JICAボランティアの帰国後プログラム
青年海外協力隊やシニア海外ボランティアの任期が終了し日本へ帰国すると、まず待ち受けているのが、2日間のJICAボランティア帰国後プログラムである。
これは滅多に経験するものではないし、帰国後のイベントなのでかなりマニアックな情報だ。
そこで今回は、青年海外協力隊にならなければ経験しない帰国後プログラムについて紹介しようと思う。
1日目 帰国後ガイダンス
青年海外協力隊が日本へ帰国すると、各自ホテルもしくはJICAの宿泊施設へ宿泊する。
翌日が平日ならば2日間の帰国後プログラムが開始するが、休日の場合には平日まで延期になる。
ぼくの場合には、火曜日に到着したので、翌日から帰国後プログラムが開始された。
(1)プログラム
帰国後プログラムはJICA市ヶ谷で行われ、午前10時に集合し、午後5時半まで行われた。
プログラムには前日に日本へ帰国した平成25年度一次隊と、現職参加の平成25年度二次隊がいた。
参加国はアジア、アフリカ、大洋州、中南米など様々だ。
駒ヶ根訓練所と二本松訓練所で訓練した候補生同士は同期ではあるがお互いに知らないため、初めて顔を合わせることになる。
まずは、帰国後プログラムについての説明が行われた。
次に、持参した提出書類を提出した。
そして、外務大臣の名前が入った感謝状の授与式が行われた。
しかし、感謝状の授与を行ったのはJICA職員で、特にセレモニーという様式でもなく、保育園の卒業式くらいの雰囲気だった。
その後はお昼休憩になり、食堂で2年ぶりに再会した同期隊員とお昼ご飯を食べた。
午後からは帰国後の支援制度の説明があり、進路についてのアドバイスを頂いた。
15時以降は希望者のみが参加する形で二つの会場に分かれて、講座が開催された。
一つの会場ではカウンセラー講座として、公務員試験を受ける人や就職活動をする人、国際協力の世界へ進みたい人向けの講演、そしてteach For Japanの講演が行われた。
もう一つの会場では、海外コンサルティング企業協会と現役のコンサルタントによるコンサルタント業界のお話と、総務省による地域おこし協力隊の説明が30分ずつ行われた。
その後、廃版処理された公用旅券と個人旅券の返却が行われ、一日目のプログラムがすべて終了した。
(2)持ち物
帰国後プログラムの持ち物は、以下の5点だ。
・航空券の半券
・公用旅券
・アメリカ経由の人は、ESTAの申請書
・Eチケット
・個人パスポートの引換券(ほとんどの人が紛失しているはず(笑))
個人パスポートの引換券は、駒ヶ根訓練所の入所一日目で個人パスポートと交換したものだが、ほとんどの隊員は紛失していると思う。
ぼくはもはや存在さえ忘れていた。
しかし、この引換券がなくても問題なく返却してもらえる。
それと、日本に帰国後の住所が必要になるので、確認しておこう。
ぼくは実家が建て替え工事中で住む場所の住所が不明だったので、JICAのスタッフさんに手間をかけさせてしまった。
ホームレス・ニートはマジやばい。
それから中南米やアフリカから帰国した人は、時差ボケで死ぬほど眠くなるので缶コーヒーやガムを用意しよう。
日本には至る所に自動販売機があり、必ず缶コーヒーが売っているのが面白い。
(3)服装
帰国後プログラムの服装はどんなのがいいのか疑問だったが、思い切ってラフな私服で参加してみた。
結果的には8割の隊員がスーツ姿で、1割が民族衣装、残り1割が私服だった。
別に指定はないので自由な服装で臨めばいいが、スーツが無難だろう。
2日目 技術顧問との面談と健康診断
帰国後プログラムの二日目には、技術顧問との面談と健康診断が待っていた。
ボランティアによっては技術顧問との面談がない場合もある。
また、面談と健康診断の順番と時間は、人によって様々だ。
(1)技術顧問との面談
ぼくは午前10時から技術顧問との面談を20分間行った。
ぼくが受験したころの野菜栽培隊員の技術顧問は、東京農業大学の教授だったが、いつの間にか別の人に変わっていた。
どうやら今回の顧問も東京農業大学の元教授らしい。
技術顧問との面談には、4名のJICA職員さんも同席した。
パナマでどんな活動をしたのかを簡単に説明し、簡単な質問に答えるだけのものだった。
技術顧問との面談が終了後には、JICA職員のみなさんとパナマの栄養改善活動についてお話をした。
農業隊員が「栄養改善支援」と「ビジネス支援」を行ったことがとても珍しいことらしく興味を持って頂けたので、たっぷりと説明をした。
(2)健康診断
午後からは新宿の新宿三井ビルクリニックで、健康診断を受けた。
一日目に検尿と検便容器を受け取っていたので、事前に準備して提出した。
健康診断では、以下の項目について検査を受けた。
・血圧
・血液検査
・視力
・聴力
・身長
・体重
・心電図
・レントゲン
・診察
超効率的な手順と完璧な手さばきのおかげで、30分ほどですべての検査が終了した。
おそらくパナマだったら6時間くらいかかっていたと思う。
日本人の徹底した効率化に驚いてしまった。
以上で、すべての帰国後プログラムが終了した。
そして、青年海外協力隊事業のすべてのプログラムが完全に終了した。
この瞬間に、ぼくの青年海外協力隊が終わった。
まとめ
JICAボランティアの帰国後プログラムに参加した。
技術顧問との面談や健康診断を行い、青年海外協力隊のプログラムが完全に終了した。