昨夜(2017年5月17日)、人気フォトグラファー濱田英明さんと保井崇志さんのトークイベントに参加した。
会場は代官山にある北村写真機店さんで、参加者の数は30名ほどだったと思う。
濱田さんと保井さんはInstagramで大人気になっているフォトグラファーで、お二人のフォロワー数は濱田さんが25万人、保井さんが14万人と凄い。
Instagramも活用されているプロカメラマンの仕事術や写真に対する考え方を学べて、とても充実した時間だった。
特に写真に対する考え方が違うことが興味深く、写真や写真家について考えさせられた。
そこで今回は、濱田英明と保井崇志のトークライブについてご紹介しよう。
濱田英明×保井崇志トークライブ「Next Photographers/これからの写真家」
濱田英明と保井崇志トークライブのタイトルは、「Next Photographers/これからの写真家」。
まずはかんたんにお二人を紹介しよう。
1.フォトグラファー 保井崇志さん
まずは、フォトグラファーの保井崇志(@_tuck4)さん。
保井崇志さんの公式サイト
2010年に趣味で写真を始める。Instagramとの出会いがキッカケで、2015年にフリーランスフォトグラファーに転身。Instagramを通じての企業案件やアーティストの撮影など、新しいフォトグラファー像を追求している。
保井崇志さんとは?
・Instagram(_tuck4)のフォロワー数は14万人。
・Appleの新しいiPadのPRに、上記の写真が使われている。
・「SEKAI NO OWARI」の2015年の年末Instagramプロジェクトで撮影を担当。
※「これが人生初のスタジオ撮影で、当日にスタジオ撮影だと知って焦った」というエピソードを話してくれた。
・写真をもっと楽しくするメディア「RECO」を運営。
保井崇志さんは、Instagramで写真が人気になったことで、脱サラしてプロカメラマンになった方。
参考:インスタグラマーという新しい職業が生まれつつある件について|Yahoo!ニュース
2.写真家 濱田英明さん
お次は、濱田英明(@hamadahideaki)さん。
濱田英明さんの公式サイト
2012年9月、35歳でデザイナーからフリーのフォトグラファーに転身。2012年12月、写真集『Haru and Mina』を台湾で出版。『KINFOLK』(アメリカ)、『FRAME』(オランダ)や『THE BIG ISSUE TAIWAN』(台湾)などの海外雑誌ほか、国内でも雑誌、広告など幅広く活動中。
濱田英明さんとは?
・Instagram(hamadahideaki)のフォロワー数は25万人。
・2012年12月写真集『Haru and Mina』を台湾で出版
・2014年10月には写真集『ハルとミナ』を出版
濱田英明さんは、もともとウェブデザイナーをしていて、写真家になられた方。
・参考:SNS発信で世界的なフォトグラファーへと転身!〜濱田英明さんが明かす、子どもの写真への思い〜
3.会場は代官山の北村写真機店
今回のイベント会場は、代官山にある北村写真機店さん。
カメラ屋さんとは思えない清潔感がありオシャレな店内で、デートで立ち寄りたい雰囲気だった。
イベントの参加費は1,500円で、時間は20時から21時半までの90分間。
このお店で濱田英明さんの犬がテーマの写真展「ONE DAY – LIFE WITH A DOG -」を開催していて、その一環として今回のイベントが開催された。
こちらの北村写真機店さんのfacebookページでイベントの動画が観れるので、ぜひ見てほしい。
公式サイトを見てみる→ 北村写真機店
イベントの流れと記憶に残る話題
それでは、イベントの流れと記憶に残っている話題を紹介しよう。
1.保井崇志さんから経歴や仕事の紹介
まずは、写真展を開催中の濱田英明さんが挨拶をされ、次に保井崇志さんの自己紹介が始まった。
保井崇志さんから説明があったのは、こんな内容。
・Instagramへの投稿からプロフォトグラファーになった経緯
・現在のクライアントワーク(仕事)について
・撮影した写真の紹介
こちらは富士フィルムさんとのコラボ企画のお写真。
休館日の美術家で撮影されたお写真。
Appleと契約した写真についての裏話。
2.濱田英明さんが聞き手役
イベントは主に濱田英明さんが聞き手に回って、保井崇志さんの話が中心だった。
例えば、保井さんが「最近、写ルンですにハマっている」と話し、それに濱田さんが「カメラで撮るのと何が違うの?」という質問や「保井イズムが感じられる写真やね」とツッコミを入れていく。
3.100冊の写真集を読むプロジェクトから、お二人のおすすめ写真集5冊の紹介
始まって30分くらい経った頃から、話題は保井崇志さんの「100冊の写真集を読むプロジェクト」へ。
100冊の写真集を読むプロジェクト
特にじぶんはInstagramをはじめ、Webでの発信を日々行っているので、アウトプットに対してのインプットが不足しがちです。これは危機感をいだかなくては。
そこで、「写真集をまずは100冊買ってみよう」と、しかもそれを勝手にプロジェクトにしてしまおうと思い立ちました。
保井さんは「100冊の写真集を買って読み、それを共有する」というプロジェクトを始めたそう。
そこで、保井さんと濱田さんがそれぞれ5冊ずつお気に入りの写真集を持ち寄り、紹介してくれることに。
※ただし、時間が足りずに紹介できなかった本もあった。
保井崇志さんのおすすめ写真集5冊
こちらの5冊が保井崇志さんのおすすめ写真集。
(1)a girl like you 君になりたい。
- 作者:渋谷 直角
- 出版社:マガジンハウス
- 発売日: 2005-07-14
(2)Early Color
(3)K2
(4)僕のアルバム
(5)William Eggleston 2 1/4
濱田英明さんのおすすめ写真集5冊
こちらが、濱田英明さんのおすすめ写真集。
(1)An Incomplete Dictionary of Show Birds
(2)NGUAN 「HOW LONELINESS GOES」
(3)石元康博 「シカゴ、シカゴ」
(4)秋山亮二 「中国の子供たち」
※もう一冊は不明
4.記憶に残っている話題
次に、イベント中に聞いて”記憶に残っている話題”を紹介しよう。
シャッターチャンスを待つか?出合い頭か?
スナップ写真を撮影するときには、シャッターチャンスを待つのか?
それとも出合い頭で撮影するのか?
という話で、撮影手法が分かれて興味深かった。
・保井崇志さん:決定的瞬間を待つ、連射する
・濱田英明さん:待たない、出合い頭で撮影する
※ただし、保井崇志さんも下の写真は出合い頭で撮影したそう。
こちらが出合い頭派の濱田さんのお写真。
“ゾーン”に入って見え方が変わる
スナップ写真は出合い頭で撮影することが多い、という濱田さんが話していたことで印象的だった話がある。
「ゾーンに入って、町並みやビルの見え方が変わるときがある」
普段はただのビルの連続なのに、”完璧な構図”として目に映るときがあると話していた。
写真を見る人によって解釈は変わる
濱田さんが話していたことでもう一つ印象に残っているのが、「写真は見る人によって解釈は変わる。初めて見る景色なのに”懐かしさ”を感じてほしい」という話。
Instagram用、写真集用というように写真を取り分けていないそう。
「息が長い写真(長い期間楽しまれる写真)を撮りたい」とも話していた。
5.参加者からの質問
ラスト15分くらいが参加者からの質問の時間に当てられた。
ラブグラフ
参加されていたカップルフォト撮影サービス「ラブグラフ」の方からの質問は、Instagram映えする写真の撮り方。
保井崇志さんの答えとしては、「Instagramのフォロワーの内輪盛り上がりが大切。私のフォロワーならこんな写真にLikeを押すだろうなという写真を撮ってアップしている。その反応を見ながら写真をアップして”ラリー”している」。
“Instagramはフォロワーとのラリー“なのだそう。
ちなみに濱田さんは「インスタ映えは意識せずに、息が長い写真を撮ること」を意識しているそうだ。
仕事についての質問
着物フォトグラファーのTomさん(@tw_dialmmm)からは、仕事についての質問が出た。
お二人の回答はこんな感じ。
・ハマる仕事(うまくいく仕事)もあるし、ハマらない仕事(うまくいかない仕事)もある。
・「需要(撮って欲しい写真)」と「供給(撮れる写真)」が一致していることが大切。
・需要と供給が一致していない仕事は、関係者がみんな不幸になるからやらない方がいい。
・もっとやれたのにな……と悔しいときもある。
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【保井さんから濱田さんへの質問】エージェンシーに入って変わったことは?
イベントの最後には、保井さんから濱田さんへ質問が。
・エージェンシーに入ることのメリットは?
・お給料は月収制?
濱田さんのお答えは「メリットは事務作業をすべて任せられて撮影に集中できること。カメラマンが雇い主で報酬からコミッションが引かれる」とのこと。
日本では、日本の事務所に所属しました。4月から。 pic.twitter.com/FhM3vrorSd
— 濱田英明 (@HamadaHideaki) 2016年5月30日
まとめ
今回は、保井崇志さんと濱田英明さんのトークライブについて紹介した。
お二人ともInstagramなどのSNSで人気のカメラマンさんだが、写真に対する考え方や撮影手法は違っていて興味深かった。
Instagramなどの手段で写真を公開することで「供給できる写真」を知ってもらって、「需要がある人(=仕事の依頼人)」とマッチングすることが大切だと感じた。