停電・断水・下痢!衛生状態が悪い発展途上国で生活する青年海外協力隊のトイレ事情

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海外での体調管理

海外での生活で一番心配なことは体調管理である。

特に日本人は海外でお腹を壊すことが多い。

しかも僕は胃腸が弱いため、日本に住んでいる時でさえ頻繁にお腹を壊していた。

そのため、パナマに来てからもお腹を壊さないかとても心配だったが、今のところ下痢することはほとんどなく、すこぶる体調が良い。

 

 

 

 

 

海外で下痢する理由

海外で下痢することの主な理由は、「水」によるものだ。

海外の飲料水には細菌がいることが多く、胃腸にダメージを与える。

 

日本は世界でも珍しい「水道水が飲める国」である。

水道の蛇口をひねるだけで、安全な水を手に入れることが出来る。

日本では当たり前のことだが、世界中に散らばった協力隊員は世界トップレベルの日本の水道技術の有難みを実感していると思う。

水道水を飲むためには煮沸もしくは濾過する必要があるし、もしくは飲料用としてミネラルウォーターを買う必要がある。

 

日本の生活と比べると、非常に手間であるしお金もかかる。

そのため、水に悩まされている協力隊員は多いだろう。

 

パナマは水道水が飲める国

しかし、実はパナマは日本と同様に「水道水が飲める国」である。

水道が通っていない集落もあるが、水道が通っている都市部では高品質な水道水が供給されている。

そのため、蛇口をひねって出てきた水を煮沸や濾過をすることなく、そのままゴクゴク飲んでいるし、ミネラルウォーターを買うことはほとんどない。

水に関しては、日本で暮らしていた頃と変わらない水準である。

 

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停電は頻発する

しかし、同じインフラでも「電気」の状況は日本のそれとは異なる。

カニャサスではしばしば停電が起きる。

3週間の間に6回の停電が発生した。

原因の多くは落雷によるものらしい。

熱帯気候のパナマでは、正午を過ぎたあたりから日没までの間に、ほぼ毎日雷を伴う大雨が降る。

そのため、雨が降っている夕方に停電になることが多い。

2、3時間で復旧することもあれば、一晩中電気が付かないこともある。

 

停電になると照明器具も使えず真っ暗になるため、復旧するまでは「ロウソク」を使って生活している。

これがなかなかオシャレな雰囲気になる。

停電するとロウソクの明かりを囲みながら、家族とお喋りしている。

暖かい火に灯された家族の顔を見ながら会話していると、とても落ち着くし癒される。

 

僕は特にママの笑顔が大好きだ。

明るい性格がにじみ出ていて、停電の時でさえ僕の心を明るく照らしてくれる。

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ホストファミリーのママの笑顔

ママの笑顔は天使のようだ。

毎朝、ベットから起きて部屋を出ると、まずは台所に行きママに挨拶をする。

朝食はママが毎日作ってくれる。

彼女は料理の腕もピカイチだ。

美味しいパナマの朝食を食べ終わると、次に僕はトイレに行く。

毎朝、快便だ。

水に当たることもなく、料理でお腹を壊すこともない。

 

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おトイレでスッキリ

その日も、いつも通り便器に座りスッキリした僕は、いつも通り「流すレバー」に手をかけた。

そして、いつも通りレバーを下に倒すが、なぜか今日は水が流れない。

もう一度、試すがやはり水は流れない。

 

トイレの貯水タンクの蓋を外して中を覗いてみると、なんとそこには水が全くない。

少し動揺した僕は冷静になるため、まずは手を洗うことにした。

流しの水道の蛇口をひねるが、なんとここも水が出てこない。

ようやく状況が理解できた。

 

「断水してるぅぅぅぅっぅううううぅ!」と心の中で大絶叫した僕の目線の先には、うんこがあった。

 

断水するのは初めてだった。

しかし、ここは発展途上国の田舎の村。

断水する可能性は大いにある。

しかし、もちろん断水した理由を今は考察するつもりはない。

 

なぜならば今の問題は「なぜ水が出ないのか」ではなく、「どうやったらうんこを流せるのか」であるからだ。

 

駒ヶ根訓練所で習ったトイレの知識

冷静になってトイレの仕組みを考えてみる。

駒ケ根訓練でトイレの話を聞いた覚えがある。

日本人研究という講座の発表会で「トイレ」についてジャパネットタカタばりに解説してくれた隊員がいた。

 

「トイレは水圧でうんこを流します。最新の節水モデルのトイレは、少量の水でもうんこを流すことが出来ます」

 

確かこんなことを言っていた。

考えている時間はない。

僕はすぐに庭に向かって走り出した。

庭には雨水を貯めておく桶があるからだ。

あそこに行けば水が手に入るはずだ。

 

青年海外協力隊たるもの、問題は自分で解決すべし

おっと危ない、リビングでママがテレビを見ていた。

ママに助けを求めることも少し考えたが、その案は却下した。

なぜならば、僕は青年海外協力隊員である。

発展途上国の人々を助けるために派遣されたのに、自分のうんこも流せないのでは恥ずかしい。

協力隊員たるもの、問題に直面したときは創意工夫でその問題を解決するべきである。

 

そんなわけで、ママに悟られないように「オラ!(やぁ)」と軽く挨拶だけしてリビングをゆっくりと歩いて通過する。

リビングを出たら、ダッシュで庭に走る。

庭に着くとすぐに雨水を貯めた桶を見つけることが出来た。

 

さっそく蓋を開けると、そこには大量の水があった。

思わず「グラシアス、アディオース!(神様、ありがとう)」と叫ぶ。

庭に居た犬が不思議そうな顔をしてこっちを見ている。

次は、トイレまで水を運ぶ容器を探さなければ。

 

幸運にもすぐに1リットルほど入る小さなカップを見つけることが出来た。すぐに水をすくい、トイレに向かう。

またしてもリビングを通らなければならないが、今度は口笛を吹きながら何食わぬ顔でママの隣を通り過ぎる。

ママは毎朝放送している朝ドラに夢中のようだ。

 

無事にトイレに帰還した。

うんこと向き合う。

「アディオス!(さようなら)」とつぶやきながら、手に持ったカップの水をトイレに流し込む。

これで、うんこを撃墜。

 

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任務完了。そう確信した僕は、トイレを覗きこむ。

しかし「ブエノス、ディアス(おはよう)」とうんこが挨拶している。

一気に落胆と焦りの感情がこみ上げてくる。

なるほど、1リットルでは足りなかったようだ。

すぐに庭に走る。

リビングは無言で通り過ぎる。

ママとは目を合わせない。

 

庭に着く。

再度、水をくむ。

トイレに走る。

 

さぁ~、今度こそ、うんことさよならだ。

一気にカップの水を流し込む。

トイレの中の水かさが増してくる。

増してくる。

増してくる。

 

しかし一向に水が減らない。

うんこが流れない。

ようやく「このトイレは最新の節水モデルじゃないのだ!」と気が付く。

ジャパネット隊員が「節水モデルは日本のメーカーの技術です。日本のトイレは世界トップレベルの技術です」と言っていたことを思い出す。

そうか、パナマのトイレを流すには大量の水が必要なのか。

もう一度、庭に行ってもっと大きな容器に水を入れて運ぶしかない。

もはや用済みとなった小さなカップをトイレに残し、もう一度庭に行くためリビングを通り過ぎようとした、その時だった。

 

ホストファミリーのママ登場

僕はママと目が合った。

リビングに立っているママと視線が交錯している。

いつの間にか朝ドラは終わったようだ。

ママは笑っている。

いつもよりもニッコリと笑っている。

いや、どちらかと言うとニヤニヤと笑っている。

 

ママが目線をそらさないので、僕もじっと見つめる。

しかしすぐにあるモノに気が付き、視線を一気に奪われる。

人は自分の欲望には素直に従う生き物である。

自分が欲しいものが目の前に現れれば、どうしてもそれを見てしまう。

今、僕の目の前には喉から手が出るほど欲しい物が存在している。

 

それは、ママの手に握られている巨大なバケツだ。

しかもただのバケツではない、水がたっぷりと入ったバケツである。

バケツに目線を奪われていると、ママがゆっくりと口を開く。「これが欲しいんでしょ?」

 

全身の毛穴が開き、蒸気が出るのを感じる。

恥ずかしさの大群が全身を駆け巡り、その熱気が蒸気となって皮膚から噴出した。

ママはすべてお見通しだった。

ママは僕が必死にうんこを流そうとしていることに気が付いていた。

そして、救いの手を差し伸べてくれたのだ。

ママの笑顔は天使のようだ。

僕は迷わず、救いの手に手を伸ばす。

 

バケツを受け取り、トイレに運ぶ。

今度はおよそ6リットルの水。

もう容赦しない。

圧倒的な戦力でうんこを打ち負かす。

一気に水をトイレに流し込む。

水かさが増してくる。

増してくる、増してくる。

まだ粘るか、うんこ野郎!

しかし次の瞬間、水かさが急降下し始めた。

すでに決着はついたようだ。

トイレの中には、平和が戻っていた。

 

ほっとした瞬間、背中に視線を感じ、振り返る。

そこにはママがいた。

笑いながら見ていた。

ママの笑顔は天使のようだ。

 

トイレの前には水が流れるか確認すべき

その後、ママからの話によると、カニャサスではたまに断水が起こるそうだ。

その情報は先に教えてもらいたかったが、この日以降、僕は変わった。

まずはうんこをする前に、水が出るか確認するようになった。

もう一つ変わったことがある。

 

それは「青年海外協力隊員は、問題に直面したときは創意工夫でその問題を解決するべきである」と考えていたが、自分でなんとかしようとするだけではなく、「時には任国の住民に頼るのも効果的だ」と考えるようになった。

 

うんこ事件は一つの教訓になった

日本のトイレは世界トップレベルの性能かもしれないが、パナマのトイレの流し方は日本人よりもパナマ人の方が詳しいのだ。

 

ちなみに、過去最長の文章を書き終えた今日、僕は25回目の誕生日を迎えた。

もちろん、誕生日にうんこの記事を書いたことは後悔していない。

 

これからも、自分が書きたいことを書く。

自分の人生は自分で決める。

おしまい。

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