青年海外協力隊の派遣前訓練の野外訓練
昨日、無事に青年海外協力隊の「野外訓練」が終わった。
野外訓練の目的は、チームビルディング。
わずかな食料を分け合って食べたり、竹から食器を作ったり、森から薪を拾って来て焚き火をしたりと、体力的には厳しいが精神的には楽しい時間だった。
そして、振り返ってみると一番の思い出は、班でオリジナルラブソングを作ったことだ。
この思い出は、文字にして残したい。
生活班でも愛についてのワークショップ
はじまりは、一カ月ほど前。
ぼくは4月23日の生活班ゼミで、「みんなで愛について考えよう。」というテーマのワールドカフェを開いた。
自ら志願し、ファシリテーターを務めた。
大学時代からワークショップを開いていたが、派遣国でより満足度の高いワークショップを開くためには、「もっとファシリの経験が必要だ」と感じていたからだ。
ワールドカフェ方式で愛を語る青年海外協力隊訓練生
参加者は20名。
各グループ4名×5グループに分かれて、席替えをしながら45分間おしゃべりをした。
愛という言葉のイメージや、何を愛しているか、好きなラブソングは何か、といった話をしながら、お互いの”愛”を共有し、自分の中の”愛”を深めた。
そして、ワールドカフェの最後にグループごとに”みんなで考えた愛について”意見をまとめ、生活班全体に向けて発表した。
最後にワールドカフェのまとめとして、各グループから出た意見を「歌詞」として捉え、『生活班のラブソング』とした。
しかし実際は、
メロディーもなく、
歌詞も少なく、
とてもラブソングとは言えないお粗末なモノだった。
「このラブソングを完成させたい」という想いはあったが、
「オリジナルソングを作るなんて不可能だ」と諦めていた。
オリジナルソング作りは難しい
それはオリジナルソングを作ることの難しさを知っていたからだ。
僕は大学時代に軽音部に入り、友人とバンドを組んでいたが、演奏はコピー曲しかできなかった。
部内にはオリジナルソングを持っているバンドもあったが、彼らの音楽レベルはとても高かった。
ハイレベルな音楽の知識・技術を持っていないと、オリジナルソングは作れないと知った。
生活班でオリジナルラブソングを完成させよう!
・ ・ ・ そして、5月上旬。
班員から「生活班のラブソングを完成させよう!」という提案を聞いた時はとても驚いたし、正直に言うと無理だと思った。
でも反対はしなかった。僕にも「ラブソングを完成させたい」という気持ちはあったからだ。
その計画は「野外訓練の自由時間にみんなでラブソングを作る」というものだった。
よくよく考えてみると、青年海外協力隊のサバイバルトレーニング中に、オリジナルラブソングを作るというファンキーな計画だった。
派遣前訓練の野外訓練の夜
・ ・ ・ そして、野外訓練の夜。
吸い込まれそうなほど真っ暗な森の中で、
神様が宿りそうな焚き火を囲み、みんなで”愛の言葉”を考えた。
オリジナルソング作りの方法
ピアノを習っていた人が、メロディーを考えてくれた。
iPadを持っている人が、メロディーを繰り返し流してくれた。
ゴスペルをしていた人が、歌詞の載せ方を教えてくれた。
歌が得意な人が、大きな声で歌ってくれた。
歌が得意ではない人もいたが、歌が得意な人が引っ張てくれたおかげで、みんなで歌作りに参加できた。
1時間後、ラブソングは完成した。
何回も、何回も、みんなで歌った。
青年海外協力隊平成25年度一次隊9班のオリジナルラブソング
タイトル: 愛は難しい ~自分の善かれは 相手の善かれとは限らない。~
作詞・作曲 : 青年海外協力隊 平成25年度3一次隊 生活班9班一同
*Aメロ
あなたを見つめ 認め合いたい
あなたを想い 抱きしめ合いたい
離れていても 一緒に過ごした時間はここにあるよ
*Bメロ
夢を 語り合える
共に 追いかける仲間
僕らの愛 君への愛
生きるため 必要なこと (誰かを幸せにしたい気持ち{一人がラップ調で})
*サビ1
あのとき あのとき 気付けなかった
ありがとう ありがとう 見返り求めない
愛は サービスする モチベーション
それだけで よかった
*サビ2
素直な 気持ちと 優しさと
愛は きっと 奪うものじゃない
与えるでもなく 気づければ
そこに いつもあるものだから…
オリジナルラブソングが伝えたいこと
文字にしてみると、歌詞の意味が見えてきた。
◆タイトルは、愛の難しさ。
◆Aメロは、恋愛の愛。
◆Bメロは、友情の愛。
◆サビ1は、家族の愛。
◆サビ2は、愛の存在。
自然と、深い歌詞が出来ていた。
青年海外協力隊のラブソングのPVを作りたい!
みんなの想いが詰まった、素敵なラブソングができた。
だから、「次はPVを撮影したい」と思った。
しかし、僕にPVを撮影することはできない。
今までだったら、ここで諦めていた。
でも今は「みんなの力を合わせればきっと出来る」と考えるようになっていた。
オリジナルラブソングみたいに。
思い返してみると野外訓練の目的は、チームビルディングだった。
おしまい。