お嬢様の奉仕活動
1月24日から27日まで滞在した集落の学校には、首都にある私立の学校の女子生徒が「奉仕活動」のために3週間宿泊していた。
この奉仕活動の目的は「貧しい地域で暮らす人のために働き、人の役にたつことの大切さを教えること」だそうだ。
具体的には、集落に暮らす子供と一緒に遊んだり、学校の校舎の塗り替えをしていた。
超可愛い【スプーン・フォーク・ナイフダンス】を踊っている場面。
私立の学校に通っているということは、彼女たちは全員が「お金持ちのお嬢様」である。都会に暮らすお嬢様たちは、垢抜けていて可愛かった。
保護者参観日
日曜日に奉仕活動中の女子生徒の保護者たちが、学校までやって来た。この日は、保護者にどんな活動をしているのか紹介するための「保護者参観日」だった。
保護者のほとんどが日本車に乗り、日本のメーカーの一眼レフカメラを持っていた。お金持ちだらけだった。
なんとパナマの前大統領も来ていた。彼の娘が奉仕活動に参加していたのだ。彼は村人のためにiPadを使って映画を上映していた。そして帰り際に彼は寄付として100ドル札を置いていった。
ちなみにパナマでは、庶民が使う店では100ドル札は高額すぎて使えないので、僕はパナマ入国時以来、久しぶりに100ドル札というものを見た。
彼らは昼食用に町でケンタッキー・フライドチキンを買って来ていた。学校に集まった村人には、無料でホットドッグ、ケーキ、お菓子、ジュースを配っていた。
日本に留学した兄とアイドル並に超可愛い妹
ある男性が「日本人がこんな山奥の集落でいったい何をしているんだ?」と僕のことを日本人と見破り、しかも英語で話しかけてきた。
話をしてみると、彼の息子は「札幌にある大学の経済学部」に2年間留学していたそうだ。日本に留学できるということは、優秀な学生だったようだ。
そしてその妹は今、奉仕活動に参加している。ちなみに妹はアイドル並に超可愛かった。
木でシーソーを作る兄妹
電気も水道もない山奥の集落で、首都で暮らす金持ちたちと会い、頭が混乱していた。
彼らはお金を持っているから欲しいものが買え、学びたい教育を受けられ、食べたいものを食べられ、貧しい村人に施しをすることが出来る。
やっぱり世の中、金か。
泊めてもらっていた民家のハンモックに揺られながら考えていると、そんな考えが頭の中でグルグル回り始めた。
すると、「できたーーーーーーーー!!ダイ、来ーーい!」と家の子供に呼ばれた。
呼ばれた方向に行ってみると、なんと「木製のシーソー」が出来ていた。しかもグルグルと回転する!
兄が妹と一緒に遊ぶために、自分で木を伐り、杭を打ち込み、溝を掘り、シーソーを完成させていた。
一緒に遊ばせてもらったが、シーソーは超楽しい!iPadの映画と同じくらい楽しいと思った。
自分のアイデアと工夫でシーソーを作る兄は、日本の大学に留学した優秀な学生と同じくらい賢いと思った。
楽しそうに兄と遊ぶ妹は、アイドル並に超可愛いお嬢様と同じくらいカワイイと思った。
二組の兄妹
二組の兄妹と知り合った。そして「どちらの兄妹の方が幸せなのか?」と考えてみた。比べることは出来ないかもしれないし、意味がないことかもしれない。
でも、いろんなことを考えてしまう。
◆幸福度と収入は比例するのか?
◆奉仕活動を終えたお嬢様の妹は、何を感じ将来は何のために働くのか?
◆シーソーを作った兄妹は学校を卒業後、どこで働いてどうやって暮らしていくのか?
パナマは社会・経済的格差が大きく、貧富の格差を測る指標であるジニ係数が世界123カ国中ワースト14位である(世銀2005)。
東京バリに都会な首都があるが、電気も水道もない集落もある。
頭の中の疑問に対してはまだまだ答えは出ないが、とりあえず兄妹とまたシーソーで遊びに集落に行こうと思う。