道でうんこを拾っていたら警察官に職務質問される
先日、カニャーサス村の道でうんこを拾っていたら、警察官に職務質問された。
パナマに派遣されてから、警察官から数回職務質問を受けたことはあったが、まさかうんこを拾っているときに職務質問を受けるとは思わなかった。
今回はその時の様子を説明しよう。
有機肥料作りのために村中の馬糞を集めていた
パナマはカレンダー上は雨季の時期になっているのに、今年は全然雨が降らないので野菜栽培が始められない。
そこで、最近は有機肥料作りに力を入れている。
参考:JICA環境教育隊員が普及する発酵液が必要な高倉式コンポストを、途上国向けに簡単な作り方へ改良「パナマ式コンポスト有機肥料」
この有機肥料の原料として「家畜の糞」が必要なので、村の道に落ちている馬糞を拾い集めていた。
ぼくが住む村では交通手段として馬を飼っている人が多く、道にはそこかしこに馬糞が落ちている。
馬糞は無料で手に入るので村人でも活用できる。
うんこを拾っていたら、警察官から職務質問された
先、普段と同じように道でうんこを拾っていたら、通りかかった警察官から職務質問を受けた。
1.うんこを拾っていたら、警察官が通りかかった
村ではおよそ30m感覚で、このように道にうんこが落ちている。
馬の糞だけでなく放し飼いの犬の糞も落ちているし、放牧中の牛の糞も落ちているので、村中うんこだらけである。
最初はほうきとちりとりで集めていたのだが、効率が悪いのでやめて、素手と袋で集めるようになった。
すると、ちょうどそこにパトロール中の2名の警察官が通りかかった。
この写真は町のお祭りのときの写真なので軽装だが、普段の警察官はアクション映画に出てくるマフィアが使うようなでっかい拳銃を携帯している。
2.警察官から職務質問を受けた
警察官はぼくに近づいて来て、こう尋ねた。
警察官:「おい、中国人、お前何してる?」
ぼく:「うんこを拾っている」
警察官たち:「(こいつ、うんこ拾ってやがる、やべぇ)」
普段は農業に使う大きな袋にうんこを回収しているのだが、その時はたまたま「壊れた扇風機の『あぁ~~~~』と声をかける部分」を入れ物として使っていたのだ。
壊れた扇風機の部品に馬糞を集めている外国人がいたら、職務質問したくなる気持ちもわかる。
警察官:「おい、中国人、お前の名前は?」
ぼく:「ダイスケミヤザキ。でも中国人じゃない」
警察官たち:「(こいつ、中国人なのに中国人じゃないって言ってやがる、やべぇ)」
警察官にとっても、モンゴロイド=中国人なのだ。
ここでようやく、警察官がぼくのことを怪しい人物だと思い、職務質問を受けていると気が付いた。
パナマの警察官はでっかい拳銃を持っているし、マッチョで眼光が鋭い人が多いのでビビっていた。
あと、よくわからないけど、プロテクターとか武器をたくさん携帯している。
以前、ペノノメという町で語学研修を受けていた時に、警察署に挨拶に行ったときに警察官と記念撮影をしていた。
この時からすでに警察官にビビっていたのか、思いっきり目をつぶっていた。
警察官の職務質問は続いた。
警察官:「セドゥラを見せろ!」
ぼく:「セドゥラは持ってない」
警察官たち:「(こいつ、セドゥラも持ってないなんて、やべぇ)」
パナマでは識別番号制度が施行されていて、「セドゥラ」というカードがあり、国民一人一人に番号が割り当てられている。
そのおかげで国営サービスはその番号で管理されていて、とても便利だ。
セドゥラは永住権を獲得するともらえるので、中国人の多くはセドゥラを持っている。
3.「国際的な職務に従事している外国人用の身分証明書」を提示
警察官:「他に身分証はないのか?」
ぼく:「これならあるよ」
警察官:「こ、これは!? こいつ、やべぇ!!!」
警察官から身分証の提示を求められたので、パナマの経済産業省で発行してもらった「国際的な職務に従事している外国人用の身分証明書」を見せた。
これは「パナマに住んでいる日本政府の駐在員証明書」のようなもので、この証明書の意味を理解している人に見せると、水戸黄門様の印籠のような効果がある。
ぼくの村に住んでいる村人には全然通用しないが、警察官には効果があった。
なぜ、パスポートじゃないかというと、パナマではJICAボランティアの公用旅券はJICA事務所が保管しているので、ぼくは持っていないからだ。
公用旅券は重要なモノすぎて持ち歩けないので、代わりにこの身分証明書を常に持ち歩いている。
この身分証を見せると、警察官は職務質問をやめてすぐに立ち去った。
おかげでぼくは扇風機の一部を抱えながら、うんこ集めを続けることができた。
たくさんのうんこが集まったので、大満足であった。
パナマで生活していると職務質問を受けることや、身分証を提示を求められることが多い。
その時はこの身分証明書のおかげで、すんなりと開放してもらえる。
快適に生活できているのは、日本政府とパナマ政府のおかげである。
まとめ
うんこを拾っていたら警察官から職務質問を受けたが、身分証明書を見せたらすぐに開放してもらえた。
日本政府とパナマ政府のおかげで、身分を保証してもらえて感謝している。
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