長野県下伊那郡泰阜村の地域おこし協力隊
9月22日に、長野県下伊那郡泰阜村で活動している地域おこし協力隊の「活動報告会」に参加しました。
以下、関係機関のホームページリンク。
☆泰阜村
超高齢化農村の長野県下伊那郡泰阜村
長野県下伊那郡泰阜村(やすおかむら)は、長野県の南部にあり、大鹿村の南に位置しています。
信号機が一台もなく、コンビニも一軒もないド田舎です。
そのため若者は職を求め村外に出ていき、日本の平均を上回る『超高齢化農村』です。
そして、泰阜村は「日本の農村の10年後の姿」とも言われています。
村を歩いていて、若者と会うことは滅多になく、観光名所もなく、温泉もなく、有名人もいません。
僕は母の実家が泰阜村にあることから、幼少期から遊びに行っていました。
参考:イチゴの旬はいつなのか?実は冬でも初夏でもない。苺が好きだった祖母との思い出
村おこしの救世主地域おこし協力隊とは
泰阜村の地域おこし協力隊の皆さんとは、3年前に長野県内の農業法人フェアで、当時泰阜村で活動していた地域おこし協力隊の方と出逢ったことから、関わらせて頂いています。
今回も、中間活動報告会にお誘いいただき、参加してきました。
地域おこし協力隊は他にも、長野県内では大鹿村や阿智村、阿南町などにも派遣されていますが、派遣先によって活動内容が異なります。
泰阜村の地域おこし協力隊
泰阜村では、泰阜村に定住したい若者に生計を立てる手段として農業を教えることを目指し、『農藝塾(のうげいじゅく)』という農業を教える組織を作る活動しています。
僕はこの活動について「日本の農村の今後を担うであろう、素晴らしい活動だ」と思っています。
地域おこし協力隊の中間報告会
今年は3名の地域おこし協力隊員と、1名の緑のふるさと協力隊員の方が活動されています。
緑のふるさと協力隊も地域おこし協力隊と似たような制度ですが、村おこしというよりは限界集落の支援などが主な活動のようです。
そして、泰阜村の地域おこし協力隊が行っているメインの活動は、『ソイルブロックによる夏ホウレンソウ栽培』です。
しかし、3年前から次第にホウレン草の占める割合が下がってきたように思います。
最近では、菌床シイタケ、キクイモ、キュウリ、水稲も栽培しています。
また、中京圏をターゲットにした農産物収穫体験ツアーやイベントも開催しています。
泰阜村の農産物のブランド力強化のために、ブランド名を明記した統一パッケージや名古屋駅前のメイヨンにある飲食店ともコラボし、泰阜村の農産物を扱ってもらっています。
地域おこし協力隊の中間報告会に参加した感想
ここからは、長野県下伊那郡泰阜村の地域おこし協力隊の中間活動報告会に参加した感想をまとめます。
1.地域おこし協力隊の任期終了後の存在感
活動報告会に参加して一番驚いたのは、任期を終了し村を去った地域おこし協力隊の方の話題が多かったことです。
これは昨年まで活動されていた協力隊員の存在感と、村外に去ってしまったショックが大きかったからでしょう。
またある参加者からの意見で、「過疎化改善のためには、地域おこし協力隊員を活動終了後も村内に定住させることが一番近道だ」という意見がありました。
しかし、果たして、それが村のためになるのでしょうか?
「なぜ地域おこし協力隊や緑のふるさと協力隊が、任期終了後も村に定着しないのか?」を考えるべきではないかと思います。
それは村の若者が村で暮らさずに、近隣の都市に出て行ってしまう理由とも共通するのではないでしょうか?
若者の人口流出の根本的な原因を解決せずに、地域おこし協力隊だけを村に受け入れても村の未来は改善されないと思います。
2.長野県下伊那郡泰阜村の農藝塾の進展
農藝塾の活動に関して言えば、残念ながらホウレン草栽培の進歩は感じられませんでした。
そもそもホウレン草の販売を考える前に、栽培すらうまく出来ていません。
農業で生計を立てるモデルプランを作ることが目的ですが、このままでは農藝塾は開校出来ないでしょう。
3.泰阜村の地域おこし協力隊の今後
しかし、協力隊の方々はすごく頑張っていると思います。
農作業だけでなく、泰阜村のPRのためにiPhoneアプリと組み合わせたり、新しい紹介冊子を作ったり、名古屋に打って出たり販売促進イベントをしたり、さまざまなジャンルの活動をしています。
地域おこし協力隊のアイデアと行動力で、村人だけではできないことにチャレンジしています。
4.地域おこし協力隊と青年海外協力隊の共通点
地域おこし協力隊の活動は、青年海外協力隊とも活動の障害や手法など共通することが多く、とても勉強になりました。
地域おこし協力隊の皆さんの活動手法や悩みを、青年海外協力隊の活動に生かしたいと思います。
参考:青年海外協力隊から見た地域おこし協力隊「悩みは一緒、でも喜びは違う」