青年海外協力隊の任国外旅行
パナマ共和国では、一年に一度「一ヶ月間の長期休暇」が取れる。
昨年は4月に取得し、日本に20日間一時帰国した。
そして、今年は2月に長期休暇を取得した。
パナマで活動する青年海外協力隊は、コスタリカとメキシコへ旅行に行くことができる。
しかし、旅行できる期間は「一年間に20日間まで」と決められており、一ヶ月前までにJICA事務所に「任国外旅行届け」を申請しないといけない。
ぼくは2月1日から7日までコスタリカ、2月7日から20日までメキシコを旅行する予定だ。
現在(2月6日)は、コスタリカの首都サンホセに滞在している。
今回は中南米を陸路で旅行する人のために、パナマからコスタリカへの「バスを使った国境通過の方法」を紹介しようと思う。
パナマからコスタリカ国境を格安にバスで通過する方法
まずパナマからコスタリカまで、飛行機を使った場合の交通費を紹介しよう。
格安航空券が検索できるSkyscannerを使って探しても、パナマの首都パナマシティからコスタリカの首都サンホセまでは、片道50,000円以上かかる。
しかし、陸路をバスで移動すればもっと安い費用で国境を通過できる。
1.中米の国境間移動バスTICA BUSに乗る
一般的な方法は、中米の国境間移動バスTICA BUS(チカバス)を使うことだ。
チカバスを使えば、中米の主要都市間を簡単に格安で移動できる。
パナマシティ→サンホセのチカバスは40~55ドル
チカバスを使うと、パナマシティからコスタリカのサンホセまでは、片道40ドルから55ドル(日本円で4,800円~6,600円)と格安だ。
2.ローカルバスで国境まで行く
ぼくもパナマのコスタリカ国境近くの都市ダビから、チカバスを利用して国境を越えようと思っていたが、ダビのホステルで新しい情報を手にした。
この貼り紙によると、チカバスを使わなくても、ダビの街中を走っている小さなローカルバスでも国境まで行けるらしい。
ホステルの従業員に聞いてみると、このようにローカルバスをおすすめされた。
「チカバスだと乗客が入国審査を受ける行列を待たないといけないけど、ローカルバスなら行列ができないから早く通過できる!しかも、ローカルバスの方が安いぜ!!」
という訳で、ぼくはチカバスを使わずにローカルバスで国境を越えることにした。
ローカルバスは小さくて、地元住民が使っている。
このバスで国境まで行った。
運賃は300円くらい、安い!!
コスタリカとの国境の手前には、パナマ側の入出国管理施設が建っている。
3.パナマの出国審査と荷物検査を通過する
入出国管理施設に着いたら、まずは出国審査を受ける。
窓口でパスポートを出し、旅の目的などの質問に答えるだけだ。
ぼくが審査を終えた頃にチカバスが到着して、乗客が長い行列を作り始めた。
ホステルの従業員の情報の通りだった。
おかげでぼくはスムーズに出国審査を通過できた。
出国審査が終わったら、すぐ隣の小部屋で荷物検査を受ける。
4.歩いて国境を通過する
出国審査と荷物検査が終わったら、歩いて国境を通過する。
特にゲートなどはなく、誰でも国境を通過できる。
「国境がこんなに緩くていいのか?」と疑問に思う。
鬼ごっこしていたら、知らぬ間に国境を越えてしまうだろう。
1分くらい歩くと、コスタリカ側の入出国管理施設に到着する。
パナマの施設よりも小さくて古いのは、両国の経済発展レベルの違いだろうか。
5.コスタリカの入国審査と荷物検査を通過する
ここでは、入国カードをもらい必要事項を記入する。
カードへの記入が終わったら、窓口で入国審査を受ける。
荷物検査を受けようと思ったら、管理員から「チカバスの乗客以外は検査を受けなくていい」と言われ、ノーチェックで通過できた。
パナマとコスタリカ間の国境管理はかなり緩いようだ。
ローカルバスを探すが…
ローカルバスを使うことでチカバスよりも、格安で早くコスタリカに入国できた!
あとは、コスタリカのローカルバスを見つけて、目的の町まで乗るだけである。
チカバスの運転手に聞くと、「ローカルバスは来ないから、チカバスに乗るしかない!」と言う。
「ははぁん、おっちゃんはチカバスに乗せたいんだな。その手には乗らないぜ!」と思い、チカバスとは関係ない他のコスタリカ人にも聞いてみる。
「マジで、ローカルバス来ないよ」
「国境近くには大きな町がないから、ローカルバスはない。長距離移動だから、大きなチカバスに乗るしかないんだよ」
不安な情報しか集まらなかったが、まだ諦めずに30分ほどローカルバスを待つことにした。
・・・
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結局、ローカルバスは一台も来なかった。
どうやら本当に、コスタリカ側の国境にローカルバスは来ないらしい。
ローカルバスだけでパナマとコスタリカ国境を通過する裏技は、失敗に終わった…….
6.TICA BUSに乗る
仕方ないので、TIKA BUSに乗ることにした。
チカバスに乗るので荷物検査を受ける列に並ぶが、なぜか検査官が一人もおらず、旅行者もチカバスも30分以上待たされることになった。
30分ほど待つと、荷物検査の検査官がやって来た。
しかし、5人に1人くらいの割合でしか検査を行わなかったので、結局ぼくはノーチェックで通過できた。
検査が終わったらチカバスに乗り込む。
コスタリカ国境からは、終着地のサンホセまでどこで降りても18ドル(2,160円)だった。
乗客は全員が旅行者。
座席は大きくて、乗り心地は良い。
7.サンホセか、途中の目的地で降りる
バスはコスタリカの首都サンホセを目指して、ひたすら北上した。
街道沿いには、ヤシのプランテーション農園が広がっていた。
枯れたヤシ畑も残っていた。
コスタリカに入ると、バスの外にマンゴーを持った売り子が集まってきた。
パナマではバスの車内に入って来て物を売るが、コスタリカでは売り子が車内に入ることが禁止されているそうだ。
コスタリカ国境を出発してから1時間後に、警察によるパスポート検査があった。
警察がバスの車内に来て、乗客全員のパスポートをチェックした。
これがあるから、国境の管理が適当でもなんとかなっているのだろう。
しばらく行くと、レストランで20分ほどの休憩があった。
チカバスの運転手に「ケポスという町で降ろしてくれ」と頼んであり、「ここがケポスだ」と言われ降ろされた。
しかし、ぼくが降ろされた場所はケポスの町はずれだったので、結局はタクシーで町の中心地まで行かなくてならなかった。
チカバスを利用するなら、途中の町で降りずにサンホセまで行った方が良いだろう。
まとめ
ぼくはパナマのダビからコスタリカのケポスまで、ローカルバスとチカバスを乗り継ぐことで、2,500円で国境を通過できた。
ローカルバスを使えば、チカバスよりも早く国境の入出国審査と荷物検査を通過できる。
しかし、結局はコスタリカ側でチカバスを利用しないといけないので、ローカルバスを使うよりも、最初からチカバスを利用した方が良いだろう。