人、自然、地球に優しいエコロッジ・ビレッジ・ツーリズム
みなさんは「エコロッジ、エコビレッジ、エコツーリズム」という言葉を聞いたことがあるだろうか?
まずはこれらの言葉の意味から説明しよう。
エコロッジ・ビレッジ・ツーリズムとは
まずは、エコロッジについてNPO法人エコロッジ協会の説明を紹介しよう。
エコロッジとは自然に恵まれた立地にある宿泊施設ですが、同時に地球に優しく、周囲の好環境を再認識させる教育プログラムやエコツアーを実施、また地域住民との協調性が高い施設であることが第一条件です。
環境に負担の少ない小・中規模の施設が環境に配慮した設 備に投資し、収益の一部を環境保護や地域住民に還元することでエコロッジとして認識、認定されるのです。
エコロッジを利用する場合、環境教育やエコツアーに参加する。
そのため、エコロッジに宿泊する人は、普通の旅行者ではない。
エコビレッジに宿泊することが目的で、旅行をする人なのだ!
「宿が旅の目的になる」という点では、日本でもブームになりつつあるゲストハウスやホステル、バックパッカーズと似ている。
参考:外国人旅行者に人気のおすすめ格安ドミトリー付きホテル!長野県のゲストハウス・バックパッカーズ24宿|JIBURi.com
しかし、ゲストハウスはドミトリー(相部屋制)で宿泊料金は一人一泊千円から三千円程度であるのに対し、エコビレッジの場合は個室で一人一泊一万円から五万円程度の高級リゾートが多い。
次に、エコビレッジの説明をWikipediaから引用する。
エコビレッジとは、持続可能性を目標としたまちづくりや社会づくりのコンセプト、またそのコミュニティ。
有機農法やパーマカルチャーの実践、スモールコミュニティ、持続可能性の追求など。 持続可能な建築、水の循環利用、糞尿分離トイレなどの取り組みなども特徴的。
ヒッピーが集まってコミュニティを形成し、エコビレッジを名乗っている場合が多いと感じる。
ソーラーパネルによる自家発電、家畜の糞を利用したメタンガスの利用、雨水タンクによる水の自給を行っているケースが多い。
最後に、エコツーリズムの説明。
エコツーリズム(英: Ecotourism)とは、 自然環境の他、文化・歴史等を観光の対象としながら、その持続可能性を考慮するツーリズム(旅行、リクリエーションのあり方)のことである。
「エコツーリズム」という言葉を聞くと、「グリーンツーリズムとは何が違うのか?」と疑問に思う方もいるだろう。
ぼくもそう疑問に思い、調べてみた。
「グリーンツーリズム」という施策があります。エコツーリズムと似ている言葉ですが、根本的な考え方が違います。
グリーンツーリズムはあくまでも農村活性化政策のひとつです。
農業だけでは存続できない農村をどう再生するかということです。
一方、エコツーリズムは、持続可能な自然資源の利用という発想が元にあります。
環境に配慮しながら、地域振興も行い、環境教育にも役立つ施策。
従来のマスツーリズムとは対極にある自然に優しい観光、それがエコツーリズムです。
このようにエコロッジ、エコビレッジ、エコツーリズムという言葉は、すべて頭に「エコ」という言葉が着いていることからもわかるように、「環境保護・持続可能性」と言う共通した理念を持っている。
環境保護・持続可能性という言葉に興味がない人は、今すぐブラウザを閉じてもらって構わない。
しかしこの言葉に、ビビッと来る人はぜひ最後まで読み続けて欲しい。
それでは、環境保護・持続可能性というキーワードに関心がある人に、コスタリカ、パナマ、オーストラリア、日本にあるエコロッジ、エコビレッジなどのエコツーリズムに関係する施設を紹介しよう!
コスタリカのエコツーリズム情報
まずは、 コスタリカのエコツーリズム情報を紹介する。
コスタリカとは、中央アメリカの南部に位置しているラテンアメリカ諸国の一つである。
エコツーリズム大国コスタリカ
中央アメリカ南部に位置するコスタリカは、知る人ぞ知るエコツーリズム大国である。
その理由は「コスタリカには、地球上の生物の5%が住む」と言われているほど、雄大な自然と多様な生態系を維持しているからだ。
そのため、豊かな自然と生物を守り楽しむ目的でエコツアーが発達し、世界中からエコツーリスタたちが集まっている。
コスタリカのエコロッジ・ベスト10
コスタリカには、環境と地域に配慮したエコロッジが多数存在している。
下記のリンクは、コスタリカ国内のエコロッジ・ベスト10である。
The 10 best eco lodges in Costa Rica | Travel Feature | Rough Guides
コスタリカ内のクオリティの高いエコなホテルが10軒紹介されている。
greenz.jpでも紹介されたエコロッジ Lapa Rios
コスタリカで人気のエコロッジの中でも紹介されていたエコロッジが、greenz.jpでも紹介された。
それが、ブタのオナラを利用したリゾートホテル「Lapa Rios(ラパ・リオス)」である。
自然豊かなリゾートは、循環型のエネルギーで!コスタリカ発、ブタのオナラを利用したリゾートホテル「Lapa Rios」 | greenz.jp グリーンズ
「ブタのオナラを利用した~」というキャッチコピーに興味をそそられ、Lapa Riosのホームページを見てみることにした。
Lapa Riosは、アフリカで活動していた元ピースコープ(青年海外協力隊のモデルになったアメリカの国際ボランティア制度)のアメリカ人夫婦が開業したエコビレッジだそうだ。
「同じ国際ボランティア経験者が、隣の国でエコロッジを経営しているなんて面白い!ぜひ泊まりに行こう!!」と思って調べてみると、ハイシーズンには一泊五万円もするようなので残念ながら諦めた。
Lapa Rios Eco Lodge Costa Rica luxury nature hotel
お金に余裕がある方は、ぜひ泊まりに行ってもらいたい。
そして、感想を聞かせて欲しい。
パナマのエコロッジ
隣国のコスタリカほどではないが、パナマ共和国にもエコロッジがありエコツアーが実施されている。
パナマ国内のエコロッジ・エコツーリズム
パナマのエコロッジやエコツーリズムに関する情報は、下記のリンクにまとめられている。
The Best Ecolodges & Wilderness Resorts in Panama | Frommer’s
パナマのエコロッジは、ボカス・デル・トロ県(Bocas dek toro)やダリエン県(Darién)、チリキ県(Chiriquí)に多いらしい。
上記のリンクには掲載されていないが、ぼくが宿泊したことがあるエコロッジを紹介しよう。
べナオのエコベナオ(Eco Venao)
ぼくが宿泊したことがあるエコロッジは、ロス・サントス県のべナオという町にある「Eco Venao(エコ・ベナオ)」という宿泊施設である。
Eco Venao | Reforestation & Lodging in Panama | Surf Hostel, Cabañas & Guesthouses
Eco Venaoには、ホテル・コテージ・ドミトリー・キャンプ場という4タイプの宿泊施設があり、園内にはレストランやサーフショップも併設されている。
エコべナオの看板
エコロッジ・Eco Venaoの入り口。
エコべナオのドミトリー施設。
欧米人や中南米のバックパッカーやサーファーが利用していた。
エコロッジ内はとにかく緑豊かで、花や木が自然に植えられている。
エコロッジの敷地内に野生の猿がいた。
エコロッジ内のレストランもお洒落な雰囲気で、夜にはギター奏者の弾き語りが行われた。
エコロッジ内の備品・小物は、どれもお洒落。
ラテンアメリカには必須のハンモック小屋も併設。
ベラグアス県カニャサス郡のエコビレッジ??
ぼくが住んでいるベラグアス県カニャサス郡にも、実はエコビレッジが存在している。
それは、山奥にある無電化集落である。
カニャサス村の無電化集落は、どんなエコビレッジよりも環境負荷が小さく、持続可能性が高い集落だろう。
山奥の集落では、自家発電を行っておらず、水道も使わず、ガスも使っていない。
オーストラリアのエコビレッジ
次に、オーストラリアのエコビレッジ情報をお知らせする。
オーストラリアはエコビレッジ先進国で、多数のエコビレッジが点在している。
オーストラリア東部クイーンズランド州のゴールドコーストには、「カランビン・エコビレッジ(The Ecovillage at Currumbin)」が建っている。
ゴールドコーストのカランビン・エコビレッジ(The Ecovillage at Currumbin)
カランビン・エコビレッジは、ソーラーパネルで電気を自給し、雨水をタンクに溜め水も時給している。
ゴミは出来る限りリサイクルや堆肥化し、ゴミの発生を最小限に留めている。
このエコ活動に関する功績が認められ、世界最高の環境開発賞である「World’s Best Environmental Development」を受賞した。
The Ecovillage at Currumbin | An international award winning sustainable community
そして、現在このカランビン・エコビレッジでは「生活体験型のエコライフツアー」を受け入れている。
問い合わせ先は、カランビン・エコビレッジのミツロウキャンドルを日本に輸入し販売している長野県伊那市の「ワイルドツリー(Wildtree)」。
ミツロウキャンドル – Wildtree – ワイルドツリー
このツアーは、エコビレッジ在住の日本人ツアーガイドが同行するエコツアーで、ヨガやガーデニングなどのアクティビティが用意されている。
エコビレッジに興味がある人は、この機会に参加してみてはいかがだろうか。
日本のエコロッジ・エコツーリズム
最後に、日本のエコロッジ、エコツーリズムの情報をまとめた。
日本はコスタリカやオーストラリアとは違い、まだまだエコロッジやエコツーリズムという用語や概念が一般化していない。
しかし、以下に紹介するような団体が、エコロッジやエコツーリズムの普及に努めている。
NPO法人 エコロッジ協会
ECOLAは、持続可能な観光の発展と地域産業の活性化を目指し環境に配慮した宿泊施設の支援・育成・発展を通して宿泊施設を拠点とした責任あるツーリズム(観光)の推進に寄与することを目的とする。
引用元:NPO法人 エコロッジ協会
日本エコツーリズム協会
NPO法人日本エコツーリズム協会(JES)は、エコツーリズムの理念を日本国内に普及し、ひとりでも多くのエコツーリストを育てることを目的に設立されました。美しい地球と楽しい旅を次の世代につなぐために活動しています。
引用元:日本エコツーリズム協会
NPO法人 日本エコツーリズムセンター
NPO法人日本エコツーリズムセンター ECOTOURISM JAPAN – エコツーリズムで地域を元気にしよう!
エコロッジ・ビレッジ・ツーリズムのまとめ
エコロッジ、エコビレッジ、エコツーリズムという言葉に興味を持ち調べてみた。
パナマやコスタリカ、オーストラリアでは盛んに行われているが、日本ではまだまだ発展途上なようだ。
エコツーリズムの考え方には共感する部分も多いし、ホステルのような宿泊施設には興味があるので、日本でもこれからもっと普及してもらいたい。