2015年11月にベネズエラでの仕事が終わってから、コロンビア第二の都市メデジン市へ旅行に行ってきた。
みなさんはコロンビアに対してどんなイメージを持っているだろうか?
コロンビアといえば「サッカーが強い、美女が多い、コーヒーが美味しい」などの良い印象の反面、「麻薬組織がある、ギャングがいて治安が悪い、観光客が行く国ではない」といった悪い印象も持っているのではないだろうか。
実際、旅のガイドブック「地球の歩き方」にもコロンビアの情報はとても少なく、メデジンについては一言も書かれていない(笑)
インターネットでメデジンについて検索すると麻薬組織の犯罪情報ばかり出てきたので、ぼくもメデジンへ行くまではコロンビアに対して良い印象は持っていなかった。
だって麻薬とかギャングとか、怖くないですか?
しかし、実際にメデジンへ行きメデジンに暮らすコロンビア人やメデジンに住む日本人と交流したことで、その印象は完全に変わった。
メデジンの街は美しく、人は親切で、美人メイドが働くメイドカフェもあり、日本に興味を持っているコロンビア人コミュニティがあり、彼らと交流できる宿まであったからだ。
断言しよう。
麻薬の町だったコロンビアのメデジンに行けば、今なら合法的にハッピーになれる!
ちなみに、宮崎大輔の住みたい町ランキングでメデジンは世界第二位(一位はチリのサンティアゴ)。
そこで今回は、地球の歩き方にも載っていない穴場コロンビア・メデジンの魅力を紹介しよう。
コロンビアの第二の都市メデジンは麻薬組織に支配された町だった
実際に20年前のメデジンは、麻薬組織に支配された町だったそう……
お話を聞かせてくれたのは、コロンビアに20年以上お住いの金子浩さん。
金子さんはJICAの青年海外協力隊OBで、現在はメデジンの企業に勤めながらNPO活動もされている。
当時は麻薬組織が活発に活動しており、誘拐や殺人事件が後を絶たなかったという。
しかし、実は麻薬組織は日本のヤクザのような存在で、裏では治安を維持する機能も果たしていた。
巨大な麻薬組織のリーダーが殺害されたので大きな組織はなくなったが、今でも小さな麻薬組織は複数活動しているそうだ。
ひと昔前は、麻薬の密輸を2回行えば一生遊んで暮らせるお金(数千万円)が稼げたので麻薬の密輸に手を染める一般人が多く、金子さんの知人には密輸作業中に捕まりアメリカの刑務所に収監されている人がいるそう……
刑務所暮らしとか、ガチでヤバくないですか(´・ω・`)
全然、ハッピーになれませんね……
01. メデジンが「世界で最も革新的な都市」に選ばれた
しかし、そんな危険だったメデジンも麻薬組織の解体後には、一気に急成長する。
そして、2013年にはアメリカのウォールストリート・ジャーナルとシティグループが実施した最も革新的な都市コンテストで、見事メデジンが「世界で最も革新的な都市」に選ばれた。
なんと、アメリカのお洒落な都市ニューヨークを抑えての受賞!
メデジンが選ばれた理由は、スラム街に設置したケーブルカーや市立図書館などの公共整備に力を入れているから。
(1)貧困層向けのケーブルカーと国立図書館
メデジン市はすり鉢状の地形をしていて、標高が低い場所には高級住宅街と市街地が多く、標高が高い場所には主に貧困層が住むスラム街が広がっている。
そこでメデジン市はスペインからの支援を受けて、貧困層向けに図書館Biblioteca España(スペインの図書館という意味)を建設し、住民の移動手段としてケーブルカーを設置した。
そのおかげで市民の生活は改善し、今では市立図書館とケーブルカーは観光名所にもなってる。
(2)代官山のようなオシャレスポットでコーヒー
メデジンの魅力は、国立図書館とケーブルカーだけではない。
メデジンには東京の代官山のようなオシャレスポットがあるのだ!
ジェラス公園を中心に繁華街が広がっており、外国人に人気があるお洒落なお店が集まる通りが何本もある。
この通りには洗練されたデザインのカフェが連なり、コロンビアに新しいコーヒーカルチャーを生み出している。
その中心になっているカフェが、ペルガミーノ・カフェ(Pergamino Cafe)。
自家農園で栽培したこだわりのコーヒー豆を使用し、超オシャレなコーヒーを煎れてくれます。
店内の内装はとても洗練されており、スタバをもっとオシャレにした雰囲気のお店なので、東京にあっても全然不思議ではない。
地元のコロンビア人や観光客の憩いの場になっている。
(3)メデジン近郊にある巨石とカラフルな町
メデジン近郊には、旅行者に人気の観光スポットもある。
それがこの巨石。
これは、メデジン市からバスで一時間ほどの場所にある「ラ・ピエドラ・デル・ペニョール」という巨石!
ヤバくない? デカ過ぎ。
この巨大な石の割れ目には700段以上の階段があり、頂上の展望台まで歩いて登ることができる。
もちろん頂上まで登ってきた。
頂上まで階段を登るには30分ほどかかるが、頂上からの景色はまさに絶景!
ラ・ピエドラ・デル・ペニョールからトゥクトゥクに乗り換え10分ほどで、「グアタペ」という町に着く。
この街は町全体がカラフルな装飾で飾られていて、まるでおとぎ話の世界に迷い込んだような気分になれる。
世界で最も革新的な都市に選ばれたメデジン近郊には、意外と観光名所があるのだ。
どう? ハッピーでしょ?
参考:コロンビア・メデジンの登れる巨石ラ・ピエドラ・デル・ペニョールの行き方と絶景写真
参考:超カラフルな観光地!コロンビアのメデジンからグアタペまでのバスでの行き方と写真
02. メデジンには日本文化が広まっている
メデジンの魅力は、観光名所だけではない。
なんと、メデジンには日本が好きなコロンビア人が多い!
(1)可愛いメイドさんがおまじないをかけてくれるメイドカフェ
例えば、メデジンには日本式のメイドカフェがあります。
その名も、HAIKU MAID CAFE。
毎週日曜日の午後のみの営業で、それ以外の時間はアニメグッズショップとして営業している。
経営者はゴリマッチョなコロンビア男性で、イラストレーターとして活躍中。
そして、肝心のメイドさんはというと…….
え、マジで?
「君たちは、天使か!」とツッコみたくなるほどにかわいい美女たちだった(*´▽`*)
お店のルールで彼女たちに本名を聞いたり、連絡先を聞いたりしてはいけないことになっているが、後日メイドさんの方からFacebookで友達申請が来た私は勝ち組。
メイドカフェには日本アニメオタクやゲーマーがたむろっていて、「日本好きコロンビア人のコミュニティスペース」としても機能していた。
海外のメイドカフェを5軒取材したことがある「海外メイドカフェ評論家」の私から見ても、メデジンのメイドカフェの評価は三ツ星。
メイドカフェに行くと完全にハッピーになれる、しかも合法。
このメイドカフェについて詳しく知りたい人は、こちらの過去記事を読んで欲しい。
参考:【コロンビア美女】世界一美人が多い町コロンビアのメデジンにあるメイドカフェは萌え死に注意
(2)日本好きコロンビア人が集まる日本語クラブ
メデジンの日本好きコロンビア人コミュニティは、メイドカフェだけではない。
メデジンには日本語を学べる大学がいくつかあり、たくさんのコロンビア人が日本語を勉強している。
そのひとつEAFIT大学・日本語コースの講師は青年海外協力隊OGの羽田野香里さんで、休日にはボランティアとして日本(東京大学)の援助で建てられたParque Biblioteca Belen(ベレン図書館公園)で「メデジン日本語クラブ」を運営している。
活動の詳細は香里さんのブログを読んで欲しい→ メデジン日本語クラブへようこそ!
東京大学の支援で建てられた図書館があるなんて、意外と日本と縁があるんですね~。
日本語クラブではクリスマスに演劇を公演予定だったので、練習を見学させて頂いた。
劇はスペイン語と日本語を両方使っており、彼ら自身でオリジナルストーリーを考え、大道具も自分たちで作っている。
この劇は「サンタ・プロジェクト」といい、2009年から始まり今回で7回目。
サンタ・プロジェクトは日本語クラブからメデジンの子ども達へのクリスマス・プレゼントとして行われるイベントで、毎年児童養護施設の子ども達を招待したり貧困地域の文化センターでの公演を行い、「日本」という異文化に触れる機会を提供している。
今年のクリスマス公演も大成功で、地元のテレビ局から取材を受けていた。
さて、メデジンには日本好きコロンビア人が住んでいるのはわかったが、彼らと交流するにはどうしたらいいのか?
03. コロンビア人と交流できる日本人宿Casa Shuhari Medellin
日本好きコロンビア人コミュニティと、日本人旅行者を繋げてくれる場所があります。
それが、メデジン唯一の日本人宿Shuhari(シュハリ)。
ShuhariのFacebookページ→ Casa Shuhari Medellin (”常春”メデジンのシェアハウス)
日本人宿Shuhariのオーナーは、江俣悠輔さん。
江俣さんはフィリピン英語留学、オーストラリア大学院、4か月半世界一周、ニューヨーク勤務を経て、コロンビアのメデジンでバックパッカーのためのシェアハウス「Casa Isabel Medellin」を運営後、2015年に全10室のホステル「Shuhari 」をオープンした。
メデジンに行くなら、江俣さんが運営するメデジンの旅情報満載のブログは必見! → “常春の都”メデジン情報ノート
(1)コロンビア人と日本人旅行者の交流パーティ
Shuhariでは、コロンビア人と日本人旅行者の交流を促進するために、いろんな取り組みを行っている。
私が宿泊した時には手巻き寿司パーティが開催され、日本語を学んでいるコロンビア人やメデジンを旅行中のバックパッカー、現地に住むJICAボランティアが集まっていた。
現地在住の金子さんが新鮮な魚を仕入れてくれ、それを料理が得意なバックパッカーがさばき、みんなで手巻き寿司を楽しんだ。
刺身や酢飯を準備してもコロンビア人は食べ方がわからないので、日本人旅行者が手巻き寿司の食べ方を説明し、それに従ってコロンビア人も巻いていた。
「この黒い紙(海苔)は何? えっ、食べるの?」という声も聞こえてきたが、なんとか海苔で上手に巻けていて良かった。
コロンビア人の中には生の魚を食べるのが初めての人もいたが、おそるそる手巻き寿司を口に運んでいた。
このようにシュハリでは旅人がコロンビア人に将棋を教えたり、コロンビア人が日本人旅行者を町に連れ出して観光案内をしたり、コロンビアと日本で異文化交流をしている。
ぼくは将棋勝負に負けたのが悔しいので、将棋を指しにまた行きたい!
(2)守破離に込められた想い
そういえばシュハリという言葉、あまり聞き慣れない。
では、ホステルの名前である「シュハリ」とはどのような意味なのか?
オーナーの江俣さんにShuhariというホステルの名前に込められた想いを伺った。
Shuhariとは、武道の「守破離」。
「まずはメデジンの伝統ある歴史と文化を守り、そしていい意味でその型を破り、これから新しい文化を作っていきたい」という想いから名付けたそう。
そのため建物はあえて伝統的な塗装方法でレトロな雰囲気に塗り替え、逆に内装はお洒落にして若い人に好まれる現代的なデザインへ。
ホステルを利用しないコロンビア人にも気軽に足を運んでもらうために、ホステルの中にはギャラリールームも併設している。
「メデジンは麻薬の町というレッテルを貼られているので、これから新しいメデジンの情報を発信したい。当面の目標は地球の歩き方にメデジンのページを載せてもらうこと!」と熱く語ってくれた。
だそうですよ~、地球の歩き方の編集者さん、見てますか~!?
そのために、シュハリの仲間とメデジン紹介ムービーも作成し、Youtubeで公開している。
このムービーにメデジンの魅力がぎゅっと詰まっているし、日本語ペラペラのイケメンコロンビア人も登場するので、ぜひ見てほしい!
コロンビアのメデジンまとめ
さて、コロンビアのイメージは変わっただろうか?
確かに20年前のコロンビアは、麻薬まみれのアンハッピーな国だった。
しかし、最近のメデジンは世界で最も革新的な都市に選ばれ、メイドカフェができ、日本語倶楽部が活動しており、お洒落な日本人宿だってある。
麻薬の町だったコロンビアのメデジンに行くと、今なら合法的にハッピーになれるのだ!!
アジア、中南米、アフリカを旅したぼくが移住したい町ランキングで、世界二位になるほどメデジンは気に入った町。
ぜひ、みなさんもコロンビアのメデジンへ旅行してみてほしい!
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