生きた鶏が売っている
先日、サンティアゴの市場に野菜の販売状況の調査に行くと、そこには野菜だけでなく「生きた鶏」も売っていた。
鶏は家畜の中で肉の生産効率が最も良く、卵も食用になることから、世界中で飼育されている家畜だ。カニャサスでもすべての家で肉用もしくは卵用に鶏を飼っているし、大きな養鶏場が何軒もある。おかげで僕は早朝の雄鶏の雄叫びに悩まされているが…。
多くの学校でも肉用や卵用の鶏を飼育している。
鶏のすぐ近くでは、「鶏用のエサ」も売っていた。主要成分はトウモロコシを砕いたもので、そこにミネラルを加えたエサや、卵用のエサ、ヒヨコ用のエサなど数種類のエサがあった。
薬草専門店
そして市場から少し離れたところに、探して求めていたお店があった。薬草専門店だ。僕はパナマに来てから、薬草の存在と利用法を調べていた。よくよく思い返してみると、大学の学祭で3年間「ハーブティー&果実酒のお店」を営業していたので、その頃から薬草に興味があったようだ。
薬草専門店(野菜も売っていたけど)には薬草の苗、生の薬草、乾燥させた薬草が販売されていた。自分の身分を明かして店主にお話しを伺うと、薬草はサンティアゴの近くの村で採れたものだと言う。そして、彼女は薬草についての本を買って読み、薬草の使い方を勉強して販売しているそうだ。薬草はハーブティーにして飲むか、シャワーのように全身に浴びて使うそうだ。
葉っぱで村おこしプランで考えた『ピンピンころり茶』のような「ブレンド茶」は売っていなかった。しかし、やはりブレンド茶だけでは、斬新なアイデアとは呼べないし、きっと売れないだろう。「何かいいアイデアはないだろうか?」と近くのベンチに腰かけて、静かに考えていた。
アイデアを練る
「ハーブと言えば何かな~」
コッコ、コケー
「ハーブの事を考えたいのに、市場の鶏がうるさいな」
コケーココ!ココッ!
「パナマにはどこにでも鶏がいるから、うるさくて困ったな」
ココッ!ココッ!
「待てよ…」
薬草 × 鶏 =
ハーブ鶏だぁぁぁああ!
ハーブ鶏
日本では、鶏のエサにハーブ(薬草)を混ぜて飼育し、「ハーブ鶏」として販売している養鶏業者がいる。一般的なブロイラーよりも高い値段で販売し、「信州ハーブ鶏」のように産地ごとにブランド化されている。エサに薬草を混ぜると、鶏が病気に罹りにくくなり、しかも肉と卵の臭みが無くなり美味しくなるらしい。ということは、こんなメリットが考えられる。
薬草入りのエサを作って鶏に食べさせたら、住民の暮らしが改善する。
そのエサを友人やカニャサスにある養鶏場に売ったら、現金収入も得られる。
さっそく家に帰ってからネットで調べてみると、ハーブ鶏に使われる薬草は、ナツメグ、カモミール、レモンバーム、ローズマリー、セージ、タイム、オレガノ、ショウガ、ニンニク、シナモンなどらしい。カニャサスに生えている薬草も使える可能性があると思う。しかし、僕は鶏のことは詳しくないので、これからは養鶏にも注目してみようと思う。