海外で働くために英語を習っているあなたへ伝えたいことがある。
本気で海外で働きたいならば、英会話を習う前に「専門性」を身につけましょう。
ぼくは英語が話せないし日本での社会人経験もゼロなのに、海外で働けている。
ぼくよりも英語が上手くビジネスマナーも持っている日本人は山ほどいるが、彼らは海外で働きたくても働くことができない。
それは、ぼくが専門性を身につけていて、彼らが専門性を持っていないからだ。
そこで今回は、海外で働きたい人のために英語力よりも専門性が重要な理由を説明しよう。
「海外で働きたいので英語を勉強しています」は間違い
「将来海外で働きたいので、今は英語を勉強しています」
という人はだいたい間違っている。
海外で働くためにまずすべきことは英会話教室に行くことではない。
なぜ、ぼくは英語学習を否定するのか?
理由1.世界の52.5億人は英語を話さないから
ひとつめの理由は、世界人口70億人のうち52.5億人は英語を話さないからだ。
実に75%もの人が英語を話さない。
「海外で働いてみたいな~」と憧れている人のほとんどは、【海外=欧米=英語】と考えている。
確かにヨーロッパやアメリカだけを考えれば英語が第二言語として通じる国は多いが、全世界を考えればその割合は高くない。
・もしあなたが働くことになった国が中国ならば中国語が必要になる。
・フランスや西アフリカ諸国ならばフランス語が必要になる。
・スペインや中南米ならばスペイン語が必要になる。
何の目的意識もなく英語を勉強するよりは、「○○国で働きたいから、そのために○○語を学ぶ!」と働く国と学ぶ言語を決めた方がいい。
【海外=英語】と考えている人は、グローバルな考えが持てていない証拠だ。
理由2.英語が話せる人ならすでに17.5億人もいるから
「でも、海外でビジネスに使う言葉は英語でしょ?」という人もいるだろう。
確かにグル―バルスタンダードな言語は英語だろう。
しかし、英語を話せる人ならこの世界にすでに17.5億人もいる。
今から英語を勉強するということはこの1,750,000,000人とライバルになり、競争しなければいけないということだ。
英語のネイティブスピーカーには英語力では敵わないだろうし、第二言語として英語を使っている外国人や日本人との勝負も厳しいだろう。
英語を勉強することは、レッドオーシャンに飛び込むことを意味している。
理由3.海外で働けない理由は英語力不足ではないから
三つ目の理由は、あなたが海外で働けない理由が英語ができないからではないからだ。
きっと理由はほかにある。
例えば、あなたがサラリーマンで勤めている会社に海外支店がなければ一生外国では働けないだろうし、自営業者でも外国まで届く営業力がなければ海外では働けない。
海外で働けない理由を、安易に語学力のせいにしてないか?
もちろん語学力は仕事をする上で重要な基礎能力だが、仕事の出来は言葉だけで決まるわけではないだろう。
※ただし最低限の英語は必要なので、学生は英語を勉強すべし
ただし、「じゃあ、英語は必要ないんだね!」と安易に考えないでほしい。
日本以外の国で生きていくためには、最低限の英語は必須だ。
英語が話せないよりは話せた方がいいに決まっている。
なので、もしもあなたが中学生や高校生ならば今は頑張って英語を勉強しよう。
将来、どこの国で働くにしても英会話能力は基礎能力として生きるはずだ。
英語などの新しい言語を勉強したい人は、こちらの過去記事を読んで欲しい。
海外勤務を目指すならまずは専門性を身につけるべき
海外で働きたい人が身につけるべきは英語力ではなく、圧倒的な専門性だ。
自分をレアカード化できれば、それだけで世界で通用する人材になれる。
理由1.専門性があればわざわざ日本人を雇う理由になるから
ぼくが専門性を大切だというのは、専門性があればわざわざ日本人を雇う理由になるからだ。
もし海外で英語が話せる人材を雇いたければ、ぶっちゃけわざわざ日本人を雇う必要はない。
ネイティブスピーカーのアメリカ人でもいいし、人口が多いインド人でもいいし、人件費が安いフィリピン人でもいい。
「なぜ、わざわざ外国で日本人を雇わなければいけないのか?」という問いに対して、明確な理由になるのは「なぜならば、この日本人にしかできない仕事だからだ」という答えだ。
もしあなたが英語が話せても専門性がなければ、人件費が安い現地人や英語がもっと上手に話せるネイティブスピーカーに職を奪われるだろう。
賃金が格安のただの労働者でいいなら話は別だが。
「じゃあ、どうやって専門性を身につけたらいいの?」という人は、こちらの過去記事を読んで欲しい。
理由2.需要があれば世界中からオファーは来るから
専門性に需要があり 「この仕事は彼にしか頼めない!」と代替不可能な存在だと思われれば、日本だろうが海外だろうが世界中どこでも仕事の依頼が来る。
逆に日本でしか通用しないビジネススキルやビジネスマナーしか持っていないと、海外では活躍できないだろう。
例えば、ぼくは社会人経験はゼロだがイチゴ栽培について専門的な知識を持っているので、日本・アジア・アフリカからコンサルティングの依頼が来ている。
依頼主はぼくに社会人経験が全くなくても、英語が話せなくても一向に構わないという。
なぜならば、ぼくの専門性に魅力を感じて仕事の依頼をしてくれたからだ。
海外で働くための一番の近道は、世界で通用する専門性を身につけることである。
具体的な海外で働く方法は、こちらの過去記事を読んで欲しい。
理由3.英語が話せなくても通訳をつけてもらえるから
極論、英語などの日本語以外の言語が全く話せなくても、通訳を付けてもらえば海外で働くことはできる。
JICAでは英語やフランス語、スペイン語が堪能な専門家が多いが、中には語学が出来ない専門家もいて通訳が活躍している。
英語しか出来ない人は英語圏でしか働けないが、専門性があれば通訳を使って世界中で働くことができる。
医療、農業、ITなど分野は何でもいいが圧倒的な専門性があれば、語学の壁は乗り越えられるのだ。
※通訳や翻訳者は語学の専門性を持っている
「でも、通訳や翻訳者は専門性がないでしょ?」と考える人もいるだろうが、通訳や翻訳者は語学の専門性を持っている。
通訳や翻訳者は少し英語が話せる、少し中国語が話せるというレベルではない。
すべての分野の語彙をカバーし、わかりやすく言い替える力も必要になる。
通訳や翻訳者は「圧倒的な語学力」という専門性を持っているのだ!
海外勤務に関連するTwitterまとめ
最後にこの記事を書くときに参考にしたTwitterのつぶやきをまとめておこう。
実は青年海外協力隊のほとんどは、語学ができない状態で任国へ派遣される。半年から一年経てば話せるようになるが、それまでの期間は「専門性」と「人間性」で勝負するしかない。もちろん言語をマスターした後の方が活動はうまくいくけど、「話せるだけで専門性がない日本人」は現地で必要とされない。
— ウユニ塩湖の環境を守る人|宮﨑大輔 (@JIBURl) 2016, 1月 30
海外で働くための能力について少しフォローしておくと、海外で働くためにはもちろん語学力は大切ですよ。スペイン語が話せない人は中南米では仕事できないですから。でも現地人はみんなスペイン語が話せるので、それだけではダメという話です。
— ウユニ塩湖の環境を守る人|宮﨑大輔 (@JIBURl) 2016, 1月 30
ただ、専門性が高ければ語学力がなくても「通訳」を使えるんです。
ぼくはスペイン語圏ではスペイン語で仕事をしますが、英語圏や民族語が必要なアフリカでは通訳をつけてもらいます。
なので、語学力がなくても圧倒的な専門性があれば海外で働けます。— ウユニ塩湖の環境を守る人|宮﨑大輔 (@JIBURl) 2016, 1月 30
海外出張のときには念のため通訳つけてるんだけど、たまに使えない通訳がいて、おれ喋るからいいよ、メモでも取っとけ!みたいな事態になったりするから、お気に入りの優秀な通訳を見つけとくのがポイント https://t.co/1lnkZmaIWK
— ごっちゃん (@gocchan22) 2016, 1月 30
すごくわかる。海外で働きたい人は、英会話スクールに通う前にすべきことがある。丨海外で働く上で大事なのは「英語」じゃなくて「強みと経験」 https://t.co/nGLLY8DpFw
— ウユニ塩湖の環境を守る人|宮﨑大輔 (@JIBURl) 2016, 1月 30
わかるなぁ。今のところぼくも中国語なんかに時間割くより、ライティングのスキル上げてる。そのほうが仕事請け負えるもん。苦しさも吐露されてて共感。/3ヶ国語を身につけて海外で働く僕が、日本で身につけ忘れたも https://t.co/m08FT3nQyV
— まえはら かずひろ (@Maechan0502) 2016, 2月 5
なるほど。語学というものは強力な武器と思われがちだけどそうではないよね。
何か1つでも専門性や卓越しているものを持つことが大事ですよね。
3ヶ国語を身につけて海外で働く僕が、日本で身につけ忘れたもの https://t.co/2JzzkorD7C @Kei_LMNOPさんから— でぐ@台湾 (@DEMI1202) 2016, 2月 5
海外では圧倒的な専門性のほうが語学力より大事って話。私がいままで見てきた中でも、現地語が難解な場合は専門家はだいたい通訳を雇うよね。言葉できないなら通訳つければいいだけ。→3ヶ国語を身につけて海外で働く僕が、日本で身につけ忘れたもの https://t.co/JuvQL6zMtB
— Matsuco@コロンビア (@matsucco55) 2016, 2月 1
僕も、外国語学部を出て実際にドイツに来て、「専門性」の無さを痛感した。ただ、これを悲観せず、むしろ自分のできることを支える土台になってくれると信じて行動したい。
3ヶ国語を身につけて海外で働く僕が、日本で身につけ忘れたもの https://t.co/cl5D6ZMrLd
— tomo (@tomotaka223) 2016, 1月 31
【追記】海外の企業に就職・転職する具体的な手段
海外の企業に就職や転職したい人は、リクルートエージェントに登録しましょう。
こちらの過去記事で、実際にぼくが登録したときの手順を紹介しています。
海外で働きたい人向け情報まとめ
海外で働きたい人はやみくもに英会話を習うのではなく、まずは専門性を身につけよう。
そのあと、働く国を決めてそこで必要な言語学習に取り掛かろう。
しかし、まだ専門性が決まっていない中学生や高校生は、まずは英語を勉強するのがおすすめだ。
【追記】専門性を得るために具体的に何をしたらいいの?
「専門性を得るために具体的に何をしたらいいの?」という質問に対する回答記事を書きました。
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