パナマ共和国とは
パナマ共和国の概要
パナマ共和国(República de Panamá)とは、北米大陸の最南端に位置するラテンアメリカ諸国の一つの国である。
人口はおよそ320万人、白人系、褐色系、黒人系、インディヘナという先住民族、またそれらの混血人が暮らしている。
国土面積は75,517k㎡で、北海道よりもやや小さい。
公用語はスペイン語で、英語は観光地でもほとんど通じない。
宗教はカトリックがおよそ9割で、残りがプロテスタントや仏教、ヒンドゥー教などその他の宗教である。
首都はパナマシティで、英語だとPanama City、スペイン語だとCiudad de Panamá(シウダッド・デ・パナマ)である。
気候は雨季と乾季がはっきりと分かれた熱帯気候である。
パナマは「世界の火薬庫」と呼ばれる犯罪多発地域の中南米地域にあるが、他のラテンアメリカ諸国と比べると治安は良い方である。
しかし、最近では麻薬関係の事件、ゲリラ活動・少年犯罪組織の活動が活発なため、犯罪に巻き込まれる可能性は日本に比べて高い。
スタバのパナマ産ゲイシャコーヒー
最近、スターバックス・コーヒーがパナマ産の最高級コーヒー豆ゲイシャコーヒーの販売を始めた。
コーヒー一杯の値段が2,000円という超高値のため、日本でも話題になっている。
パナマ アウロマール ゲイシャ | スターバックス コーヒー ジャパン
パナマではゲイシャという品種の高品質なコーヒー豆が収穫でき、一級品は日本やアメリカ、ヨーロッパなどに輸出されている。
しかし、パナマ国内で出回っているコーヒー豆は質が悪く、レストランでもコーヒーが一杯50円ほどで売られている。
世界の十字路
パナマは、北米大陸と南米大陸を繋ぐ位置にあるため「両大陸間の移動の中継地点」である。
また大西洋と太平洋を最短距離で移動するパナマ運河があるため、「両海域間の移動の中継地点」としても人や物資の移動の最重要地点である。
そのため、パナマは「世界の十字路」という異名を持つ。
日本人にとって、「パナマと言えばパナマ運河。パナマ運河と言えばパナマ」というイメージであろう。
パナマの名所といえばパナマ運河
パナマ運河は、太平洋側と大西洋側を結ぶ長さおよそ80kmの閘門(こうもん)システムを持つ運河である。
運河は1914年に開通したが、長い間アメリカの支配下にあった。
その後1999年になり、ようやくパナマ運河の運営権がパナマ政府に返還された。
現在では、パナマ運河を通過する船の通行料金が、パナマ政府の主要な財源になっており、急激な経済発展を支えている。
そして、パナマ運河は航海の重要拠点であるだけでなく、パナマ共和国を訪れた観光客のほぼ100%が訪れる観光スポットでもある。
パナマシティの近くにありパナマ運河の見学が出来るミラフローレス水門は、特に休日には外国人旅行者で一杯になっている。
運が良ければ、パナマ運河を通過できる栽培の船籍のサイズである「パナマックス級」の大型船の通行を目の前で見ることが出来る。
しかし、パナマ共和国の観光スポットはパナマ運河だけではない。
パナマ運河があるパナマの首都パナマシティには、他にも魅力満載な観光名所が存在している。
パナマシティでおすすめの観光スポット
パナマの首都パナマシティの近くには、観光名所がたくさんある。
サンブラス諸島
少数民族クナ族の暮らしを見学でき、パナマの北東のカリブ海側に350以上の島に透き通る美しい海岸が連なるサンブラス諸島。
コロン
海賊と激しい戦いを繰り広げた要塞ポルトベーロや黒人のイエス・キリスト像が祭られている、パナマ共和国第二の都市コロン。
パナマ・ビエホとは
パナマシティの名所
パナマシティ内にも、観光名所はいくつかある。
カテドラル、国立劇場、アンコンの丘、サン・ホセ教会、アメリカ橋、フランス広場、アマドール、カスコ・ビエホ、パナマ・ビエホなどだ。
今回は、この中でも少しマイナーな観光地である「パナマ・ビエホ」を紹介しようと思う。
パナマ・ビエホの歴史
パナマ・ビエホとは、パナマに入植したスペイン人が初めて建設した街の遺跡である。
この街は中南米の金銀財宝の経由地として栄えた港町であったが、後に海賊ヘンリー・モーガンよって壊滅させられた。
その後、街はパナマ・ビエホからパナマシティ内にある現在のカスコ・ビエホ地区に移された。
パナマ・ビエホの歴史に関する詳しい説明は、Wikipediaを参照して欲しい。
パナマ・ビエホ博物館
パナマ・ビエホには、パナマ・ビエホ博物館が隣接している。
開館時間は8時半から18時まで。
博物館とパナマ・ビエホの遺跡の入場料は、合わせて6ドル。
博物館には、パナマ・ビエホに関する歴史を紹介するパネルや発掘された骨などが展示されている。
遺跡を見学する前に、博物館で海賊ヘンリー・モーガンに壊される前の街の姿を見ておくことをお薦めする。
パナマ・ビエホへの行き方
メトロバス
パナマシティには、メトロバス(Metro bus、スペイン語読みではメトル・ブス)という路線バスが走っている。
パナマシティの市内観光には、このメトロバスを使うのが便利だし安い。
パナマ・ビエホまでは、どこから乗っても25セントで行ける。
バスの正面の行き先を表示する電光掲示板に「Panamá Viejo」と書かれたバスに乗ろう。
しかしこのバスに乗るためには、事前にバスターミナルなどの窓口でICチップ付きの「メトロバス・カード」を購入し、お金をチャージしないといけないので、旅行者は注意が必要だ。
このカードは日本のスイカのようなカードで、最近完成したパナマシティの地下鉄にも乗ることができる。
ちなみに上の写真のメトロバスカードは古いデザインで、最近は違うデザインに変わっている。
わざわざ買うのが面倒な人は、バスの他の乗客にお願いしてカードを貸してもらいバスに乗車し、25セントを現金で支払おう。
タクシー
パナマシティの中心地からパナマ・ビエホまでは、乗車が一名でおよそ3ドル。
乗車人数が二名以上になると値段は少しづつ高くなるが、一人当たりで計算すると割安になる。
タクシーを利用する際には安全性のため、白い未登録の個人タクシーではなく、黄色いタクシー会社の「登録タクシー」に乗ることをお薦めする。
海外で安全にタクシーに乗る方法は、以下の過去エントリーを参照して欲しい。
参考:中南米旅行者へ!元警察直伝のタクシー強盗に遭わないための26対策|JIBURi.com
パナマ・ビエホの見所
パナマ・ビエホへは、まずはパナマ・ビエホ博物館側から入場しよう。
すると、右手に海岸とトクーメン国際空港に繋がる高速道路が見える。
後ろを振り返ると、パナマシティの新市街のビル群が見える。
パナマ共和国は発展途上国に分類されているが、パナマ運河の通航料のおかげで首都のパナマシティだけは経済に発展している。
前方には、高級ビル群が見えてくる。
パナマ・ビエホは、新興ビル群に挟まれた地区に残された遺跡なのだ。
パナマ・ビエホ内には、いくつもの遺跡が点在している。
左手に一つ目の遺跡が見えてくる。
レンガで出来た建物の遺跡を、鉄骨やセメントで修復してある。
太古の昔の建造物を、パナマシティの新市街とも比較して見ることが出来る。
巨大な建物の跡地も残されている。
この建物の内部には、2階建ての見学スペースもあり、高い場所から内部を見学できる。
まるで迷路のような遺跡もあった。
朽ち果てかけたレンガ積みの塀が、遺跡らしい雰囲気を醸し出している。
パナマ・ビエホは遺跡もあるが、木々も生い茂っており、大きな公園のような場所である。
日本には生えていない巨木があり、森の中を歩いているような気分になり癒される。
遺跡と自然との相性も良い。
遺跡と森の中を歩いていると、まるでタイムスリップしたような感覚になる。
パナマ・ビエホ内には、バックパッカーやツアー旅行者がいる。
他にもランニングやウォーキングを楽しんでいる人、犬を散歩させている人もいた。
野良犬も侵入していたので、狂犬病対策のために噛まれないよう注意が必要だ。
海岸には大量のゴミが打ち上げられていた。
パナマ共和国には、国内にゴミの処理場が一軒しかなく、ゴミ処理が問題になっている。
パナマ・ビエホで必ず立ち寄りたいスポット
パナマ・ビエホの中でも一番おすすめのスポットは、教会の鐘楼跡地である。
この写真の位置からは、高層ビルとの比較が出来る。
パナマ・ビエホの中でも一番高い建物である。
当時のらせん階段も修繕されているが、現在は鉄骨の階段を上って頂上まで行ける。
頂上の展望台からは、パナマシティの新市街まで見渡せる。
この建物の高さは、ビル5階建てほど。
階段を上るのは疲れるが、とても綺麗な景色が眺められるので、ぜひ頂上まで登ってほしい。
パナマ・ビエホ観光の持ち物
パナマ・ビエホに観光に行くなら、以下の持ち物を忘れずに持って行こう。
1.お金
パナマ・ビエホの入場料6ドルと、タクシーもしくはメトロバスの交通費が必要になる。
2.水
パナマ・ビエホには売店がない。
熱帯気候のパナマシティは暑くて汗をかくので、必ず水を持参しよう。
3.帽子
パナマ・ビエホの遺跡はかなり広い。
ゆっくりと歩いた場合は、全体を一周するのに2時間ほど時間がかかる。
すべて屋外にあり、日差しが強いのでかならず帽子をかぶり、日射病を予防しよう。
4.カメラ
パナマ・ビエホには撮影スポットが多くある。
治安も比較的良いので、一眼レフカメラやデジタルカメラを持ち出しても危険性は低い。
ぜひ、思い出を残すために写真撮影をしよう!
5.パナマシティの地図
パナマ・ビエホからは新市街や高級ビル街を見渡せる。
パナマシティの地図があれば、それぞれの地区の名前を確認できるので、ぜひパナマシティの地図を持参しよう。
おまけ:カメラ隊員が撮影してくれた写真
パナマ共和国には、ペンタックス製の一眼レフカメラとオリンパス製のミラーレスカメラの2台のカメラを持ち、ズームレンズ、望遠レンズ、単焦点レンズを使いこなす「青年海外協力隊・カメラ隊員」がいる。
パナマ・ビエホには彼と一緒に見学に行ったので、ぼくをモデルとして写真を撮ってもらえた。
圧縮してアップするので画質は劣化してしまうが、さすがカメラ隊員というだけはある「構図」を感じ取ってほしい。
ちなみに、彼は野菜を育てることも好きらしい。
以下の写真は、彼が撮影した写真である。
まとめ
パナマ・ビエホはパナマシティにある遺跡である。
タクシーかメトロバスを使えば、簡単に行くことが出来る。
パナマ観光をしたい旅行者は、ぜひパナマ・ビエホにも行ってもらいたい。
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