JICA主催の協力隊活動報告会
青年海外協力隊員は、2年間で2回活動報告をしなければいけない。
そう、青年海外協力隊が活動報告をするのは、実はたった2回だけなのだ。
ここは居心地がいい、ぬるま湯。
最初は赴任から一年後の「中間報告」で、次は赴任から二年後の「最終報告」である。
最終報告の数日後には、日本に帰国することになる。
パナマは各隊次ごとに、年に4回の協力隊報告会を開催している。
協力隊という表現を使っているのは、青年海外協力隊だけでなくシニア海外協力隊も同じように報告会に参加するからだ。
国によって報告会のやり方はだいぶ違うのだけど、基本的には「任地の言語」で発表を行う。
パナマはスペイン語圏なので、スペイン語で発表を行わなければならない。
日常会話なら問題ないのだが、スペイン語で発表というとけっこうハードルが高い。
しかも、報告会には自分の配属先の上司やJICAの所長、パナマの省庁のお偉いさんが出席するので、プレッシャーもある。
先週の6月20日に活動報告会が開催され、ぼくも中間報告のプレゼンターとして出席してきた。
発表とプレゼンテーション
ぼくは発表とプレゼンテーションとは別のものだと考えている。
中間報告としてぼくがしたのは発表ではなく、プレゼンテーションだ。
青年海外協力隊に参加する前の大学院生時代は毎月、研究室のゼミとしてプレゼンテーションを行っていた。
研究室では京大卒の助教の先生から「京大メソッド」と呼ばれるプレゼンテーション手法を叩き込まれ、ただの発表ではなくプレゼンテーションを行っていた。
その先生から「発表とプレゼンテーションの違い」をたった一言で教えてもらった。
「プレゼンテーションには、ストーリーとメッセージがある」
逆にストーリーとメッセージがないものは、ただの発表だ。
そこで、ぼくは15分間でストーリーとメッセージを伝えることにした。
プレゼンテーションに使ったスライド
ぼくが行ったのは、たった15分間のプレゼンテーション。
たった15分のために、ぼくは35枚のスライドを使った。
ストーリーを表現するためには、どうしても多めのスライド枚数が必要になる。
ただし、文字はほとんどないので時間はオーバーしない。
タイトルを日本語に訳すと「なぜ野菜の消費が向上しているのか?」。
これがメインメッセージだった。
スライドにはビジュアルシンキングを参考にして、シンプルな図を多く取り入れた。
最近、ビジュアルシンキングとグラフィックデザインが気になって夜も眠れない。|JIBURi.com
理系っぽいと思われてしまうかもしれないが、説得力があるプレゼンを行うためには絶対に数字が必要だし、プレゼンのような短い時間で数字を理解してもらうためには、グラフにして視覚に訴えるべきだ。
右脳に働きかけイメージから活動を理解してもらうために、写真も使った。
しかし、無駄な写真は一切使わずに伝えたいことを伝えるだけの必要最低限なものだけ。
プレゼンテーションの様子
ぼくの発表順番は「6人中3番目」という難しい位置だった。
プレゼンするなら、最初の人が一番楽で、次に楽なのは最後の人だ。
同期隊員がプレゼン中の写真を撮ってくれていた。
今回は日本人より集中力がないパナマ人向けにプレゼン中に質問タイムを2回作って、プレゼンへの集中を途切れさせないように工夫した。
参加者に「あなたは野菜を週に何回食べていますか?」と聞いて回った。
ちなみに付けているネクタイは、世界に一つだけの「信州伊那谷手ぬぐいネクタイ」である。
時折、スライドを指さしながら説明する。
この時は、スライドの進行を同期隊員に任せていた。
発表中にフラフラ動いてしまったのと、手の位置が定まらなかったのが今回のプレゼンの反省点。
まだまだ人前で堂々と話すためには練習と経験が足りない。
中間報告の感想
実は中間報告の直前まで、全く別のプレゼンテーションを行う予定だった。
しかし、中間報告の数日前に先輩隊員とプロジェクトのコーディネーターにデモを行ったところ、とても評判が悪かったので急遽内容を大幅に変更した。
そのため練習不足だったが、なんとか大学院時代の助教の先生からギリギリ合格点がもらえる発表ができたと思う。
ぼくがプレゼンで伝えたかったメッセージが伝わったかは、今後活動をしていればわかると思う。
今週は、一年目の活動のまとめと二年目の活動計画を立てるつもりだ。
海外でプレゼンテーションをすることについても少し意見をまとめようと思う。