複数の将来シナリオをもつことが重要だという。

もちろん、経験を積むことで自分の好みや適正も変わっていく。

どんな分野にいる人も、働いて数年たったら、将来ありうる働き方のモデルを5つ程度、言語化(シナリオ化)し、自分の進みたい道について意識的になるべきです。

そして、数年ごとにそのモデルを見直し、進むべき道を定期的に選びなおすのです。

引用元:未来の働き方を考えよう

定年退職の年齢が70歳になれば、労働年数は50年になる。

50年間働き続けるためには、常に世界と自分の変化に対応する準備として複数のシナリオが必要になる。

 

3.市場で稼ぐ力をつけよう!

ちきりん氏は、「市場で稼ぐ力」を身につけることを推奨している。

そして、市場で稼ぐ力をつけるためには、「規制業種や独占・寡占市場でもなく、新規参入者への障壁が存在しない業界で、顧客と直接向き合いながら働くこと」が重要だという。

市場から稼ぐ力がないと、せっかく将来を見据えても複数のシナリオを考えても、組織に守ってもらう以外の選択肢を選ぶことができません。

反対に、市場が求められているを提供する力と自信が身につけば、未来に向けて選ぶことのできるシナリオは、今よりもずっと自由で多彩なものになるでしょう。

どんな分野で働く場合でも、市場感覚こそが「稼ぐ力」に直結するのです。

引用元:未来の働き方を考えよう

 

「未来の働き方を考えよう」の書評・感想まとめ

ちきりんさんの「未来の働き方を考えよう」を読んで、読む前よりも前向きな気持ちになった。

ぼくは新卒で青年海外協力隊に参加したので、かなり世間のレールから外れてしまったが、それは他人の評価基準ではなく「自分のやりたいこと」を選んだからだ。

ちきりんさんの論理的に整理された言葉を読んで、自分の思考が整理された。

これからも、新しい時代を生きる若者として、既存の価値観に流されず、新しい生き方を模索していきたい。

 

現代の働き方に疑問を感じている人は、ぜひ読んでみて欲しい。

 

 

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