私は青年海外協力隊に2013年から2年間参加していた。
なので、協力隊になりたい人から意見をもとめられることがある。
正しい情報はJICAの公式サイトを見てほしいが、私なりに協力隊になる方法をまとめてみた。
これから協力隊を受験しようと思っている人は参考にしてもらいたい。
青年海外協力隊になる方法
青年海外協力隊になる方法を説明しよう。
1.青年海外協力隊になるための条件
国籍
日本国籍が必須。
年齢
20歳から39歳まで。
願書を提出するときの年齢なので、実際には40歳になってから派遣される隊員もいる。
40歳からはシニア海外ボランティアに応募できるので、30歳後半の人はどちらに応募するか検討しよう。
ただし、シニア海外ボランティアの方が待遇が良いので、ほとんどの人はシニア海外ボランティアを選択する。
参考:給料540万円!JICAシニア海外ボランティアとは?年齢40歳以上TOEIC330点から応募できる
性別
昔は男性の方が多かったが、最近は女性の方が多い。
また、性的マイノリティについては、JICAも対応している。
最近では性的マイノリティを公表する隊員も現れている。
ただし、宗教などを考慮して、任国が限定されることはあるそうだ。
参考:性的マイノリティ公表、初の海外協力隊員に:鹿児島市の永崎さん
学歴
特に学歴は必要ない。
4年制大学を卒業した人が多いが、専門学校や短大卒の人もいる。
海外の大学院を卒業した人や東京大学卒の高学歴者も多い。
職歴(社会人経験)
社会人経験があった方がいいといわれていて、ぼくも二次面接で突っ込まれた。
でも新卒でも参加できるし、大学院を休学して行く人もいる。
実務経験
青年海外協力隊では、実務経験を重要視している。
職種と関係した仕事をしていると、採用されやすい。
ぼくの場合には仕事ではなかったが、大学院での研究内容やアルバイトをアピールした。
資格
職種と関係した資格は持っていた方がいいし、看護師のように資格が必須な職種も多い。
英語力(TOEIC)
「青年海外協力隊には英語が得意じゃないとなれない」
と勘違いしている人が多いが、実際には英語が苦手な人のほうが多い(中には英語のネイティブスピーカーもいるけど)。
TOEIC330点があれば受験できるので、中学レベルの英語が理解できればOKだ。
ただし、英語圏の場合には足切りレベルがもっと高くなるので、TOEICの点数は高ければ高いほどよい。
受験したときのぼくのTOEICスコアは、たしか515点くらいだったと思う。
英語以外の語学力
英語圏以外の派遣が多いので、他の言語ができればそれはプラスになる。
ただし、スペイン語が話せてもフランス語圏など別の言語圏へ派遣されることがある。
ほとんどの隊員は、英語以外の言語を生まれて初めて習うので安心してほしい。
例えば、ぼくはスペイン語を生まれて初めて勉強したので、訓練所ではとても苦労した。
しかし、今ではスペイン語圏での日常会話はまったく問題ないし、かんたんな通訳はできるレベルになった。
参考:スペイン語学習初心者がゼロから半年で文法・単語・挨拶をマスターする効率的なおすすめ勉強法&役立つ参考書・教科書
健康診断
青年海外協力隊で意外と壁になるのが、健康診断。
心臓病などの重大な疾患があると受験できないし、わずかな問題でも再検査が必要になる。
ぼくは小児喘息があったので気にしていたがそれは問題なく、代わりに心電図で引っかかり再検査になった。
中には持病を隠して受験する人がいるが、任国へ派遣されてから問題になるので、絶対にやめよう。
2.会社員向け!現職参加制度とは?
国家公務員、地方公務員、民間企業、団体の中には、現職として籍を残したまま青年海外協力隊に参加させてもらえる場合がある。
現職として参加できると給料の8割がもらえるので、金銭的にはかなり特になる。
ただし、社内に前例がないと難易度は高い。
3.教師向け!現職教員特別参加制度とは?
現職教員特別参加制度とは、国立、公立学校および私立学校の教員が身分を保持したまま青年海外協力隊へ参加するための制度。
毎年適用されるのは、「春募集のみ」。
派遣期間(1年9ヶ月)と訓練(70日間)を合わせて2年間なので、一般隊員よりも3ヶ月短い。
一次選考技術審査の代わりに、「文部科学省による推薦制度」を取っているのが特徴。
現職教員特別参加制度を使いたい人は、校長先生か教育委員会へ問い合わせないといけないが、対応はさまざまなようだ。
「ぜひ、青年海外協力隊に行ってきなさい!」と応援してくれる場合と、「青年海外協力隊に行きたいなら、辞めていきなさい!」と怒られる場合がある。
公式サイトを見てみる→ 現職教員特別参加制度
4.青年海外協力隊になるための応募ステップ
次は、青年海外協力隊の応募ステップを紹介するよ。
募集説明会
まずは、JICAが開催している募集説明会へ行こう。
全国で開催しているので、ポスターやJICAのホームページで情報を見てみよう。
説明会で願書がもらえるよ。
帰国ボランティア報告会
帰国ボランティアの報告会も全国で開催されている。
体験談を聞けるのでぜひ行ってみよう。
ただし、JICAにとって都合が良い情報しか出てこないので、報告会で想像する姿は実態とは全然違うから気をつけてね!
願書請求
募集説明会に行けなかった場合には、JICAに願書を請求しよう。
健康診断
一次審査で健康診断の結果が必要になるので、大きな病院で健康診断を受けよう。
志望理由書と職種別書類審査に回答
願書は主に志望理由書と職種別書類審査。
志望理由書には、ボランティア精神についてや青年海外協力隊になりたい理由を書こう。
職種別書類審査は各設問に回答すれば良い。
ぼくが受けた野菜栽培の問題は、熱帯農業に関する問題だった。
書類提出
書類が揃ったら、締め切りまでに郵送する。
書類選考
JICAで書類選考が行われる。
一次審査結果発表
一次審査の結果がネットで公開される。
二次審査の書類が家に届くはず。
二次審査(面接)
二次審査は東京のJICAで行われる。
ここで二種類の面接を受ける。
参考:合格率50%以下の難関テスト!青年海外協力隊の二次試験の人物判定面接で、JICA試験官(精神鑑定士)から受けた忘れられない質問
健康診断で引っかかった人はここで問診がある。
二次審査結果発表
合格すれば書類が家に届く。
ここで初めて任国がわかる。
書類提出
任国が行きたい場所なら、青年海外協力隊に参加する書類を提出しよう。
行きたい場所じゃないから辞める人もいる。
技術補完研修(該当者のみ)
実務経験が足りない人は、技術補完研修を受ける。
コミュニティ開発や環境教育は受講者が多い。
派遣前訓練(駒ヶ根か二本松訓練所)
70日間の派遣前訓練を受ける。
派遣前訓練が最終試験となり、語学の最終試験に合格しないと派遣が延期になる。
派遣(基本的に2年間)
任国へ2年間派遣される。
帰国
一般隊員は2年後に帰国する。
現職参加の隊員の多くは、1年9ヶ月後に帰国する。
帰国後ガイダンス(帰国のタイミングごとに)
東京のJICAで帰国後ガイダンスが行われる。
参考:【日本帰国後の準備】青年海外協力隊の帰国後プログラムに参加するときの注意点と服装、持ち物
帰国ボランティア報告会への協力
帰国した後には報告会への協力がお願いされることもある。
ちなみにぼくは一度だけ協力したことがある。
参考:JICA駒ヶ根訓練所で青年海外協力隊の帰国報告を行ったら心の整理ができたけど勝手にダメ出しされた……
任国事情の講師の協力
派遣前訓練のプログラムの中で、任国に派遣されていた協力隊OVを読んで、話を聞く任国事情という講座がある。
そこに呼ばれてパナマについて説明したこともある。
各種JICAや青年海外協力隊関連イベントへの協力
そのほかJICA関連のイベントへ協力依頼が届くことがある。
それと、協力隊向けのメーリスが迷惑メールくらいの頻度で届くようになる。
青年海外協力隊になる方法まとめ
青年海外協力隊になる方法と条件をまとめてみた。
協力隊に興味がある人は参考にしてもらいたい。