電気がない村の学校
ぼくが活動している村には電気がない。
半年前から月に一回はその村の学校に泊めてもらっているので、今では先生たちとえげつない下ネタを言い合うほど仲良しになった。
いつも親切にしてもらっているので、お礼に日本料理を振舞うことにした。
「何を作ろうかな…?」と悩んでいると、一時帰国で信州そばを買って持って来たことを思い出した。
ぼくは日本文化紹介を中止して信州文化紹介をするほど、信州が好きなのだ。
無電化村で予定していた日本文化紹介を中止して、信州文化紹介をした。|JIBURi.com
長野県ではそばと言えば温かいかけそばではなく、冷たいざるそばである。
そして、信州で採れた山菜や野菜の天ぷら付きの「天ざる」が最高に美味しい。
そこで、信州名物・天ざるを作ることにした。
天ざる作り
ラテンアメリカで天ざるを作った人は少ないと思う。
パナマの電気がない村で天ざるを作った人はいるだろうか。
いなかったらローメンの件と合わせて、ギネスに申請しよう。
天ぷらの中でも、かき揚げを作ることにした。
材料はタマネギ、ニンジン、セロリ、ハム。
小麦粉をまぶしてから水を加えて、油で揚げる。
調理を手伝ってくれた子供とかき揚げ。
彼がつまみ食いをして一言、「うまい!」
かき揚げを作りながら、お湯でそばを茹でる。
茹であがったら、水で洗って水気を切り、お皿へ。
かき揚げと揃って、天ざるの完成!
マグカップに麺つゆを入れて、お好みでワサビを入れてフォークで食べる。
これぞ、和洋折衷。
パナマ共和国で天ざるの実食!
女の先生がそばを見て一言、「ミミズみたい…」
黒い麺を初めて見たので、受け入れられないようだった。
フォークが進まない女の先生を横目に、男の先生がそばをパスタのようにクルクルと絡め取る。
そのままフォークで天ぷらを突き刺し、一緒にパクリ!
その様子を見て、女の先生もミミズのような麺を麺つゆにたっぷりとくぐらせて食べてみる。
めっちゃ、気に入ってるぅ~!
手伝ってくれた子供もフォークとはしの二刀流で食べる。
しかもワサビをたっぷりと効かせていた。
女の子は豪快に素手でそばを掴んで口へ。
天ざるを作って食べさせた感想
意外と麺つゆとワサビを気に入ってくれたり、かき揚げを「フライドポテトみたい」と言ったり、そばをミミズと呼んだり、パナマ人が示す予想外の反応が楽しかった。
ローメンにしかり、天ざるにしかり、信州の料理を紹介することはなぜこんなにも楽しいのか。
まだまだ紹介したい信州名物料理はある。
おやき、五平餅、はちのこ、ざざむし、イナゴ、日本酒、ニラせんべい、やしょうま、まがりたけのサバ缶汁、ジビエ料理、ソースカツ丼、みそすき丼、柚餅子などなど。
ぼくの活動期間も残り一年、これからも信州名物料理を紹介しよう。