外国人にうける日本料理とは?
日曜日に一日かけて「豚の角煮」を作った。
豚の角煮を作った理由は二つある。
単純に豚の角煮が食べたくなったためと、パナマ人の口に合う日本料理を見つけるためだ。
豚の角煮は外国人にウケるか?
毎晩、僕は日本の居酒屋の夢を見るのだが、先日ついに「豚の角煮」が現れた。
その日以来、頭から豚の角煮が離れなくなってしまったのだ。
パナマに来てから一度も豚の角煮を食べていないので、豚の角煮とは4か月以上関係を持っていないことになる。
夢にまで見るとは、そろそろストレスが限界だったようだ。
爆発する前に自分でストレスを解消しないといけない。
日本料理はパナマ人の口に合わない
それから、語学研修のためにペノノメに住んでいた頃も、カニャサスに引っ越してからもパナマ人から「日本料理を食べたいから、作ってくれ!」と頼まれることがある。
僕はいちおう調理師免許も持っているし、料理をすることは好きな方なので、その都度日本料理を作ってあげてきた。
日本料理を作ってあげると、初めて食べる日本料理に喜んでもらえるのだが、パナマ人の反応を見ると、僕が作る料理はパナマ人の口に合っている訳ではなかった。
栄養改善プロジェクトの目的は野菜の消費拡大
また、僕の派遣されたプロジェクトの目的は、野菜消費の拡大である。
そのために、まずは野菜栽培を普及させるために野菜栽培隊員である僕が派遣された。
そもそもパナマには野菜を食べる文化がないようだ。
ではいったい何を食べているかというと、コメ、イモ、豆、トウモロコシなどの炭水化物と牛肉、豚肉、鶏肉といったタンパク質である。
そこで、日本料理を作る機会では、美味しい野菜の食べ方も知ってもらおうと、僕はこれまでに肉じゃがやからし菜料理を作った。
しかし、日本料理を紹介しつつ、野菜の美味しさを伝えるという行為に難しさを感じた。
これでは、二兎を追う者は一兎をも得ずではないか?
という訳で、今回は日本料理かつ肉料理である、豚の角煮を作ろうと思い立った訳である。
まずは日本の肉料理からパナマ人の味覚の好みを探ろうと思う。
パナマ人の口に合う日本の肉料理が見つかったら、その情報を基にパナマ人の口に合う日本の野菜料理も見つけたい。
豚の角煮作り
まずは、朝、村の中心地にあるスーパーで豚バラブロックを買ってきた。1本150円だった。皮付きだったので皮を剥いだ。
一口大に切った。
フライパンで表面を焼いた。
下茹でした。ショウガと青ネギは手に入らなかったので、水のみ。
豚の匂いが気になったので、茹でこぼすことにした。
味付けは醤油と砂糖のみ。
みりんや日本酒は首都のパナマシティーにあるアジア食材店には売っているが、残念ながら僕は持っていない。
味付けしたのが午前11時だったので、ホストファミリーのママはお昼ご飯に食べられると期待していたが、味を浸み込ませるために一度冷ましたかったので、夕飯までおあずけした。
日が沈む頃、ようやく完成した。
インディカ米の上に寝そべる豚の角煮様。
パナマで作った豚の角煮の味
一日かけて作った4カ月ぶりに食べる豚の角煮は、とても美味しかった。
豚肉の甘さと砂糖と醤油の風味が合わさり、目をつぶると日本の居酒屋にいるような気がした。
伊那市にある沖縄料理屋カフーのラフテー(豚の角煮)とオリオンビールが頭に浮かんできた。
パナマ人の感想
ホストファミリーにも普段通りの夕飯と一緒に、豚の角煮を一切れずつ配った。
しかし残念ながら、反応はイマイチだった。
初めての豚の角煮に喜んでいて「美味しい」とは言ってくれるが、やはり食べ慣れない味に困惑しているようだ。あぁ~悔しい。
僕も食べ慣れないパナマ料理やインドネシア料理の味に、「これが美味しいのか?」と困惑することがある。
しかし、たまに異国の料理なのに「なにコレ、うんま!」と口にピッタリ合う料理も存在する。
僕はそんな日本料理を見つけたい。
調理師隊員として「日本料理だけどパナマ人も気に入る料理」を調査しよう。