パナマ農牧省の草刈り作業
MIDAカニャサス事務所の職員全員で、事務所の周りと農場と放牧場の草刈りをした。
今週の初めに所長が発案し、全員参加が義務付けられた。
朝8時半に集合し、草刈りを開始する。
信州大学農学部の美化デー
作業を始めると「なんだか美化デーのようだなぁ」と学生時代を思い出し、懐かしくなった。
僕が通っていた信州大学農学部は、月に一度「美化デー」という日があり、午後1時から1時間ほど共同作業を行っていた。
作業は、校内の草刈りかゴミ拾いで、研究室単位で参加し楽しみながら作業を行っていた。
美化デーでのゴミ拾い
中南米の農機具マチェテ (山刀)
パナマでは、草刈りに「マチェテ」と呼ばれる大型の山刀を使う。
草刈りだけでなく、木の伐採や収穫にも用いられる。
農家なら常に持ち歩く重要な農具だ。
使う時は、下の写真のような「L字の木」を左手に持ち、雑草を押さえつけながら、右手のマチェテで刈り倒す。
広範囲を草刈りする場合には、ビーバーも使う。
ビーバーは日本のものとほとんど同じだ。
しかし、刃は金属ではなく、プラスチックのヒモを用いる。
僕は同僚たちと、事務所の隣にある放牧場の草刈りをした
。放牧場と言ってもほとんど使っていないので、大雨で氾濫した水が流れ込み沼のようになっているし、雑草や木が生えており荒れ放題だ。
あとは、ひたすら刈る!
途中、近所の子供が差し入れしてくれた「キンキンに冷えたコカ・コーラのペットボトルに入った冷水」を飲んで休憩する。
熱帯気候のパナマで、朝8時半から11時半までのめっちゃ暑い3時間、大粒の汗をかきながらガッツリ共同作業をした。
信州の涼しくて過ごしやすい気候を思い出そうとしたが、暑さで頭がボーとしてきた。
しかも、2時間が経過した辺りで、マチェテを持っていた右手の手の平の皮が剥け、超痛かった。
絆創膏と紙テープで応急処置をして、作業に戻る。
しかし、頑張った甲斐あって、放牧場はずいぶん綺麗になった。
右側は沼になってしまい、草刈りが出来なかった。
「いやぁ、疲れたね~」と同僚と言い合いながら、事務所で休憩する。
その光景が「なんだか美化デーのようだなぁ」と懐かしくなる。
美化デーでも校内のゴミ拾いの後は、研究室で休憩していた。
パナマ農牧省は信州大学農学部の研究っぽい
「そういえば、僕の職場は大学の研究室のような所かもしれない」とふと思う。
良くも悪くも、学生時代と同じような活動をしているし、居心地が良い。
しかし、「いや、逆に僕の所属していた研究室がラテン気質だったのでは?」とも思い返す。
今やこちらの説の方が有力だ。
そんな考え事をいくら繰り返しても、パナマの秋は一向に深まらない。