火の鳥のモデルになった幻の鳥ケツァール
みなさんは、ケツァールという鳥を知っているだろうか?
1.ケツァールとは?
ケツァールとは、キヌバネドリ科の一種で「カザリキヌバネドリ」という。
雌よりも雄の方が尾が長く、鮮やかである。
2.火の鳥のモデル
その美しさから、手塚治虫の火の鳥(不死鳥)のモデルと言われている。
確かにケツァールは、火の鳥の姿に似ている。
3.見た者は幸せになる
さらに「ケツァールを見た者は幸せになれる」という言い伝えもある。
中米に暮らす民族にとって、ケツァールは特別な存在なのだ。
4.生息地域
ケツァールはメキシコ南部からパナマにかけて生息していて、グアテマラでは通貨の単位にもなっている。
5.一般的な見る方法はツアー
中米の生息域各地でケツァールツアーが実施されているが、遭遇率とツアーガイドの質、治安などの要素を含めると、コスタリカでのツアーが最も良いとされている。
6.水曜どうでしょうもコスタリカロケを敢行
北海道テレビ放送制作の人気番組「水曜どうでしょう」も、ケツァールを見るためにコスタリカロケを敢行している。
水曜どうでしょうファンにとっては、「ケツァール=コスタリカのロッジ」であり、「コスタリカ=水曜どうでしょうのケツァール編」なのだ。
そこで、水曜どうでしょうのエセファンである長野県民のぼくも、大泉洋さんのようにハチドリではなくケツァールが見たくなり、コスタリカでケツァールを見るロケを一人で敢行した。
今回はぼくが「コスタリカでケツァールをほぼ100%見る方法」を実践した様子をお伝えしようと思う。
ケツァールをほぼ100%の確立で見る方法【実践編】
コスタリカでほぼ100%の確立でケツァールを見る方法を一言でいうと、「乾季にケツァールツアーロッジのパライソ・デ・ケツァール(ケツァールの楽園)に行く」だ。
今すぐにケツァールを見に行きたい人は、下のリンクからパライソ・デ・ケツァールのホームページに行って、予約して欲しい。
Paraiso Quetzal Lodge – Home
「いや、別に今すぐにケツァールを見に行きたい訳じゃない」という人は、暇な時間にぼくが実践した体験談でも読んで欲しい。
今回は、失敗談が非常に多いのが特徴だ。
1.コスタリカの首都サンホセからバスに乗る
コスタリカの首都サンホセからバスに乗って、パライソ・デ・ケツァールを目指そう。
サンホセは、行き先ごとにバス乗り場が異なる。
ケツァールを見たい人は、下の写真の「サン・イシドロ行き」のバス停に早朝に行こう。
朝早い方が、ケツァールを見れる可能性は高まるからだ。
このバス乗り場の中にチケット売り場があり、ここでバスの乗車券を買わないといけない。
大人しく終着地点のサン・イシドロまでの3,350コロン(コスタリカの通貨単位で、およそ740円)のチケットを買おう。
【旅の失敗談】チケット売り場でケンカ
ぼくはサン・イシドロまで行かないのに全額払うのはおかしいと怒り、一度買ったチケットを払い戻した。
そして、バスの運転手に直訴したがダメで、結局また全額支払いチケットを購入した。
今振り返ってみると、この時から不幸は始まっていた…
(帰りのバスは、割安料金2,000コロンで乗れた)
2.ミラドール・デ・ケツァールへ向かう
バスに乗る時には、運転手に「サンホセから70km地点のミラドール・デ・ケツァール(ケツァール展望台)で降ろしてくれ!」と伝えよう。
大切なことなので、もう一度書こう。
運転手に「サンホセから70km地点のミラドール・デ・ケツァールで降ろしてくれ!」と伝えよう。
絶対に「サン・ヘラルド・デ・ドタ(ケツァールが見れる村の名前)で降ろしてくれ」とは言ってはいけない、絶対にだ!!
ぼくはこの悪魔の呪文を唱えてしまったせいで、とんでもない不幸にあった…
3.61km地点のレストランで休憩する
バスが出発してから1時間ほどで、レストランに停車し15分ほど休憩する。
このレストランは、サンホセから61km地点にある。
このレストランは後に重要な拠点となるので、覚えておこう。
このレストランの向かいには、「パライソ・デ・ケツァール(ケツァールの楽園)」の看板が設置されている。
目的地であるパライソ・デ・ケツァールまではあと9kmなので、10分くらいで到着する。
休憩から出発する前に運転手に「サンホセから70km地点のミラドール・デ・ケツァールで降ろしてくれ!」ともう一度伝えよう。
4.70km地点のミラドール・デ・ケツァールで降りる
バスの運転手が心優しい人で、70km地点のミラドール・デ・ケツァールで降ろしてくれると、こんな景色が広がっている。
この看板の間にある道を歩いて行こう。
【旅の失敗談】降りる場所を間違えたぼくの場合
ぼくはサンホセから70km地点のミラドール・デ・ケツァールではなく、80km地点のサン・ヘラルド・デ・ドタの入り口で降ろされたので、こんな景色が広がっていた。
最初は間違ったことに気がつかなかったので、このまま道を歩いて行った。
不運にも、ここにもケツァールを見るロッジがあるので、間違いに気がつかなかった。
この辺りは、宿泊する施設付きのケツァールツアーの拠点のようだ。
ぼくは30分ほど歩いても一向にロッジに着かないので、間違いに気がついた。
そして、絶望的に気持ちになった。
なぜならば、30分歩いた道を戻らなくてはいけないし、そこから目的地のミラドール・デ・ケツァールまでは、10kmほど戻らなくてはいけない。
しかし、小型バスはなく大型バスも止まってくれないので、そこまでの交通手段がなく、到着が遅れるとケツァールを見れる可能性が下がるからだ。
仕方がないので、歩きながらヒッチハイクをすることにした。
しかし、バスもトラックも普通車も一台も止まってくれない。
10km先のミラドール・デ・ケツァールを目指して、ぼくは歩き続けた。
30分ほど歩くと、小さな休憩所に着いた。
ここで休憩に立ち寄った運転手に事情を説明して、車に乗せてもらった。
もちろんお礼の印に、多少のお金も支払った。
そして、予定到着時刻から2時間遅れで、ぼくはミラドール・デ・ケツァールに到着した。
なので、ケツァールを見に行きたい旅行者は、必ずバスの運転手に「70km地点のミラドール・デ・ケツァールで降ろしてくれ!」と伝えよう。
スペイン語で伝えるためには、「オラ、セニョール、コモエスタ、ウステ? メグスタリア、デハールメ、エン、エル、ミラドール・デ・ケツァール、エン、エル、プント、デ、セテンタ、キロメトロ、デ、サンホセ、ポルファボール」でOKだ。
この呪文を唱えれば、あなたはケツァールを見て幸せになれる。
5.パライソ・デ・ケツァールに行く
バスを降りた場所から、5分ほど歩くと分かれ道に差し掛かる。
ミラドール・デ・ケツァール(ケツァール展望台)には、2つのケツァールガイドツアーロッジがあるのだ。
左に行くとミラドール・デ・ケツァール、右に行くとパライソ・デ・ケツァールである。
迷うことなく、右手にあるパライソ・デ・ケツァールに行こう。
分かれ道から1分ほどで到着する。
接客態度も良いし、ケツァールグッズもたくさん売っているし、ハチドリ観察コーナーもある。
基本的には予約客しか受け付けていないので、事前に予約してから行こう。
ケツァールツアーの料金は、30ドル(3,600円)だ。
【旅の失敗談】ミラドール・デ・ケツァールで断られた
ぼくは予約をせずにミラドール・デ・ケツァールに行ったところ、「もうツアーは出発したし、他のガイドもいないから無理!」と断られてしまった。
確実にケツァールツアーに参加したい場合は、事前予約をしよう。
パライソ・デ・ケツァールも事前予約が必要だが、特別にツアーを行ってくれた。
6.ケツァールがいる農園へ行く
パライソ・デ・ケツァールのロッジから、ケツァールを見るために別の場所に7kmほど移動すると言う。
「わざわざ、ここまで苦労して来たのに、なんでやねん!」と思ったが、説明を聞いて納得した。
リトルアボカドの実を食べに来るケツァールを見る
ケツァールは「リトルアボカド」という小さなアボカドの実を、8割方主食にしているそうだ。
そのリトルアボカドが熟すタイミングが、リトルアボカドの木が生えている農園ごとに異なり、その日に最適な農園に連れて行ってくれるそうだ。
今日の場合は、7km離れた農園のリトルアボカドが熟しているので、ケツァールが食べに来る可能性が高い、だから移動するのだと言う。
しっかりしたガイドで安心した。
ガイドと車に乗り込み、7km先の農園まで移動した。
【旅の失敗談】道路工事が始まり車が出発できなかった
これは呪いなのか、パライソ・デ・ケツァールから出発しようとしたら、目の前で道路工事が始まって出発できなくなった。
結局、工事が止まるのを30分ほど待って出発した。
しかし、この待ち時間のおかげでガイドとじっくりと話をすることができた。
このガイドは、パライソ・デ・ケツァールのオーナーの息子で、普段はロッジの責任者として、ロッジに留まりツアー客とのメール連絡やガイドへの指示を行っているらしい。
しかし「本当は事務仕事ではなく、山を駆け回るガイドの仕事がしたくてうずうずしていた」と言う。
すると、タイミング良く予約していないぼくが現れたので、本来はロッジ責任者の息子が、特別にガイドをすることになったそうだ。
ここまでずっと不幸続きだったが、なんだか運が良くなってきた気がした!
7.農園でケツァールを探す
農園に着いたら、ちょうど園主のおじさんがいた。
この農園では、切り花を栽培しているらしい。
おじさんとその孫も一緒にケツァールを探してくれた。
パライソ・デ・ケツァールは、農園の園主と一緒に「ケツァールの森保護プロジェクト」を行っている。
ケツァールツアーの代金のうち、半分はロッジの収入になり、もう半分はケツァール保護のために園主に支払われるそうだ。
ケツァールが好むリトルアボカドの木を守ったり、ケツァールのために巣箱を設置しているそうだ。
そして、あとはひたすらケツァールを探すだけだ!
ガイドの話では、ケツァールツアーに参加した場合は「95%」の確立でケツァールが見れるそうだ。
しかし、自然相手のモノなので「5%」程度の確率で、全く見れないこともあるという。
ここまで来たら、運次第だ。
【旅の失敗談?】ケツァールは見れたのか!?
思い返してみると、ケツァールツアーに参加するまでは、不運続きだった。
バスチケット売り場でケンカして、違う場所でバスを降ろされ、1時間以上歩いて、ヒッチハイクして、別のロッジでツアーを断られ、道路工事に妨害され、そして何とかケツァールが生息する場所までたどり着いた。
果たしてケツァールは無事に見れたのか??
結末や、いかに!?
次回に続く…
【追記】
結末はこちら → 水曜どうでしょうを完全再現!中米・コスタリカで幻の鳥ケツァールを激写する!
【追記】中南米旅行でのお金の持ち歩き方
中南米へ行きたい人、中南米へ旅行する予定がある人へ。
中南米11カ国に3年以上滞在した私の経験から、安全なお金の持ち歩き方をまとめました。
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