日本のODA(政府開発援助)を行う組織といえば、独立行政法人国際開発機構JICAである。
世界中の発展途上国で、JICAは日本を代表してODAを実施してきた。
パナマ共和国もその例外ではなく、JICAはパナマ国内において下水処理場やマグロの養殖技術、そして魚介類市場の鮮魚冷蔵技術を支援してきた。
そこで今回は、JICAが支援して完成したパナマシティの水産市場を、日本の皆さんに紹介する。
パナマの水産市場の基本情報
パナマシティの水産市場が完成したのは1995年、今からおよそ20年も前である。
JICAの無償資金協力プロジェクト
パナマシティの水産市場は、JICAパナマとパナマ市の協力による「パナマ市水産市場(水産物流基盤整備計画)(水産無償資金協力)」として計画、実行された。
実施期間は1993年から1995年で、費用はおよそ8億円。
(1)事業の背景
パナマ国では、国民の魚食嗜好は高いものの、水産物流通基盤の未整備により、水産物の消費は限られた範囲に留まっていた。
当該施設の整備は、漁業生産物の流通を改善し、沿岸漁業を振興する上で喫緊の課題となっていたため、パナマ国政府は、老朽化し、かつ衛生的に問題のあった旧水産市場を移転・新設するため、わが国に対して協力を要請してきた。
(3)現況等
パナマ市内における水産物の流通基盤として、一般消費者への小売も兼ねる商業施設となっている。
市場本棟、卸売のみの別棟及び水揚げ用の桟橋の3つの施設からなっており、1995年2月のオープン以来、同施設は、パナマ市の消費者を中心に高い利用頻度を保っている。
引用元:パナマ共和国における調査|参議院
魚市場の立地
魚市場は、パナマの首都パナマシティの新市街と旧市街の間に位置している。
パナマシティの交通の中心地アルブルック・バスターミナルからは、メトロバスかメトロ(地下鉄)に乗り、「シンコ・デ・マジョ」という駅で降りよう。
そこから、海に向かって歩いて5分ほどで水産市場に到着する。
参照:中米初のメトロ電車!パナマシティの地下鉄で鉄オタ(撮り鉄・乗り鉄)海外デビュー
タクシーを使う場合には、運転手に「メルカド・デ・マリスコス(水産市場)」と伝えればわかってもらえる。
水産市場はパナマシティの観光スポットであるカスコ・ビエホからも近く、海岸沿いの道を歩いて10分くらいで到着できる。
参照:パナマシティ旅行者へ!世界遺産カスコ・ビエホ(カスコ・アンティグオ)の観光情報
パナマ湾の漁港
魚介類市場の目の前には、パナマ湾に面した大きな漁港がある。
漁港に水揚げされた新鮮な魚介類が、すぐ隣にある水産市場で販売されているのだ。
漁港には漁船もいっぱい。
漁港のすぐ隣にある大きな建物が、水産市場である。
パナマシティの魚介類市場
ここからは、パナマシティの魚介類市場の写真を紹介していこう。
水産市場は市場としての機能だけでなく、旅行者向けの観光スポットになっていて、ぼくが取材に行った日も観光客がたくさんいた。
魚市場の入り口
魚市場の入り口には、日本の国旗とJICAプロジェクトの簡単な説明が書いてある。
ちなみにパナマ国内で日本の国旗を目にすることは、ほぼない。
外壁には、「JAPON(日本)」の文字もあった。
市場内にある魚介類販売店
市場内には、たくさんの魚介類販売店が並んでいる。
外国人の観光客も多いし、パナマ人の一般客もいた。
市場内は、水産市場特有の匂いがする。
売られている豊富な魚介類
魚屋さんには、パナマ湾で採れたばかりの新鮮な魚が並んでいた。
パナマでは基本、肉も魚も野菜も「量り売り」である。
大きな魚は切り身になって売られていた。
美味しそうなタコ!
寿司屋で5年間アルバイトをしていたぼくでも、名前がわからない貝類もたくさんあった。
でたー!巨大ロブスター様!
小さな伊勢海老さんは「尾だけの状態」で売られていた。
魚市場で魚介類を買って調理したかったが、パナマシティには自分で調理できる場所がないので諦めた。
普通のパナマシティ旅行者も、魚介類を買って調理はできないだろう…….。
そこで、市場内を見学した次は、市場外のレストランに行こう!
市場外の魚介類料理レストラン街
市場内にもレストランはあるが、市場の外にも魚介類料理を出すレストランがたくさんある。
おそらく70軒以上はあると思う。
ちょうど日本の築地の場外市場みたいな構造だ。
パナマ人や観光客もこのレストラン街で食事を楽しんでいた。
市場を取り囲むように、レストラン街が広がっているので、美味しそうなお店を探そう。
パナマシティの魚介類料理
例えば、こんな魚介類料理が食べられる。
ペルー料理のセビーチェ(魚介類のマリネ)。
これは300円くらい。
タコ料理。
800円くらい。
JICA援助のパナマ水産市場まとめ
JICAの無償資金援助で建てられたパナマシティの水産市場は、完成から20年経った今でも観光スポットとして人気だった。
日本国旗も掲げられていて、誇らしい。
そして、新鮮な魚介類が購入でき、新鮮な魚介料理も食べられて、海産物が好きな日本人には嬉しいスポットだ。
パナマシティを観光する際には、ぜひ訪れて欲しい場所である。
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