メタファシリテーション9ヶ月間!フィールド調査団の野菜ビジネス計画が村人主導で始動した。

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パナマの無電化集落でメタファシリテーションを9ヶ月間実践したら、村人が野菜ビジネスを始動させた。

さて、メタファシリテーションとは何だろうか?

目次

メタファシリテーションとは

メタファシリテーションという言葉を理解するためには、まずはファシリテーションという言葉を理解しなければいけない。

ファシリテーションとは

ファシリテーションとは、英語の「facilitate=促進する、容易にする」の名詞形である。

近年ではかなり一般化した用語なので、聞いたことのある方も多いに違いない。

開発援助プロジェクトの計画立案などにとどまらず、まちづくりなどのための参加型のワークショップなどの進行役がファシリテーターと呼ばれるようになり、それに連れてファシリテーションという語も広まったとされている。

そして、その技能の核心を一言で表すならば、ワークショップなどにおいて、参加者の気づきを「促す」ことにあるとされている。

引用元:途上国の人々との話し方

ファシリテーションという言葉は、どこかで耳にしたことがある人も多いだろう。

しかし、メタファシリテーションという言葉を知っている人は少ないはずだ。

メタファシリテーション

メタファシリテーションとは、一対一の事実を確認する質問によってファシリテーションを行うものである。

メタファシリテーションという言葉は、みずのわ出版の「途上国の人々との話し方 国際協力メタファシリテーションの手法」という本に初めて登場した。

青年海外協力隊には必読の本なので、必ず入手して欲しい!

 

途上国の人々との話し方

途上国の人々との話し方の著者は、和田信明さんと中田豊一さん。

お二人とも、JICA専門家やNGOソムニードのメンバーとしても活躍しており、国際協力の経験が豊富である。

ぼくは青年海外協力隊の派遣前訓練中にJICA駒ヶ根訓練所でこの本と出会い、今日までボランティア活動の参考にしてきた。

そして、メタファシリテーションについては、これまでにも何度か記事を書いている。

参考:途上国の人々との話し方を読んで、青年海外協力隊として8カ月間メタファシリテーションを試みた。|JIBURi.com

 

参加型開発のための技法

国際協力の世界では、「参加型開発の重要性」が叫ばれている。

援助側が対象者に活動を押し付けるのではなく、対象者自身が現状について考え行動を起こすことが、継続的な開発のために必須だとされている。

その主体性を引き出すために、ファシリテーション技法やメタファシリテーション技法が生まれた。

ぼくは大学院生時代にファシリテーションを知り、自分でワークショップを開催し実践していたが、参加者に気づきを与えられるほどの技能を身につけることが出来なかった。

そのため「ましてやスペイン語では、有意義なファシリテーションなど出来っこない」と諦め、代わりにメタファシリテーションを自分の活動に取り入れることに決めた。

 

青年海外協力隊・フィールド調査団

ぼくが特にメタファシリテーションを活用したのは、青年海外協力隊・フィールド調査団の活動に対してだ。

フィールド調査団とは、「ビジネス手法を国際協力活動に生かすこと」が目的の団体であり、世界10ヶ国で展開中である。
青年海外協力隊・フィールド調査団 | アフリカ、アジア、中南米などの青年海外協力隊の有志による、調査の結果や活動内容を発信していきます。

ぼくは2013年12月からフィールド調査団に入団し、これまで活動して来た。

中間報告

2013年2月には中間報告を作成した。

中間報告では、栄養改善プロジェクトに参加している集落の問題点と良い点を分析し、その問題解決策を考案した。

具体的には、数軒の家庭で行われていた野菜の袋栽培を普及させること、野菜を栽培して売ることを村人に提案することが盛り込んでいた。

フィールド調査団の中間報告

フィールド調査団の中間報告2

そして、その活動計画に沿って活動し、2014年6月に最終報告を提出した。

 

最終報告

最終報告までに袋栽培の普及には成功したが、野菜ビジネスの実行までには至らなかった。

フィールド調査団最終報告_2035

野菜ビジネスが実行まで至らなかった理由については、実はフィールド調査団の最終報告にも記載していなかったが、ある理由があった。

それは、ぼくが野菜ビジネスの計画を村人に提案しなかったからだ。

「村人に提案をしなくては、村人が行動を起こす訳がない」と思うかもしれないが、ぼくにはあるアイデアがあった。

それが、メタファシリテーションである。

今回は、ぼくが如何にしてメタファシリテーションを駆使して、野菜ビジネスの始動までこぎつけたかをまとめようと思う。

 

ぼくがメタファシリテーションを使った理由

「なぜメタファシリテーションを使おうと思ったか?」

村人に野菜ビジネスが必要だと思ったのは、野菜栽培のための野菜の種をプロジェクトに依存していたからだ。

彼らは野菜を栽培する意思があるが、種を買う現金がなくこのままではプロジェクト終了と同時に、野菜栽培も崩壊するのは目に見えていた。

そこで、売れそうな野菜を育てて販売し、その売上で野菜の種を購入すればよいのでは?と思いついた。

具体的には、以下の2点である。

1.中国人に中国野菜の販売

2.パナマ人にパナマ香草の販売

フィールド調査団の中間報告では、このまま村人に提案し、協力して実行していく予定だったが、ぼくにはある不安があった。

それは、村人がぼくに依存して、ぼくが日本に帰国してからは野菜ビジネスが上手くいかなくなるのでは?というものだ。

そのため、村人には野菜ビジネスのアイデアは伏せ、代わりに村人に事実質問を行うことで現状について考えるきっかけを与え、主体性を引き出すことにした。

かくして、ぼくのメタファシリテーション計画が始まった。

 

メタファシリテーション計画

長く厳しいメタファシリテーション

2013年12月からメタファシリテーション計画を始めた。

やったことは、ひたすら村人との会話だ。

世間話から始めてプロジェクトの問題について、農業の話など、いろんな質問をした。

野菜ビジネスのことは、グッと胸の内にしまい込んで、こちらから話をするのではなく、村人の話を聞くように心がけた。

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中国野菜の販売

2014年7月。

メタファシリテーションを意識して、ひたすら村人の話を聞いていたある日、村人のリーダーから「中国野菜の販売を始めたいから手伝ってほしい」と頼まれた。

ついに村人が行動を起こした。

中国人に人気のからし菜

ぼくは野菜のサンプルを持って、村の中心地に住む中国人に見せて回った。

ぼくは販売の交渉は行わず、ただサンプルの見せるだけ。

販売の交渉は、数日後に村人のリーダーが行った。

しかし、販売に成功したのは、7軒中わずか1軒だけだった。

 

ぼくがサンプルを見せて回った6軒にはすべて断られ、ぼくが行くのを忘れていた1軒にだけ売れたのは偶然ではないだろう。

パナマに住む華僑・中国人たちは警戒心が非常強い。

日本人であるぼくが絡んでいることに警戒し、野菜を買ってくれなかったのだと推測される。

村人のリーダーは初めての営業活動で1軒にしか売れなかったことで、がっかり肩を落としていた。

実は山奥の集落に住んでいる人は、貧しく馬鹿な人間として村の中心地にすむパナマ人から差別を受けている。

 

そのため、集落の外の人間と話をすることや商売をすることを嫌がる人が多い。

しかし、中国人は差別をしないので、商売できるのではと思っていた。

ぼくの目論見は、簡単に失敗した。

 

パン屋を始めた

リーダーは落ち込んでいたが、新しい現金収入源を見つけた。

彼はパン屋を始めた。

パンをこねる村人

 

もともとプロジェクトの一環として、パン作りを教え、パンの材料を無料で配っていた。

すると、その材料を使いパンを作り、近所の村人に販売し始めた。

山奥の集落のパン

 

野菜ビジネスは一旦やめ、パン屋に夢中になっていた。

パン屋なら近所の人に売るので、外の人間から差別を受けない。

 

パン屋の休業

パン屋は順調に規模を大きくしていった。

パナマの中小企業庁からの支援も決まり、パン講習も受けることになった。

しかし、2014年9月に問題が発生した。

プロジェクトの車が故障し、材料の小麦粉が手に入らなくなった。

故障したプロジェクトの車

すでに小麦粉代は村人が支払うようになっていたが、車も馬も持っていない村人には大量の小麦粉の運搬だけは出来ず、プロジェクトの車に依存していた。

プロジェクトの車が故障したことで、パン屋は休業した。

 

パナマ香草の販売

2014年10月。

パン屋が休業したことで、リーダーはもう一度野菜ビジネスを始めることにした。

パナマの独特の香草を村の中心地にあるパナマ人向けのレストランに売ることになった。

パナマの香草

集落で育てている香草は、葉が短く人気がない品種だがそれでも売れた。

1.中国野菜の販売

2.パナマ香草の販売

村人が始めた農業ビジネスは、両方ともぼくが考えた計画と同じだった。

村人のリーダーには、もちろん計画を全く話していない。

もちろんファシリテーションを意識している時点で、「一種の誘導」ともいえるかもしれないが、リーダーもぼくと同じアイデアを考えたところがなんだか嬉しかった。

しかし、「パン屋」というアイデアはぼくは思い浮かばなかったので、そこはさすがである。

 

メタファシリテーションについて感想

2014年2月から10月までの9ヶ月間、メタファシリテーションを実践した。

おかげで村人は村人の力で問題を考え、解決策も模索した。

おそらく村人はぼくが教えたとは考えていない。

「俺たちが考えて、俺たちが実行している!」と思っているだろうし、まさにその通りだ。

 

ファシリテーションとの違い

メタファシリテーションは、一対一での事実質問を基本としているので、スペイン語が苦手でも一対一の話ならなんとかなる。

グループで行うファシリテーションとは違い、相手の反応に100%集中できることもやり易い理由だろう。

 

メタファシリテーションの欠点

しかし、ボランティアであるぼくが率先して行動を行わなかったので、計画以上に時間がかかってしまった。

これがメタファシリテーションの欠点だろう。

青年海外協力隊の活動期間は2年間しかない。

この短期間の間でメタファシリテーションを実行するには、迅速な調査と分析と計画作成が必要になる。

しかし、その成果として村人が主体的に活動に取り組むようになる。

現にパン作りも野菜ビジネスもぼくからは何も指示を出していないが、勝手に進行している。

 

今後の活動

しばらくは村人の農業ビジネスの支援をしようと思っている。

来年の10月に終了予定だったプロジェクトが突然崩壊したので、村人のフォローをしないといけない。

ぼくが日本に帰国する前にプロジェクトが終了したことで、プロジェクト終了後の村人のフォローを出来るようになった。

プロジェクトの崩壊はピンチではあるが、チャンスでもある。

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