電気がない家に泊まろうpart25!グループ農園の支援&爪切り衛生指導&子供と川遊び

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農機具を担ぐ村人と青い空

目次

無電化集落での25回目の滞在活動体験記

ぼくは青年海外協力隊・野菜栽培隊員として、中米パナマ共和国ベラグアス県カニャーサス郡の電気も水道もない集落で活動している。

2014年10月までは栄養改善プロジェクトの車に同行し、日帰りで巡回指導を行っていたが、プロジェクトが崩壊したため巡回指導はなくなった。

プロジェクトが崩壊した後も、以前から行っていた「集落での滞在活動」を個人的に継続させている。

今週も1月19日から21日までの2泊3日で、無電化集落に宿泊してきた。

今回で集落に滞在するのは、25回目になる。

学校が長期休暇中なので、学校ではなく民家に泊めてもらった。

 

 

 

 

 

 

栄養改善プロジェクトの車に同行

今回はプロジェクトの巡回指導と重なったため、プロジェクトの車に同乗して山奥の集落まで行った。

プロジェクトは今年の3月に完全に終了することに決まったそうだが、それまでは細々と活動を続けるらしい。

プロジェクトが終了するまで残り2ヶ月しかないにも関わらず、プロジェクトの農業技師は「今からプロジェクト対象地域を増やしたい!」と言っており、彼の計画性の無さを痛感した。

働き者のパナマ人コーディネーターが、10月にクビにされたことが痛手だ。

 

1.グループ農園の支援

集落に着いて最初に行ったのは、グループ農園の支援である。

共同作業日だったので、農園に行き一緒に農作業した。

 

草刈り

今回行ったのは、草刈りである。

雨季の終わりに草がかなり繁殖したので、数名で草刈りを行った。

草刈りする無電化集落の村人

 

野菜を栽培していた畝が、雑草に生い茂られている。

雑草だらけの畑

 

マチェテという山刀で雑草を刈って、綺麗にした。

草刈りした畑

 

農作業していると、サソリが現れた。

パナマは熱帯気候なので、自然豊かな田舎にいけばサソリがいる。

「毒を持った生き物は殺せ」という村の掟に従って始末した。

畑にいたサソリ

 

 

散水装置の改善

散水装置が故障していたため、村人は修理したいと言っていた。

この散水装置は、プロジェクトの農業技師が遠くの町で仕入れて、村人に売ったものだ。

村人には入手できないものなので、修理もできない。

グループ農園の散水装置

 

部品が故障したため水が撒けず、散水装置としての機能を果たしていない。

故障した散水装置

そこで、別の地域で見かけた「ペットボトル散水装置」と「塩ビパイプ散水装置」の作り方を教えてあげた。

奇跡的にその写真も持っていたので、村人リーダーにあげてきた。

村で手に入るもので造らないと、プロジェクトが終了したら継続しなくなってしまう。

 

村人グループの会議に出席

村人グループが会議をするというので出席した。

議題は「プロジェクト崩壊」と「グループの退出者」について。

ぼくから村人にプロジェクトが崩壊し、3月で完全に終了することを説明した。

ちなみにプロジェクトが崩壊したことと終了することは、村人には全く知らされていない。

「参加型開発」をテーマに掲げられているプロジェクトだが、それは建前だけで実際にはバリバリ行政主導のプロジェクトであった。

 

グループは10家族20名で構成されていたが、最近2組の夫婦が脱退した。

1組は病気で、1組は何も言わずに作業日に来なくなったそうだ。

人数が減ったが、今後も活動を継続させようという話になった。

 

2.爪切り衛生指導

今回の集落訪問の目的の一つが、子供の長い爪を切り、衛生指導を行うことだった。

参照:【グロ注意】膿だらけの耳と手を持つ子供を救いたい!ボランティアの衛生指導活動

そのため、子供を見つけては爪の長さをチェックし、爪が長い子供がいると爪を切って、爪を短く保つように教えた。

 

耳の病気

耳の病気が酷く、いつも爪で引っ掻いている子供がいたので、爪を切ろうとしたら拒否された。

両耳が傷ついて少年

爪を切りたくないと言う。

理由を尋ねても、教えてくれない。

自分で切るのも嫌だし、切られるのも嫌だそうだ。

母親も説得に協力してくれたが、結局ダメだった。

 

爪切り

集落で爪の切り方について、聞き取り調査を行った。

爪切りを持っている家庭もあったし、持っていない家庭もあった。

爪切り

爪切りを持っていない家庭では、爪はハサミかマチェテ(山刀)か歯で噛み切ると言っていた。

爪切りを見ても、何をする道具か理解できない人もいた。

「爪を短く保たないと、子供が傷口を引っ掻いて化膿する」と親たちに説明した。

 

子供のほとんどがイボを持っている

無電化集落の子供のほとんどが、手にイボをつけている。

無電化集落の子供の手にはイボがある

イボだらけの手

イボは手足を洗わずに不衛生にしていると発生するそうだ。

ぼくも小学生の頃には、手にイボがあったので人のことは言えない。

 

3.子供の川遊びに同行

2日目には川遊びに同行した。

集落から1時間半ほど離れた川まで、子供たちと歩いて行った。

子供と川まで遠足

 

膝が痛いのに山歩き

ぼくは膝を怪我しているので、山道を往復3時間も歩くのがしんどかった。

坂道を歩く子供

肉離れなのか靭帯が痛んでいるのか、太ももの裏側から膝の内側が痛い。

集落から家に帰る際には山道を2時間歩いたが、前よりも痛みがひどくなっていた。

今は日本から持って来た湿布を貼って様子を見ている。

 

きれいな川で泳ぐ

ぼくは初めて行った場所だったが、子供たちはたまにみんなで水浴びに来ているらしい。

綺麗な川

 

パンツ一枚になって泳いでみると、水が冷たくて気持ち良かった。

子供たちも泳いでいたが、彼らの泳ぎ方は「犬かき」だった。

犬かきをする集落の子供

学校では水泳の授業はないし、家にはテレビもないので、泳法を学ぶ機会がないからだろう。

ぼくがクロールや平泳ぎ、背泳ぎをして見せると、珍しそうに見ていた。

クロールを教える青年海外協力隊

背泳ぎを教える青年海外協力隊

 

石の上から飛び込みもしていた。

飛び込みをする無電化集落の子供たち

川に飛び込む無電化集落の子供

子供たちは一日中遊んでいたが、ぼくは半日で切り上げて集落に戻った。

 

防水カメラが水没!? 故障した……

川で楽しく遊んでいたら、ぼくのカメラが故障した。

カメラはオリンパスのタフシリーズで、防水・防塵・高耐久がウリのコンパクトデジカメである。

水没故障したオリンパスの防水カメラ

防水カメラのはずなのに、水に浸けたらレンズの中に水滴が溜まり、水没した。

どうやらパッキングが弱り、すき間から水が侵入したらしい。

仕事用に使うメインカメラだったので、今後の活動に支障をきたすだろう。

 

25回目の滞在調査のまとめ

25回目の滞在調査では、グループ農園の支援を行い、爪切りなどの衛生指導を行い、子供と川遊びをした。

膝の怪我が悪化し、防水カメラが水没するというアクシデントもあったが、無事に帰って来られて良かった。

 

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