CSR-BOPウォッチ
CSR-BOPウォッチとは
CSR-BOPウォッチとは、東京国際大学の岡田仁孝教授が主催する「企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility)と途上国の貧困層向けビジネス(Base of the Economic Pyramid)」の研究会である。
岡田仁孝教授は以前は上智大学で研究室を持っており、最初は「CSRウォッチ」と言う名前で勉強会を始め、なんと2003年から現在(2014年10月)まで開催している。
2003年といえば、ぼくはまだ15歳の中学3年生だった。
その頃から、企業の社会的な責任を考えるCSRウォッチを開催しているなんてすごい!
岡田仁孝教授
CSR-BOPウォッチを開催しているのは、東京国際大学の岡田仁孝教授。
専門は経済社会学だそうだ。
研究は「起業家のリスク認識と制度」と「途上国の貧困削減のためのビジネスモデル」。
以前は、上智大学で研究を行っていた。
過去のCSRウォッチの様子
「CSRウォッチ」でググってみると、過去のCSRウォッチの様子を発見できた。
2007年1月のCSRウォッチ:NIKE
2007年1月に参加した方の感想が以下のリンク↓
CSR ウォッチに行ってみる | じょん・どー PhDをMSUで!? の道のり – 楽天ブログ
この時は、世界的スポーツブランドであるNIKEのアジア・太平洋地域のCSR担当責任者が、C企業の社会的責任について話をしたらしい。
半分が企業関係者、半分がNGO関係者や研究者、って感じでなかなか面白い構成。
PR系は僕しかいなかったけど、広告の方がいらしているようでした。
2012年6月のCSRウォッチ:マイクロファイナンス
2012年6月の第70回CSRウォッチに参加した、貧困問題の解決を目指すアドボカシー(政策提言)型の国際市民グループ「日本リザルツ」様のブログにも、CSRウォッチの様子が載っていたので紹介させて頂く。
第70回CSRウォッチの会合「BOPビジネスとしてのマイクロファイナンス」に出席させていただきました。: 日本リザルツ公式ブログ
DWMアセット・マネジメント社日本代表の雨宮寛様、上智大学の岡田仁孝教授をはじめ、バングラビジネスパートナーズ・ジャパン、株式会社アイデアシップ、株式会社エヌ・ウェーブ、中小企業診断士など、28名の方々が参加されました。
2013年10月:青年海外協力隊・市場調査団
2013年10月のCSRウォッチで開催された「青年海外協力隊・市場調査団の帰国後報告会」に参加された方のブログも見つけた。
青年海外協力隊・フィールド調査団が、まだ「市場調査団」を名乗っていた頃の活動である。
この時は、ぼくはまだ市場調査団の存在も知らなかった。
協力隊市場調査団の報告会に行って来た – バングラデシュで働く社長のブログ
最後に僕は協力隊のデータというのは、量としては少ない、しかし信頼はおける。
そこをうまく伝えていくのはストーリーなので、それを伝えるのは、動画が良いと思うとコメントして一緒に参加した人から褒められたので嬉しかったです。
第79回CSR-BOPウォッチ:フィールド調査団
CSR-BOPウォッチのテーマ
2014年10月の第79回CSR-BOPウォッチのテーマは、「青年海外協力隊フィールド調査団、
CSR-BOPウォッチの発表者
そして、今回の発表者は以下の三名。
1.宮﨑大輔
青年海外協力隊・平成25年度1次隊・野菜栽培
活動地:パナマ共和国ベラグアス県カニャーサス郡
2.近藤さやか
青年海外協力隊・平成25年度1次隊・栄養士
活動地:ケニア共和国シアヤ県
3.小辻洋介
IFC(世界銀行民間セクター部門)ケニア事務所・インベストメント・オフィサー
青年海外協力隊・フィールド調査団代表
小辻さんと言えば、東洋経済オンラインのこの連載が有名!
僕がアフリカでの商売にハマる理由 | アフリカビジネスの最前線を走る アフリカでどぶ板営業 | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト
ちなみに講師略歴として、ぼくのことはこう説明されていた。
[講師略歴]
宮﨑大輔
H25年度1 次隊(2013年6月~2015年6月) 野菜栽培 長野県出身。
信州大学大学院農学研究科の修士課程を修了後、新卒で青年海外協力隊に参加。
院生時代は夏でも収穫できるイチゴの品種改良を行い、特産品化を目指す農家に栽培指導をしつつ、実家の宮﨑農園産リンゴを使った「手ぬぐいリンゴジュース」をプロデュースし、六本木ヒルズ等で販売した。
現在は中米パナマ共和国で、電気も水道もない村に暮らす子供の栄養状態を改善するために、農民たちに野菜の育て方、食べ方、売り方を教えている。
実は後日、信州伊那谷ネタをきっかけにして、CSR-BOPウォッチに参加していた伊那谷好きの方と知り合うことが出来た。
プロフィールに「信州伊那谷ネタ」を盛り込んでおいて良かった!
参照:僕がそれでも信州伊那谷に住み続ける3つの理由を、地球の裏側から語ります!|JIBURi.com
映像無しのスカイプ音声で発表
今回の会議には、映像無しのスカイプ音声のみで参加した。
映像無しなのは、不安定な途上国のネット回線に負担をかけないためだ。
ぼくはパナマ共和国から、近藤さんはケニアから、小辻さんはアフリカのどこかの国から、会場の日本の東京国際大学を繋いでグループでスカイプを行った。
「映像無し」にしたがそれでもケニアに暮らす近藤さんの回線は悪く、音声が聞き取りづらい様子で苦労していた。
パナマのぼくは問題がなかった。
実はぼくの住んでいる村では、かなりの頻度で停電が起きネットが使えなくなるので、万が一のことを考え、前日から近くの町に住む先輩の協力隊員の家に泊まっていた。
それも功を奏してか、快適にスカイプを行うことが出来た。
途上国の貧困層ビジネスをしたい日本企業が参加
主な参加者は、途上国の貧困層ビジネスに関心を持つ日本企業だ。
具体的な企業名は公表して良いのかわからないから書かないが、企業に疎いぼくでも知っている企業が多かった。
他にも、経済産業省やJICAのからも職員が参加していたらしい。
CSR-BOPウォッチでのフィールド調査団の発表
東京国際大学で開催された79回CSR-BOPウォッチで、青年海外協力隊・フィールド調査団がどのような発表をしたのかを報告しよう。
スライドを見せながら、音声で発表
まずは青年海外協力隊・フィールド調査団の代表である小辻さんから、フィールド調査団の目的や状況の説明があった。
次にぼくがおよそ20分間のプレゼンを行い、次に近藤隊員が同様に報告を行い、最期に会場にいる参加者の皆さんから30分程度の質疑応答を受けた。
発表方法は、会場のスクリーンに「隊員が作成した報告スライド」を表示してもらいながら、隊員が報告を読み上げた。
宮﨑大輔が発表したこと
ぼくがフィールド調査団として発表したことは、フィールド調査団の最終報告そのままだ。
フィールド調査団の公式サイトに行けば、各隊員の報告書がダウンロード出来るので見たい人はぜひダウンロードしてもらいたい。
ぼくの最終報告書も掲載されている。
青年海外協力隊・フィールド調査団 | 本サイトは協力隊員有志によって運営されているものであり、JICAの公式見解を示すものではありません。
今回の発表のために数日前から発表原稿を用意し、何回か練習していたので無難に発表を終えることが出来たと思う。
しかし、最終報告書を作成したのが2014年6月30日で、今回の発表までおよそ三ヶ月間の時間があった。
そのため、フィールド調査団の活動にも進展があったが、最終報告として作成している以上、今回はプレゼンを作り直さずに発表することにした。
代わりに最後のまとめの部分で、三ヶ月間の進展状況を口頭で説明した。
近藤さんの発表
近藤さんは、今回の発表用にスライドを作り直したようだった。
映像無しのスカイプだったので、近藤さんの発表は音声だけだった。
しかし、途中で「日本のアニメ、おでんくんがケニアでも…」というまさかの言葉を聞き、その後もおでんくんに関する調査が続いたので、ぼくは完全に聞き入っていた。
ま、まさかおでんくんがケニアデビューするなんて!!
近藤さんの発表資料を超見たくなった!
会場の参加者との質疑応答
その後、会場に集まったCSR-BOPウォッチの参加者の皆さんからの、質問や意見、アドバイスに受け答えした。
「現金収入がない村人はどうやって暮らしているのか?」
「集落の携帯電話の普及率は?」
「野菜販売のチャネルは?流通コストを抑えるために量を増やせばいいのでは?」
「日本大使館の草の根無償資金制度を利用したらどうか?」
といった質問を受け、それに答えていった。
たぶん、可もなく不可もない無難な受け答えが出来ていたと思う。
そして質問だけでなく、参加者の方からは「フィールド調査団とBOPビジネスへの関係」に対する意見が飛び出した。
「青年海外協力隊の活動と日本企業が欲しい情報には、『溝』がある」
途上国で活動する青年海外協力隊・フィールド調査団の活動や持っている情報と、途上国の貧困層に対してビジネスを行いたい日本企業が欲しがっている情報には、ズレ・開きがあるという意見だった。
それに対して、小辻さんが返事をしてさらに他の参加者からも意見があり、フィールド調査団の目的に関する議論が起きた。
それぞれの立場と思惑が交錯していたが、フィールド調査団の方向性を考え直すために意義がある議論だったと思う。
フィールド調査団は、全員に好かれることは無理だ。
全員から好かれようと思ったら、誰からも好かれなくなってしまうだろう。
一部の企業からは嫌われる覚悟を持って、方針を決めないといけない。
フィールド調査団に関するぼくの意見は以下のエントリーに詰まっているので、ぜひ一度読んでもらいたい!!
参照:途上国の問題をビジネス思考で解決!青年海外協力隊のすべての職種にフィールド調査団を勧める7つの理由|JIBURi.com
CSR-BOPウォッチ発表後
CSR-BOPウォッチ発表後に、参加者の方からメールやfacebookのメッセージでやり取りをさせて頂いた。
発表に対して意見を頂いたり、フィールド調査団の活動に関しても話は及んだ。
フィールド調査団は、JICAからも注目されているらしい。
JICA自体もBOPビジネスと、日本企業とのBOPでのコラボに関心を持っているし、フィールド調査団の活動は気になるだろう。
そして、今後はフィールド調査団に対して、どのように対応するのだろうか…。
果たして自由にさせるのか、懐柔するのか、束縛するのか。
まとめ
第79回CSR-BOPウォッチに、フィールド調査団としてスカイプで参加し最終報告を発表した。
フィールド調査団とBOPビジネスに関する意見が多く出たので、フィールド調査団の方向性を考える機会になったと思う。
BOPビジネスに興味を持つ企業の存在を肌で感じることができ(スカイプ越しだが)、自分でももっとBOPビジネスを調べて、考えてみようと思った。
岡田教授、小辻さん、参加者の皆さん、近藤さん、ありがとうございました!!