2017年7月30日に、恋人とのデート撮影サービス・ラブグラフさんのイベント、ラブグラフ・トークVol01.に参加してきた。
登壇者はラブグラフ代表取締役の駒下純兵さんと、Instagramでおよそ15万人のフォロワーがいるフォトグラファーの保井崇志さん。
テーマは「これからを生きるフォトグラファーの新しいカタチ」というぼくにぴったりな内容だったので、すぐに参加を決めた。
それに、保井崇志さんのトークイベントには過去に一回参加したことがあり満足度が高かったし、ラブグラフというカメラマンと依頼人のマッチングサービスにも興味があった。
実際に参加してみると、いい刺激になったしこれから実践したいアイデアも閃いたので、参加してよかった。
そこで今回は、ラブグラフ・トークの様子を紹介しよう。
LOVEGRAPH TALK Vol.1駒下純兵 × 保井崇志の概要
まずは、今回のイベントについてさらっと紹介しよう。
対談のテーマ
「これからを生きるフォトグラファーの新しいカタチ」
「カメラマンのアシスタント経由や写真学校を卒業する」というプロカメラマンになるための既存のルートではなく、SNSやウェブサービスを利用した新しいプロカメラマンになる方法がテーマだった。
講演内容
・SNSを活かしたブランディング戦略
・これからの写真家の在り方
・今後の写真のマネタイズについて
開催場所
BOOK LAB TOKYO
東京都渋谷区 道玄坂2-10-7 新大宗ビル1号館 2F
参加費
2,000円(税別) 1ドリンク付
日時
7/30 (日曜)
15:30-16:00 受付
16:00-17:30 トークショー
17:30-18:30 懇親会
登壇者プロフィール
登壇者はお二人。
ラブグラフ代表取締役 駒下純兵さん(@komage1007)
株式会社ラブグラフ代表取締役/フォトグラファー
2015年株式会社ラブグラフ設立し代表取締役に就任。
現在では200名をカメラマンを全国に抱え、写真撮影事業の他に「Lovegrapher」のブランドを活かした写真教室事業やプロモーション事業なども行う。
どれだけ何気ない毎日に幸せを見出せるかは人生で大事だと思ってて、本当は幸せなことなはずなのにカップルって長く付き合うほど一緒にいることが当たり前になりがちで。そんな時に改めて写真っていう形に残すことで「やっぱりこの人といてよかったな」と幸せに感じる瞬間を増やしたい。
— こまげ(Lovegraph) (@komage1007) 2015年9月26日
フォトグラファー 保井崇志さん(@_tuck4)
フォトグラファー
2010年に趣味で写真を始める。
Instagramとの出会いがキッカケで、2015年にフリーランスフォトグラファーに転身。
Instagramを通じての企業案件やアーティストの撮影など、新しいフォトグラファー像を追求している。
優待追加しました。女性ポートレート撮影します。地方であっても交通費・滞在費は必要ありません。2VA保持(現在12000円程度)で保井の撮影が受けられます。女性がよりVALUに興味を持つキッカケになれば嬉しいです。#VALUhttps://t.co/RBuhjDt3Lk pic.twitter.com/w9l0UJm0qA
— 保井崇志 (@_tuck4) 2017年7月14日
【関連記事】保井崇志さんと濱田英明さんの対談
以前、フォトグラファーの保井崇志さんと同じくフォトグラファーの濱田英明さんの対談イベントを記事にしたので、興味がある人はこちらも合わせて読んでほしい。
参考:「Instagramはフォロワーとのラリー」人気フォトグラファー濱田英明×保井崇志トークライブ
イベントが始まり、自己紹介は飛ばして、すぐに本題へ
最初はお二人の自己紹介がある予定だったらしいが、保井さんのことを知っている参加者が多かったので、保井さんからの提案ですぐに本題に移ることに。
このときに前回のトークイベント以上に保井さんの本気度を感じたので、「しっかり吸収して実行しよう!」と決意した。
フリーランスの厳しさ
まず、保井さんからフリーランスの厳しさについて、話があった。
サラリーマンと自営業の違い
最初に参加者に「今、会社員かフリーランスか?」で手を上げてもらって確認する。
フリーランスの数は四分の一くらいで、残りは会社員のみなさんだった。
そして、ラブグラフでカメラマンとして活動している”ラブグラファー”の方も参加していた。
保井さんは、「会社員は月給でお金が入ってくるが、フリーランスは自分でお金を稼がないとお金が手に入らない」と説明し、フリーランスの厳しさを語っていた。
お金を受け取ることの責任
また、保井さんは「ラブグラフという派遣サービスを使っていても、お客様からお金を受け取ることには責任がある」とも語っていた。
ぼくはフリーランスフォトグラファーの収支について、考える大切さや厳しさを伝えたいというメッセージを感じた。
仕事の獲得方法
リクルートでインターンシップ中に起業し、オフライン営業
駒下さんは大学生時代にリクルートでインターンシップを行い、そのインターンシップの途中で今の会社を起業したそうだ。
そして、社内で面白いインターン生がいると話題になり、ゼクシィの社長を紹介してもらって最初の仕事を獲得したという。
そのエピソードを聞いて驚いたし、保井さんですら驚いていた。
駒下さんはSNSを利用した営業よりも、オフラインで人との直接的な出会いを生かして営業活動をしていたそうだ。
外国人フォトグラファーの仕事術
保井さんが紹介してくれたのは、外国人フォトグラファーtyson wheatleyさん(@twheart)の仕事術。
彼は航空会社の撮影の仕事で日本に来るときに、自分でホテルやヘッドフォン会社に営業活動を行い、日本でついでの撮影の仕事を生み出したそう。
保井さんは大阪で彼と会い、これが第一線で活躍するフォトグラファーの仕事のやり方なのかと驚いたという。
そして、その次の年に保井さんがアメリカに行ったときには、保井さんも複数の企業と交渉していろんな仕事を生み出したそうだ。
すぐに実践して成功しているところが凄い。
第一線で活躍しているカメラマンと会うべき
保井さんはこの体験から「同じレベルのフォトグラファー同志で馴れ合うのもいいけど、第一線で活躍しているフォトグラファーと実際に会うべき」と話していた。
第一線で活躍しているフォトグラファーの”当たり前”を学ぶことが大切だという。
さっそく、保井さんは新しいオフィスに入居し、後輩フォトグラファーの育成をしようと考えているようで凄い。
この夏、日本橋浜町のオフィスに入居します。1Fがカフェレストラン兼書店で、言わば街のリビング。じぶんは常に3Fにいますので、カフェのオープニングスタッフで、フォトグラファーやモデル志望の方は面倒見ます。
興味のある方は→ https://t.co/BYxbyF846R pic.twitter.com/9F3ympdytg— 保井崇志 (@_tuck4) 2017年7月8日
インバウンド営業
イベントの最後に「企業との料金交渉が難しい」と話す質問者に対して、駒下さんから「インバウンド営業を大切にした方がいい」というアドバイスがあった。
なぜかというと、自分から企業に対して営業を行うと料金交渉で不利だが、相手から依頼が来れば料金交渉を有利に進められるからだ。
※インバウンドは外から入ってくること、アウトバウンドは外へ出ていくこと。
二次利用の交渉
保井さんから「写真の二次利用については、別途料金を取ったほうが良い」というアドバイスがあった。
例えば、ウェブサイトのために撮影した写真をパンフレットにも使いたいといわれたら、その二次利用に対しての利用料を取らないとなんでもアリになってしまうから。
SNSやラブグラフの活用方法
SNSやラブグラフの活用方法についても、いろんな話が聞けた。
スタジオ撮影やアシスタント経験がなくてもプロになれる
昔はプロカメラマンになるためには、写真学校を卒業していないとダメだったり、スタジオ撮影の経験が必要だったり、カメラマンのアシスタント経験が必要だった。
しかし、今ではネットサービスやSNSが普及したことで、そのような経験がなくてもフォトグラファーになれる。
まさに保井さんはその代名詞というべき存在で、Instagramで世界的に有名になったから脱サラしてフォトグラファーとして独立された。
参考:プロカメラマンとは?アマチュアカメラマンが写真家フォトグラファーになる方法、お金を稼ぐ方法、機材、年収
SNSやウェブメディアの利用
では、具体的にどうしたら良いかというと、SNSやウェブメディアの利用が大切だという。
InstagramやTwitter、ウェブサイトを使って個人の影響力を大きくすることで、企業が”発信力”に期待して仕事を依頼してくれるそうだ。
保井さんのInstagramのフォロワー数は、およそ15万人(私の地元・長野県飯田市の人口10万人よりも多い)。
バズることの価値
そして、保井さんから「SNSやブログでバズる経験も大切。この中でバズった経験がある人いる?」と聞かれたので、手を上げてみた(ぼくだけ)。
そして、「ぼくのおとうさんはボランティアというやつに殺された、というブログでバズりました」と答えたら、めっちゃスベったので申し訳ない。
facebookで「84,000いいね」が集まっているので、個人ブログの割にはけっこう大きなバズだったと自分では思っている。
・ボクのおとうさんは、ボランティアというやつに殺されました。
noteの有料マガジン
保井さんは「数年後には、noteの有料マガジンでだけ生活しているかもしれない」と話していた。
noteでお金を稼ぎ、あとは一見さんお断りで撮影の仕事をするようになっているかもしれないという。
保井さんは月額500円で継続課金マガジンを発行していて、それを200名以上が購入しているので、noteだけで毎月10万円の売上で生まれている。
クリエイターを支援するのがnoteの理念なので、まさに成功している。
ちなみに、ぼくも購読している。
VALUの可能性
保井さんと駒下さんからは、VALUの可能性についての話もあった。
駒下さんはVALUを株式会社に例えて説明をしてくれ、保井さんはVALUは信用や過去の実績を資金に変えることができることの先進性を語ってくれた。
しかし、参加者の中でVALUをしている人が二人しかいなかったので、詳しい話は聞けなかった。
VALUにはまだアーリーアダプターしか参加していないようだ。
保井さんはnoteでもVALUの話題を書かれていて、かなり期待している様子。
そして、イベント後の懇親会でVALUのことを個人的に話せたので、個人的には満足している。
ちなみにぼくは20,000VAを発行できたので、明日から売り出す予定。
ラブグラフの魅力
駒下さんはラブグラフを「カップルのデートを撮影するサービス」と定義していて、新しい需要を開拓したので他のフォトグラファー派遣サービスとは競合しないとおっしゃっていた。
「ラブグラフのサービスを作ることが自分の使命」と言い切っていて、めちゃくちゃカッコ良かった。
保井さんから見たら「ラブグラフはフリーランスのフォトグラファーにとって、めちゃくちゃ有り難いサービスだ」という。
ラブグラフでは、カメラマン(ラブグラファー)として登録すれば、お客さんから仕事の依頼が来る可能性があり、撮影をすればお金をいただける。
ただし、その採用率はおよそ8%なので、92%のカメラマン志願者は落選するそうだ。
そこで、ラブグラフではカメラマン育成システムも用意している。
ラブグラフを卒業した後を考えてほしい
また、保井さんからは「ラブグラフを卒業した後を考えてほしい」という言葉もあった。
ラブグラフに登録して出張カメラマンとして一生働くのではなく、そこから別の仕事を獲得していってほしいというメッセージだろう。
そして、経験を積んだカメラマンがラブグラフを抜けることで、若い後輩たちに新しくラブグラフでカメラマンの腕を磨いてほしいということだ。
余談:プロフィール写真を変えました
イベント終了後に保井崇志さんに挨拶しに行ったら、「SNSのプロフィール写真と別人すぎるから、プロフィール写真を変えたほうがいい」とアドバイスして頂いたので、facebook、Twitter、VALU、Tinderの写真をすべて変えました。
フォトグラファーの保井崇志さんから「プロフィール写真と別人すぎる」と突っ込まれたので、#新しいプロフィール画像 に変えました。 pic.twitter.com/YxmAVaSxrs
— 宮﨑大輔🍓📷 (@JIBURl) 2017年7月30日
まとめ
今回は、LOVEGRAPH TALK 駒下純兵 × 保井崇志をご紹介した。
ラブグラフの代表取締役の駒下さんと、フォトグラファーの保井さんの対談が聞けて刺激を受けたし、「これを実践すればフォトグラファーの仕事が獲得できるはず!」という方法も閃いた。
せっかく貴重なお時間を作ってもらったので、結果を出せるように頑張りたい。
保井さんと人気フォトグラファーの濱田さんとの対談はこちら。