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トマトの脇芽から挿し木苗を増やす方法!わき芽を使ってさし芽苗から根を出させるコツ

      2019/01/02





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未熟なトマトの実

トマトを育てている日本の家庭菜園愛好者と、途上国へ農業技術を伝えている人へ!

今回はトマトの脇芽を使った増殖方法を紹介しよう。

トマトは種を買ってきて苗を作るのが一般的。

もしくは苗を買ってきて植える人も多いだろう。

しかし、種や苗の値段は意外と高くコストがかかる。

そんな苗代を節約する裏技が、わき芽を使って苗を作ること。

そこで今回は、トマトの脇芽を使ってさし芽を作る方法を紹介する。

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家庭菜園でのトマトの育て方・栽培方法

まずは、トマト栽培について簡単に説明しよう。

トマトは比較的育てやすく家庭菜園初心者向けの野菜。

なので、これから家庭菜園を始めようという人は、まずはトマトから始めたらいいと思う。

家庭菜園向けのトマトの栽培手順は以下の通りだ。

【こちらも家庭菜園向けのお役立ち情報】

参考:熱帯農業のプロが教える!真夏に家庭菜園に植えた野菜の苗が枯れるのを防ぐ秘訣

参考:無料で作れる!家庭菜園にあると便利な「手作りペットボトル自動水やり器」の簡単な作り方と使い方

 

家庭でかんたんにできるトマトの栽培手順

1.種まき

2.育苗

3.移植

4.支柱立て

5.脇芽取り

6.収穫

種まきを諦めて、ホームセンターで苗を買ってくればもっと簡単になる。

家庭菜園初心者の方は「5.脇芽取り」を見ても、何をすればいいのかわからないと思う。

脇芽について説明しよう。

 

 

 

トマトの脇芽(わき芽)とは

トマトのわき芽とは一体何か?

生長点と脇芽

トマトには脇芽(わき芽)という部分が存在する。

わき芽とは、頂芽(ちょうが)ではない生長点のことである。

トマトは一番高い部分に、頂芽と呼ばれる生長点が存在する。

生長点と呼ばれる部分は、新しい葉や花が生まれるとてもとても重要な場所である。

実は植物は、温度も生長点で感知している。

 

脇芽とは、頂芽以外の生長点のことであり、一般的には「葉の付け根」に存在している。

下の写真の葉の付け根からぴょこんと飛び出ている部分が、脇芽である。

脇芽って、わき毛っぽい。

トマトの脇芽

 

 

栄養繁殖(クローンの分裂)

脇芽をそのままに放置しておくと、そこから新しい葉や花がどんどん生えてくる。

まるで新しい個体が生まれるようだが、これはトマトに限った現象ではない。

 

例えば、イチゴは「ランナー」と呼ばれる、生長点を利用して苗を増殖させる。

参考:苺ソムリエ直伝!美味しいイチゴの苗の作り方&簡単な育て方&甘い実の見分け方&おすすめの食べ方

参考:イチゴの育て方を勉強したい人におすすめな本【苺の基礎知識・農家の知恵・養液栽培・LED植物工場】

参考:イチゴの旬はいつなのか?実は冬でも春でも初夏でもない。苺が好きだった祖母との思い出

イチゴのランナー

 

これを植物学や農業の世界では、栄養繁殖(えいようはんしょく)と呼ぶ。

栄養繁殖で増やされた子株は、親株と全く同じ遺伝子を持ったクローン生物である。

イチゴのポット苗

 

 

同じ遺伝子を持っているので、植物体の生育は揃うし、生産物の質が均一化する。

しかし、日本での一般的なトマト栽培ではこの脇芽を取って、捨てる。

それは、なぜだろうか?

 

 

トマトの脇芽を取る栽培上のメリット

トマトの脇芽を取るのには、3つのメリットがある。

1.果実の品質向上

トマトの脇芽を取ると、果実の品質が向上すると言われている。

果実の味には、糖分や酸の含有量が影響を与える。

そして、光合成によって作成された糖分や酸の分配は、果実間で競合する。

要するに、果実数が少なければ味は美味しくなるし、多ければ不味くなる。

果物を適正数に摘果するのと原理は同じだ。

トマトも脇芽を放置しておくと、脇芽からも花房が出蕾して一株あたりの花数が多くなりすぎる。

摘花するという方法もあるが、脇芽を取る方が簡単に出来る対処法だ。

一本仕立てのトマト

 

 

また、脇芽を残した方が総葉面積は増加する。

しかし、地上部で葉が重なり合って光が当たらない葉が生まれ、光合成効率が落ちる。

植物の葉はエネルギーを生産する場所だが、同時にエネルギーを消費する場所でもあるのだ。

植物を栽培する場合は光合成量だけでなく、光合成効率も注目しないといけない。

果実の糖と酸の含有量と光合成効率の2点から、果実の品質を向上させるためには脇芽を摘除した方が良いと言われている。

 

2.病気予防

葉が多くなると風通しが悪くなり、植物にとって有害な菌の繁殖が盛んになり、病気に罹りやすくなると言われている。

特に、過繁茂によるうどんこ病の発生が有名だ。

病気の発生を防ぐためには、古い葉を摘除することも大切。

そして、脇芽を取り除き風通しと日当たりを良くすることも大切である。

参考:稲わらマルチ栽培の家庭菜園での使い方&ビニールマルチをきれいに張る方法&マルチングの種類と効果

トマトのうどん粉病

 

3.成り疲れ予防

果実をたくさん収穫すると、急に植物体の生育が止まってしまったり、病気に罹ったりひどいと枯れてしまうことがある。

これは、成り疲れ現象と呼ばれている。

葉で生産された光合成物質は、通常は葉、根、新葉などにほぼ均等に分配されている。

その栄養分で植物の各機関は、生命を維持している。

しかし、実がなると光合成物質はほとんどが果実に分配され、葉や根、新葉には分配されなくなる。

その結果、植物体の元気がなくなり、病気に罹りやすくなったり、新しい花を咲かせなくなる。

トマトの木

 

この成り疲れによるダメージは特に、根に顕著に表れる。

一株当たりの根量は限られているので、着果数を制限すべきである。

そのため地上部と地下部のバランスを保つためにも、地上部の脇芽を摘除すべきである。

家庭菜園している人にはこちらの記事もおすすめ!

参考:メリット&失敗しないコツ!家庭菜園の袋栽培で誰でも簡単に新鮮で美味しい野菜を収穫する方法

参考:無料で作れる有機肥料の作り方!材料はカシューナッツの実(腐った果物)と馬糞(動物のフン)と稲わら(植物性廃棄物)

参考:高倉式コンポスト(JICA推奨の微生物発酵液型)を、容器が不要で簡単な作り方へ改良したコンポスト有機堆肥の作成方法

 

 

トマトの脇芽を取るデメリット

トマトの脇芽を取ることで以下の2つのデメリットがある。

1.トマトの収穫量の減少

まず挙げられるのは、果実の収穫量が減少することだ。

脇芽を取り除くことは、花数の減少を意味し、ひいては果実数の減少に繋がる。

単純に考えれば、脇芽を取ることは収穫量の減少を意味している。

しかし、果実数を制限することで、一果実の重さ・大きさは増加するし、味も向上する。

病気や成り疲れを予防できるので、収穫期間を延ばすこともでき、最終的な収穫量は変わらないと言われている。

しかし、一時的な収穫量は減少し、収穫量をグラフ化した場合のピークはなだらかになる。

 

2.農作業の増加

栽培作業の中で、脇芽を取るという作業が増える。

家庭菜園で10株程度を栽培しているのならば気にならないだろう。

しかし、1ヘクタール以上の大規模栽培では、作業の増加はパートタイム労働者の労働時間の増加を意味する。

そして、最終的には経営を苦しめることになる。

途上国に野菜栽培技術としてトマトの脇芽取ることを教える場合にも、作業の増加がネックとなる。

「労働の簡便さ」が何よりも重視される低労働投資型の農業では、作業が多い面倒くさい技術は普及がうまくいかない。

この技術を伝えるためには、「わき芽を取るメリット」を分かり易く伝える必要があるだろう。

 

 

脇芽の活用方法!わき芽の挿し木で苗作り

一般的にはトマトの脇芽は捨てられている。

しかし、日本の家庭菜園でも出来る脇芽の活用方法がある。

それが、わき芽を使った挿し木苗作りである。

これは、脇芽が生長点を持つことを利用した栄養繁殖による苗作り技術である。

以下がわき芽を使った挿し木苗作りの手順である。

1.脇芽を摘除

トマトの脇芽を取る

 

取った脇芽に一工夫を加えるのがポイントである。

取ったばかりのトマトの脇芽

 

 

摘み取った脇芽の下の葉を取り除く。

葉からは蒸散が行われ、水分が放出されている。

 

水分を吸収する役割の根がまだないわき芽にとっては、蒸散を抑えることが重要である。

そのために下の葉を摘除するべきだ、しかし上の新葉は根が生えた後の生育のために重要なので取らずに残しておく。

葉を取ったトマトのわき芽

 

 

2.脇芽を土に挿す

脇芽の準備ができたら、土に深く挿す。

深く差すのがポイントだ。

 

出来れば、遮光した苗床もしくはポットを準備した方がよい。

もちろん、毎日水やりを行う。

P8190123_2273

 

苗床がなかったら、直接圃場に挿し木しても構わない。

直接圃場に挿し木

 

しかし、強い日差しから苗を守るために、必ず遮光しないといけない。

途上国で遮光ネットがない場合には、バナナの幹や木の枝が使える。

参考:熱帯農業のプロが教える!真夏の家庭菜園で植えたばかり野菜の苗が枯れるのを防ぐ秘訣

バナナの皮の日除け

木の枝の遮光

 

 

3.発根を待つ

下の写真のように、一週間ほどで根が生えてくる。

発根したトマトの挿し木苗

 

 

わき芽から根が生えることに驚く人も多いだろう。

根が生えたトマト苗

 

 

ぼくは青年海外協力隊・野菜栽培隊員としてパナマ共和国の農民に「トマトの挿し木苗作り」を教えている。

最初は村人たちは

「トマトの脇芽を挿したって、根なんて生えてくるわけねぇよ」

と言い、誰も信じてくれなかったが、実際に根が生えた挿し木苗を見て

「マジか!?ダイが魔法でも使ったのか?」

と驚いていた。

トマト苗と子供

 

 

4.苗を畑に移植

苗床で新しい葉が展開したら、畑に定植できる。

トマトの移植

 

農業が好きな人は、これらの記事を読んでも面白いと感じるはず。

参考:ベネズエラのカナイマ国立公園に暮らすペモン族の村で47日間農業を教え、テーブルマウンテンに登頂したよ

参考:青年海外協力隊の帰国直前に50名の農業技師へ野菜栽培のプレゼンをした真の目的

参考:【エセ科学に騙される素人】ネットで農薬を調べまくる有機農業信者さんも、自分が何を知らないのかまでは知らない

 

 

トマトの脇芽挿し木苗のメリット

トマトの脇芽を使った挿し木苗には以下の3つのメリットがある。

1.収穫時期をずらせる

挿し木苗を作ることで、収穫時期をずらすことが出来る。

トマトを少しづつ長期間収穫することが可能だ。

 

2.苗代・種代を節約できる

挿し木で苗を増やせれば、苗や種を買うお金を節約できる。

日本の家庭菜園ならば種を買うほどは株数がいらないだろう。

また、途上国の貧しい農民は種や苗を買うことができない。

 

3.収穫を継続できる

挿し木苗づくりを繰り返せば、理論上は半永久的にトマトの栽培が可能である。

しかしもし途中で苗に異常が見つかれば、新しく種から育てて欲しい。

 

 

トマトの脇芽の挿し木苗のデメリット

トマトの脇芽の挿し木苗のデメリットも紹介しよう。

1.日本では秋収穫しかできない

熱帯気候の地域ならば、一年中トマトが栽培できるが、日本では気温が低くなると枯れてしまう。

脇芽を取るなら早い時期に行い、脇芽を取った株からの収穫は秋を目指そう。

ちょうど親株の収穫量が低下したころに、子株から収穫が出来るはずだ。

 

2.ウイルス病に弱い

トマトにはウイルス病と呼ばれる、害虫が媒介するウイルスによる病気が発生する。

ウイルスに感染した親株から採種した挿し木苗もウイルス病に感染している。

なので、一度ウイルス病に感染してしまったら、もう挿し木苗を作ることは出来ない。

その場合は、もう一度種から育てよう。

 

3.早期出蕾(そうきしゅつらい)が起こる

脇芽を取った時には、トマトは充分に生育しており、花芽分化が始まっている。

なので、脇芽がまだ小さいうちに花が咲いてしまう。

これを早期出蕾もしくは不時出蕾(ふじしゅつらい)と呼ぶ。

 

これは人間で例えると、子供が子供を身ごもるようなもので、負担が大きい。

挿し木苗が小さいうちに蕾が出来たら、摘み取って植物体が大きく育つのを待とう。

 

 

途上国へのトマト挿し木技術の普及のポイント

途上国へのトマト挿し木技術の普及のポイントを説明しよう。

1.減収よりも収量安定というメリットを伝える

脇芽を取ることで収穫量のピークは小さくなるが、収穫期間は伸びる。

デメリットを伝えつつ、メリットを強調して興味を引き出すべきである。

 

2.脇芽を取る管理法ではなく、苗を増やす技術として伝える

トマトのわき芽取りを「脇芽を取る管理技術」として伝えると、面倒くさがり普及しないだろう。

そこで、「苗を増やす技術」として伝えたらよいと思う。

 

 

3.比較栽培を行う

言葉で説明するだけでなく、実際に目で見せることが大切だ。

トマトの脇芽を取った栽培方法と取らない栽培方法を比較したり、脇芽と種からの株を比較したりするべきだ。

途上国に新しい技術を定着させる方法は、以下の記事をぜひ読んで欲しい。

参考:青年海外協力隊が教える!途上国へ新しい技術を定着させる6つの秘訣

わき芽取りの比較栽培

 

 

トマトの脇芽を使った差し苗作りの方法まとめ

トマトの脇芽を取る栽培は収穫量を安定させる効果がある。

そして、取ったわき芽は捨てずに新しい苗にすることが出来る。

日本の家庭菜園でトマトの脇芽栽培を行う場合には、秋収穫を目指そう。

途上国に普及させる場合には、メリットを分かり易く伝えるために比較栽培を行おう。

 

 

最後に母へ感謝

トマトの脇芽から挿し木苗を作る技術を途上国に伝えるアイデアは、農家歴数十年の私の母からのアドバイスである。

最初は村人が受け入れてくれるか半信半疑で始めたが、結果的にはこの技術は村人から大好評である。

今では、ぼくの活動先の全域で比較実験を行っており、農牧省で働く農業技師たちも興味を示している。

青年海外協力隊の活動に素晴らしいアイデアをくれた母に感謝している。

 

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