青年海外協力隊のよくある7つの誤解と解説
青年海外協力隊としておよそ2年間活動してきて、リアルな場やネットを通して日本人と関わる機会も多かった。
しかし、「青年海外協力隊って○○なんでしょ~」と見当違いなことを言われ、「青年海外協力隊のことを誤解している人が多いなぁ」と感じている。
例えばこんな感じ。
・青年海外協力隊は給料がもらえないんでしょ
・青年海外協力隊は自腹で活動しているんでしょ
・青年海外協力隊は砂漠で井戸を作っているんでしょ
現役の青年海外協力隊としては、これらの誤解を解いて正しい青年海外協力隊を知ってもらいたいという想いがある。
そこで今回は、青年海外協力隊のよくある7つの誤解とその解説をしよう。
1.「海外青年協力隊」なんでしょ~
解説:「青年海外協力隊」が正しい
そもそも、JICAのボランティア制度の名称を「海外青年協力隊」だと思っている人が多いが、正しくは青年海外協力隊である。
「青年海外協力隊よりも海外青年協力隊だと思っている人の方が多いのでは?」と思うほど勘違いしている人が多く、恥ずかしい話だがぼくの家族でさえも「海外青年協力隊」だと勘違いしている。
ぼくのブログへの検索流入を見ても、「海外青年協力隊」というキーワードで検索している人がめちゃくちゃいる。
もはや、JICAのボランティア制度は、海外青年協力隊に改名した方が良いのかもしれない。
2.合格するためには、資格と社会人経験と英語能力が必要なんでしょ~
解説:学生でも無資格でも合格できる
青年海外協力隊に合格するためには、資格と社会人経験が必要だと勘違いしている人が多いが、学生でも無資格でも合格できる。
ぼくの同期でも大学院を休学して、学生の身分のまま青年海外協力隊に参加している隊員がいるし、何の資格も専門知識ももっていない文系の隊員も多い。
もちろん社会人経験が必要な職種や特殊な資格が必要な職種もあるし、それらがあった方が有利なのだが、応募の制限がゆるい職種もあるのだ。
ぼくもある裏技を使って、新卒・無資格で青年海外協力隊に一発合格した。
詳しくは過去の記事を読んで欲しい。
参考:本当は教えたくない!青年海外協力隊に合格する裏技を暴露する。
英語能力もネイティブスピーカー並みな英会話能力は必要ないが、TOEICの点数が高い方が合格しやすくなる。
なので、これから青年海外協力隊を受けたい人は英語能力を高めておこう。
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3.水道がない村で井戸を掘るんでしょ~
解説:大都会の高層ビルのクーラーが効いた部屋でデスクワークもあり得る
いまだに青年海外協力隊というと「水道がない村で井戸を掘る」という古典的なイメージを持っている人が多い。
しかし活動内容によっては、大都会の高層ビルのクーラーが効いた部屋でデスクワークもあり得る。
青年海外協力隊は今までに世界88ヶ国に、およそ4万人が派遣されている。
この4万人が一人一人違う活動をしているので、青年海外協力隊と一言でいってもその活動内容は4万通りあるのだ。
極端な例を出すと、電気も水道もない山奥の集落で活動をしている農業系隊員もいれば、大都会の高層ビルで活動をしているIT系隊員もいる。
4.貧しい人を助けるんでしょ~
解説:大金持ちのために働くこともある
青年海外協力隊と聞いてイメージするのは、貧しくてやせ細った栄養失調の子供を助ける看護師の姿かもしれないが、実際には肥満になった大金持ちのために働いている栄養士隊員もいる。
青年海外協力隊は発展途上国に派遣されているが、発展途上国の国民全員が貧困状態にあるわけはなく、実際にはその3割ほどだ。
70%の現地人は貧困ではなく、普通かそれ以上の生活を送っている。
途上国にも所得が日本人の平均以上の人だってたくさんいるし、豪邸に住み高級外車に乗って、休みの日には海外旅行に行く家族もいる。
例えば、テニス、水泳、体操などのスポーツ系隊員は、スポーツクラブに所属している選手に技術を教えることが多いが、途上国のスポーツクラブに所属している選手の多くは、裕福な家庭の子供だ。
なぜならばお金持ちでなければ、月謝が必要なスポーツクラブに通わせることなどできないからだ。
青年海外協力隊は貧困に苦しむ人だけでなく、リッチな暮らしを送る裕福な人のために働くこともある。
普段は無電化集落で活動しているぼくも先月は、首都の裕福なパナマ人が対象の家庭菜園の講座を開いた。
参考:パナマの首都で「家庭菜園でできる空心菜の袋栽培」を実演した
5.日本の国際協力は青年海外協力隊がしているんでしょ~
解説:青年海外協力隊は日本人のためのボランティア体験制度で、本気の国際協力はJICA専門家や開発コンサルタントが行っている
青年海外協力隊が日本の国際協力のメインだと勘違いしている人が多いが、青年海外協力隊は日本人のためのボランティア体験制度であって、本気の国際協力はJICA専門家や開発コンサルタントが行っている。
本当に困っている国や地域へは、JICAや国連を通してJICA専門家や開発コンサルタントなどのプロの専門家チームが派遣されて調査を行い、長期的な計画を立てて技術支援や資金援助が行われている。
その支援が届かないすき間を埋めるために青年海外協力隊が使われることもあるし、青年海外協力隊の活動が現地の人の役に立つことだってもちろんあるが、基本的にはボランティアをしたい日本人あっての青年海外協力隊である。
「あなたたちが途上国に行ってボランティアをしたいというから、私たちが青年海外協力隊という制度を使って協力してあげているんです。別に途上国の国民やJICAがあなたたちに途上国へ行ってくれとお願いしている訳ではありません。あなたたちの自主的な行動なのです」
とJICA駒ヶ根訓練所で行われた派遣前訓練で、JICAのお偉いさんから説明された。
以下が青年海外協力隊を含むJICAボランティア事業の目標と制度の説明で、「JICAボランティア事業は、自発的に開発途上国に協力したいとお考えの方を後押しするもの」と記載されているし、人材育成という意味合いも強い。
JICAボランティア事業は、①開発途上国の経済・社会の発展や復興への寄与、②友好親善・相互理解の深化、③ボランティア経験の社会還元を目標に実施しています。
現在は、帰国後も途上国を含む様々な国で活躍できるグローバル人材育成も重視しています。
JICAボランティア事業は、自発的に開発途上国に協力したいとお考えの方を後押しするもので、日本政府のODA予算により実施する事業です。
6.給料はもらえないんでしょ~
解説:給料は最低でも204万円がもらえる(国内手当)
青年海外協力隊は無給の奉仕活動だと勘違いしている人が多いが、実際には「本邦支出対応手当・帰国初動生活手当・帰国社会復帰手当」という名目で給料のような国内手当を受け取っている。
詳しい金額は以下の通りだ。
ひと月の金額 | |
本邦支出対応手当 | 5.5万 |
帰国初動生活手当 | 1万 |
帰国社会復帰手当 | 2万 |
合計 | 8.5万 |
引用元:待遇と諸制度(青年海外協力隊)
24ヶ月間の派遣期間中にひと月8.5万円が支給されるので、8.5万円×24ヶ月=204万円が支給される。
しかし、これは新卒や仕事をやめて参加した人が適応される「無職参加のケース」である。
実は、他にも人気の制度がある。
会社や学校に籍を残したまま派遣される「有給の現職参加」という制度を使うと、2年間は所属している会社もしくは学校から通常通りの給料が支払われ、かつ生活費はすべてJICAから支給されるので、例えばひと月30万円の給料の人は2年間で720万円の貯金ができるのだ!
青年海外協力隊の現職参加が人気なのには、このようなカラクリがある。
現職参加の給料は、一般人には知られていないパンドラの箱だ。
ただし、現職参加でも無給のケースもあるので、詳しくはJICAホームページを確認してほしい。
7.帰国後はJICAで働くんでしょ~
解説:帰国後はJICAで働かない
青年海外協力隊というボランティア制度とその運営組織であるJICAを混同している人が多く、青年海外協力隊の期間が終わるとJICA職員として働くものだと勘違いしている人がいるが、そんなことはほぼない。
青年海外協力隊から帰国後にJICAの採用試験を受けて合格すれば、JICAで働くことができるがそれはとても難しいだろう。
そして、JICAはボランティアに就職先を一切斡旋しないので、自分で仕事を探さないといけない。
青年海外協力隊はJICAの派遣社員のようなもので、2年間の契約期間が切れればお払い箱なのだ。
青年海外協力隊が使用している公用旅券も、日本へ帰国後には失効処理を行われその効果を失う。
ただし、逆にやりたいことがある隊員から見れば、自由になるともいえる。
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追記:青年海外協力隊におすすめの転職サイトランキング
青年海外協力隊の問題といえば、「日本へ帰国してから再就職できない」こと。
ぼくの同期隊員は全員が日本へ帰国しているが、マジで再就職で悩んでいる人がいる…….
そんな人にお勧めしたいのは、「協力隊に参加する前に転職活動をする」こと。
でも、どうやって転職情報を得たらいいのか?
転職活動をするなら転職エージェントサイトに登録しよう。
働きながら自分で転職活動をするのは大変だし、転職エージェントを使った方が求人情報が手に入りやすいからだ。
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詳しくはこの記事を読んで欲しい。
参考:青年海外協力隊が帰国後再就職を成功させる方法!転職漫画エンゼルバンクを読んで転職サイトに登録しよう
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まとめ
青年海外協力隊のよくある7つの誤解を解説してみた。
「海外青年協力隊ではないこと」だけでも覚えて頂ければ幸いです。
本気で青年海外協力隊になりたい人が読むべき記事まとめ
本気で青年海外協力隊になりたい人のために参考になる記事をまとめた。
青年海外協力隊になりたい人は、必ずこの記事を全部読んでほしい!
青年海外協力隊から日本帰国後の再就職に不安がある人へ
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