2年間部屋の壁に貼っていた12個の活動モットー
青年海外協力隊として、およそ2年間パナマ共和国で活動してきた。
ぼくは田舎の村でパナマ人ホストファミリーの家にホームステイしており、5畳くらいの部屋で一人部屋で暮らしている。
こちらがぼくの部屋の外観だ、壁の穴のことはもう少し先で説明する。
この写真は引っ越した直後に撮ったので綺麗だが、ぼくは掃除が大の苦手なので今は散らかっている。
部屋にガラス窓はなく、窓代わりの巨大な穴が空いているので、夜になると電球目がけて昆虫と蚊が大量に集まって来る。
田舎の家には天井がなく、屋根の鉄板がむき出しになっている。
そのため音はすべての部屋が筒抜けで、雨が降ると必ず雨漏りが起こる。
ほぼ毎日断水と停電が起こり、スプリングが壊れていて隅の枠の上でしか眠れないベッドと、JICAの廃棄物からもらってきた机しかなく、寝ているとネズミが体の上を走る部屋だが、住んでしまえば我が城だ。
この部屋に引っ越してきた日に、ぼくはJICAからもらったノートへ日本から持って来た筆ペンで「12個の青年海外協力隊活動モットー」を書いて壁に貼り出した。
そして、2年間毎日そのモットーを読み、雨の日も風の日もくじけずに活動に取り組んできた。
ぼくがこれまで活動してこられたのは、目に見える場所にモットーを貼っていたおかげだろう。
帰国準備のために荷物の整理と部屋の片づけを始めたので、先日壁に貼っていた紙を剥してしまったが、せっかくなので12個のモットーを紹介しよう。
1.叶えた夢
「叶えた夢」の意味は、今やりたいことや願望だけを考えるのではなく、すでに叶えた夢を思い出して幸福感を感じて、感謝しようという想いを常に持ち続けようと思って書いた言葉だ。
「人生でやりたい100のこと」にも通じる考え方である。
参考:「夢は文字にすると実現する」人生でやりたい100のリストの作り方&使い方
文字が汚いのはご愛嬌だ。
同期隊員には、綺麗に書こうと思って集中して書いた文字を「急いで適当に書いたメモ書き」といわれたことがあるくらい、ぼくの文字は汚い。
2.伝道師になるな。
これは大学院時代の恩師からメールで送られてきた教え。
参考:本当に人の役に立ちたい青年海外協力隊に送るアドバイス!「決して伝道師になるな」
この言葉があったおかげで、ぼくのかちかを村人に押し付ける活動はしていないと思う。
「途上国の人々との話し方」という本の内容とも似た教えだ。
参考:途上国の人々との話し方を読んで、青年海外協力隊として8カ月間メタファシリテーションを試みた。
3.旅のように生きる。
青年海外協力隊の2年間を、2年間の旅に出ているように生きたいと思った。
旅に出ている瞬間ように、やりたいと思ったことに積極的に取り組みたかった。
感情の赴くままに過ごせたと思う。
4.自分の時間を生きる。
「自分の時間を生きる。」という言葉は、他人の価値観に従って生きるのをやめる宣言だ。
あーだこーだ意見を言ってくる人は無視することにした。
青年海外協力隊に参加する前よりも、わがまま、自己中心的な人間になったかもしれない。
5.モモ
モモはミヒャエル・エンデの童話のことだ。
ぼくはモモの世界観が好きだが、ミヒャエル・エンデが伝えたかったことがわからないので、2年かけてモモのことを考えようと思った。
まだミヒャエル・エンデの考えは理解していない。
6.時間ドロボー
時間ドロボーとはモモの中にでてくる灰色人間だ。
彼らは時間を盗むが、その姿はまるで現代人、特に日本人にそっくりなのだ。
そして、パナマ人はモモにそっくりだ。
参考:中南米で感じる仕事の遅さ、効率の悪さ、時間のルーズさ!時間泥棒は誰だ?
時間にルーズなパナマ人に対してめっちゃムカついた時には、「時間ドロボーは誰だ?」と自分に問いかけた。
7.なんとかなる。
青年海外協力隊の2年間は困難も立ちはだかるだろう。
そんな時でも「なんとかなる。」と前向きに考えていこうと思い、書いた言葉だ。
そろそろ、ぼくの汚い文字も味がある文字に見えてきただろう。
8.本質
「本質を知れ!」はぼくの大学院時代の恩師の口癖で、一緒にお酒を飲むたびに、100回くらい言われた。
参考:青年海外協力隊へ!大学院教授からの教え(続)世界を変えないために
見せかけに流されず、物事の本質を見極めたいと思っているが、まだだ難しい。
9.初心
青年海外協力隊に参加したいと思った時の感情、合格したときの気持ち、パナマに到着した時の心持を忘れずに居たい、思い出したいと思って、「初心」という言葉を書いた。
ブログを読み返すことでも初心を思い返している。
10.富久寿司
これは誰にも意味がわからないだろうが、ぼくが学生時代に5年間アルバイトしていた寿司屋さんの名前だ。
ここの親方はとても厳しくて、アルバイトがすぐに逃げ出したりクビになっていたが、お金を稼ぐことの厳しさを教えられとても勉強になった。
ここで厳しく育てられたおかげで今のぼくがある、といっても過言ではない。
「辛い時こそ、成長できる!」ということを忘れないように、バイト先の名前を壁に貼っていた。
2014年4月に一時帰国で日本へ帰った時には、超豪華なお寿司をごちそうになった。
日本へ帰ったらすぐに挨拶へ行きたい。
11.ぬるま湯
青年海外協力隊に入って驚いたことは、ぬるま湯だということだ。
ぼくの大学の同期は社会人5年目なので、厳しい社会の中でもまれて成長しているだろう。
それに比べてぼくは、「青年海外協力隊というぬるま湯」にどっぷりと浸かってしまっている。
参考:青年海外協力隊はぬるま湯だ!JICA駒ヶ根訓練所での70日間に及ぶ派遣前訓練の体験談
そのことを忘れないために、ぬるま湯という言葉を書いた。
12.感謝
この紙だけは毎日必ず読むために、部屋の壁ではなく扉の内側に貼っていた。
扉の内側に貼ってあれば、部屋の出入りの度に「感謝」という文字を読み、感謝の気持ちが心に浮かんでくるからだ。
この世界のすべての問題は「感謝」という気持ちで解決するのではないだろうか。
まとめ
2年間壁に貼っていた12個の青年海外協力隊の活動モットーを紹介した。
好きな言葉を扉の内側に貼るのがお薦めだ。
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