青年海外協力隊として協力した日本大使館の日本文化紹介イベント「日本を好きなラテン人へもっと日本を伝えたい」

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パナマ人女性と記念撮影

目次

パナマの日本大使館主催の日本文化イベント

2015年1月25日(日)にパナマ共和国の首都パナマシティで、在パナマ日本大使館による「日本文化イベント」が開催された。

会場の国立図書館には大勢のパナマ人やアメリカ人、コロンビア人が詰めかけた。

青年海外協力隊からも9名が参加し、イベント運営に協力した。

今回は日本文化イベントの様子を紹介しよう。

 

 

 

 

0.過去に参加した「オタク向け日本イベント」

昨年ぼくはサンチアゴという地方都市で開催された「日本イベント」に参加したことがあった。

正統派な日本文化紹介イベントかと思いきやそのイベントは、パナマ人大学生が主催でアジアのアニメやゲーム、ドラマが好きなオタク向けのイベントであった。

会場にはコスプレしたオタクパナマ人たちが詰めかけ、異次元化していた。

DSC_0380_1399

参照:マンガ・アニメ・コスプレは海外でも人気!パナマのオタクイベントで日本文化紹介をした。

 

そのため、「今回はどんなタイプの日本文化イベントなのだろう……」と少し心配していた。

 

 

 

1.折り紙展示と折り方教室

日本文化イベントでは、パナマ人の折り紙クラブによる折り紙教室と展示がされていた。

「まぁ、パナマ人が作る折り紙だから大したことはないわなぁ」と思って見に行くと、度肝を抜かれた。

パナマの折り紙クラブ

 

そこには、「どうやって作ったの!?」と思わず聞いてみたくなるほど、複雑で立体的な折り紙作品が並べられていた。

ぼくも山奥の集落で折り紙を教えているが、まったくクオリティが違っていた。

パナマ人が作った折り紙

 

折り紙教室も折り方の説明がわかりやすく、参加者も楽しんでいて大盛況だった。

パナマ人による折り紙教室

パナマの「折り紙業界」のレベルの高さに驚かされた。

日本の伝統芸能折り紙が、地球の裏側でも人を楽しませていた。

 

 

2.生け花の展示

次に、パナマ人の生け花クラブが生け花を展示していると聞いて、見に行ってみた。

「まぁ、音楽を聴くとすぐに踊り出しちゃうような陽気なラテン人が生ける生け花だから、どうせド派手なやつなんだろうなぁ」と思いながら見に行くと、これまた度肝を抜かれた!

生け花展示コーナー

 

めっちゃ、わびさび感出ててオシャレ!!

パナマの生け花

パナマは生け花もかなりのクオリティだった。

ぼくは生け花に詳しくはないけど、とても美しいと感じた。

 

3.囲碁のルール説明と試合

会場内には、パナマ人囲碁クラブによる囲碁の体験コーナーもあった。

「いやいやいや、大人気囲碁マンガ『ヒカルの碁』世代のぼくでも囲碁のルールがわからないのに、パナマ人にできるわけないでしょ」と思い見に行くと、そこには驚きの光景が広がっていた!!

囲碁教室

 

パナマ人がめっちゃ楽しそうに囲碁をしてる!!

日本人のぼくはルールがさっぱりわからなくて、見ていてもどっちが勝っているのかわからなかった。

囲碁を楽しむパナマ人

 

囲碁を教えているのは、日本人ではなくパナマ人男性だった。

彼はパナマ人囲碁クラブの人で、かなりの腕前らしい。

囲碁教室の先生

 

囲碁が得意なカメラ隊員もお客さんたちに囲碁を指導していて、なんだかカッコ良かった。

囲碁を教える協力隊員

実はパナマには、囲碁という日本の伝統的な文化まで根付いていた。

意外とラテン人に日本文化が受け入れられている、というか日本人のぼくよりも日本文化を楽しんでいる。

 

4.着物の着付け体験

着物の着付け体験もやっているというので、見に行ってみた。

「パナマ人女性はスタイルもいいし、顔立ちもはっきりしているけど、着物は絶対に大和撫子の方が似合う!」

 

 

と思っていたのは、この瞬間までだった。

 

着物の着付けコーナー

 

パナマ人女性が着物を着ても、めっちゃかわいい!!

着物を着た美女

着物は日本人だけではなく、ラテン人が着ても美しい。

外国人女性にも、もっと着物を着てもらいたくなった。

 

 

 

青年海外協力隊は書道体験コーナーを担当

さて、ここからは青年海外協力隊が担当した「書道体験コーナー」を紹介しよう。

 

1.日本語で名前を書いてあげる

まずは来たお客さんの名前を聞いて、半紙の左半分の部分に、漢字かカタカナかひらがなで名前を書いてあげた。

パナマ人に習字を教える

 

2.それをお手本にして自分で書いてもらう

次に、それをお手本にして、右側に自分で名前を書いてもらった。

みんな書道は初体験なので、まずは筆の持ち方から教えた。

パナマ人に筆の持ち方を教える

 

各隊員が一人ずつ習字を指導した。

ド派手なハッピは大使館からの借り物。

書道を教える協力隊員

 

筆の動かし方や、書き順、文字の意味なども教えた。

書道体験コーナーは、老若男女問わず大人気だった。

書道を楽しむパナマ人

 

文字を書く姿は、彼女らも真剣そのもの。

お手本を見ながら、自分の名前を日本語で書いていった。

筆を持ち文字を書く美女

 

 

3.自分が書いた書道と記念撮影

書道が完成したら、記念撮影をしてあげた。

連絡先を交換した人には、後日写真をメールで送ってあげた。

書道に挑戦した親子

 

初めて筆で日本語を書く人がほとんどなのに、みんな上手で驚いた。

たまに大学で日本語を勉強していた学生や、ネットで日本語を勉強中の人もいた。

漢字とカタカナで名前を書いた二人

 

初めての日本の文字と書道体験に、楽しんでくれて嬉しかった。

自分の名前を自分の好きな日本語で書けることは、彼女たちにとったら超嬉しいことらしい。

ひらがなで名前を書いた二人の美女

 

 

 

4.オモシロネタ

ここからは日本文化イベントで出会ったオモシロネタを紹介しよう。

 

「やべぇ」を覚えた女性

やべえを書いた女性

彼女の名前は「やべぇ」さんではないが、「日本語の『すごい』って意味の文字を書きたい」とお願いされたので、やべぇを教えてみた。

「これは若者言葉で、会議など公な場所では使いません」と説明しておいたが、嬉しそうに「やべぇ、やべぇ」と連呼していた。

 

ポケモンTシャツを着たポケモンオタク

ポケモンTシャツを着た男性

ポケモン好きな男性が、ポケモンのモンスターボールTシャツを着ていた。

しかし文字が読めないので、Tシャツになんと書いてあるのかわからないというので、「『ポケモン封じ込めカプセル』と書いてあるよ」とスペイン語で教えてあげた。

「おぉぉぉぉ、長年の謎が解けたよ!ありがとう」と喜んでいた。

 

「雪女」が好きな女性

雪女と書きたい女性

なぜか名前ではなく、「雪女」という文字を書きたいと言う女性がいた。

「Quiero escribir YUKIONNA en Kanji.(私は雪女が漢字で書きたい)」とはっきりと主張してきた。

理由を尋ねると、「私は雪女が大好きなの」と言っていた。

ぼくは知らないが、雪女が登場するアニメでもあるのだろうか……

 

暴力的なアニメが好きなコスプレーヤー

猟奇的なコスプレをした女性

「暴力的なアニメが大好き」と話すコスプレーヤーがいた。

手に血が付いたように見えるように、手には赤いインクを塗っていた。

残念ながら、ぼくは何のキャラのコスプレなのかわからなかった。

 

 

4.書道コーナーは大人気

日本文化イベントはどのコーナーも人気だったが、書道コーナーの人気もすごかった。

常に人だかりができていた。

書道コーナー

 

ぼくは11時から16時まで一回トイレ休憩をしただけで、昼食も抜きで5時間ひたすら文字を書き続けた。

常に2人のお客さんを相手にしながら、お客さんの名前を日本語で書いてプレゼントして、写真を撮ってあげた。

日本文化イベントの書道コーナー

 

5.日本文化イベントの感想

5時間ぶっ続けで書道をしても全然辛く感じなかったのは、主にパナマ人のお客さんたちが喜んでくれたからだ。

アニメオタクとナルトを語る

ぼくが普段生活しているド田舎の村では、「日本」を理解している人はほぼいない。

1年半一緒に暮らしているホストファミリーでさえ、未だにぼくのことを中国人と呼ぶくらいだ。

 

日本に興味を持つラテン人たち

しかし、パナマシティで開かれた日本文化イベントでは、すべてのお客さんが「日本」という国の存在を認識し、興味を持ってくれている。

アニメや漫画、ゲームなどのオタク文化をきっかけにして日本を好きになった若者もいるし、囲碁や生け花、折り紙といった伝統芸能をきっかけにして日本に興味を持った大人もいる。

 

彼らは何かしらの要因で地球の裏側にある「日本」という国を知り、もっと知りたいと願っているが、パナマで日本を知る機会は少ない。

だからこそ、大使館主催の日本文化イベントがあると知れば、数百人規模の人が集まる。

 

日本人として、外国人が日本に興味を持ってくれていることが嬉しく、もっと日本のことを教えてあげたいと思った。

パナマ人女性と記念撮影

 

まとめ

日本大使館主催の日本文化イベントに参加した。

パナマ人の折り紙クラブ、生け花クラブ、囲碁クラブのクオリティの高さ、着物姿の美しさに驚いた。

書道コーナーではパナマ人の名前を日本語で書いてあげて、パナマ人にも書き方を教えた。

日本に興味を持っている外国人に会い、とても嬉しくなった。

 

「日本のことを知りたいと思っているラテン人に、もっと日本のことを伝えたい」と思った。

 

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