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イチゴ高設栽培ベンチの値段はいくら?34社のシステムのコスト比較

      2018/11/20





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「イチゴ栽培用のおすすめの高設栽培システムは何ですか?」

と聞かれることが多いので、この記事にまとめることにした。

日本にはイチゴ栽培用の高設栽培システムが、数百種類も存在している。

これは農業資材メーカーが他のメーカーと差別化を図り、次々に新しいシステムを開発した結果だ。

高設栽培システムの中には私から見て、ひどいシステムもあるし素晴らしいシステムもある。

高設栽培システムによって栽培が大きな影響を受けるし、一度システムを決定してしまうと変更することは不可能なので、システムの選択を誤ると取り返しがつかなくなる

なので、高設栽培システムを選ぶときには最大限の注意を払ってほしい。

これから高設栽培システムを選ぼうとしている人には、ぜひこの記事を参考にしてベストなシステムを選んでほしい。

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イチゴの高設栽培とは?

そもそも、イチゴの高設栽培とは何か?

もともとイチゴは土耕栽培といって、地面を耕してそこで栽培されてきた。

しかし、地面にイチゴを植えると収穫などの作業を腰を曲げて行わなければならず大変で、土によって性質が違うし病気にもかかりやすいという問題があった。

それらの問題を解決する方法として、人間の胸の高さに栽培容器を設置して、土の代わりに人工的な培地を使用する高設栽培が開発された。

こちらの記事でも説明しています。

→ イチゴ農園のタイプ別におすすめの栽培方法を紹介する

 

 

苺の高設システムのメリット

高設栽培のメリットは、以下の通り。

・イチゴの株が胸の高さにあるので、立ったまま作業ができて楽

・土の代わりに培地を使うので、土質の影響を受けないので、どこでも同じ栽培ができる

・土の代わりに培地を使うので、土が原因の病気にかかりにくい

・固形肥料の代わりに液体の肥料を使うことが多いので、イチゴに最適なタイミングで肥料を与えられる

・栽培方法が統一できるので、マニュアル化がしやすく新規就農者に向いている

・栽培方法が統一できるので、大規模化に向いている

・イチゴを土から離して栽培できるので、清潔感がある

・イチゴの収穫が楽なので、いちご狩りに向いている

 

苺の高設システムのデメリット

しかし、イチゴの高設栽培にもデメリットがある。

・地面で育てる土耕栽培とは栽培方法が違うので、土耕栽培の経験が使えない

・高設栽培の施工費が高いので、土耕栽培よりも導入コストがかかる

・土耕栽培と違い有機質の肥料を土に混ぜることが少ないので、地面からの二酸化炭素の供給がなく、二酸化炭素を人工的に補わないと糖度が上がりにくい

・高設栽培は広い通路が必要なので、農地面積あたりの収穫量が土耕栽培よりも劣る場合がある

 

高設栽培にはデメリットもあるがメリットも大きいので、日本のイチゴ栽培では高設栽培の割合が年々高まっていて、現在では40%以上が高設栽培だと予想されている。

 

いちご栽培の高設ベンチ費用の1,000㎡の平均価格

いちご栽培用の高設ベンチを作っているメーカー34社の価格を比較してみた。

値段は1,000㎡あたりの施工費で比べている。

施工費には高設ベンチの材料代と工賃も含まれている場合が多いが、値段は条件により大きく変わるので、あくまでも参考程度にしてもらいたい。

使用したデータは最後に紹介する本やネットを使って調べた。

34社の施工費の平均は1,000㎡で370万円。

いちご農家の新規就農の場合、20アール(2,000㎡)程度の規模から始めることが多い。

なので、実際に必要なベンチの施工費の平均額は2倍の740万円

もちろん、この費用にはハウスの建設費は含まれていない。

 

10アール(1,000㎡)の施工費の比較34社

養液栽培の新マニュアル、イチゴの高設栽培という二冊の本を参考にして、34社の施工費を比較してみた。

・ゆりかごシステム:300万円

・のびのびシステム:300万円

・循環式ロックウール栽培:300万円

・らくちんシステム:450万円

・カネコココファーム:510万円

・トライアンベリー:480万円

・とこはるシステム:400万円

・少量土壌培地耕:220万円

・はればれプラント:292万円

・栃木県方式:267万円

・岐阜方式:463万円

・OPオーロラシステム:1,500万円

・OPとこはるシステム:470万円

・苺棚式栽培システム:332万円

・徳島農研方式:290万円

・ダイゾー式:600万円

・ネオサンアップ:360万円

・宮城式:378万円

・新潟式:150万円

・立体式高設2段:450万円

・兵庫方式:262万円

・広島県方式:160万円

・イシグロ方式:350万円

・Berry Good system:300万円

・福岡県方式:165万円

・長崎型ベンチ栽培:450万円

・ピートベンチ栽培:150万円

・熊本県方式:370万円

・ベリー・ザ・キット:350万円

・らくラックシステム:270万円

・大分県方式Y型:195万円

・佐賀Ⅰ型:410万円

・ストロンベンチ:400万円

・ジャット式:240万円

 

それぞれの高設ベンチを値段が安いものから並べ替えると、下のようなグラフになる。

 

 

施工費が300万円より安いメーカー

各県の農業試験場が開発した高設システムは、値段が安い傾向にある。

・新潟式

・ピートベンチ栽培

・広島県方式

・福岡県方式

・大分県方式Y型

・少量土壌培地耕

・ジャット式

・兵庫方式

・栃木県方式

・らくラックシステム

・徳島農研方式

・はればれプラント

 

施工費が300万円以上500万円以下のメーカー

農業資材メーカーが開発した高設システムは、値段が高い傾向にある。

・ゆりかごシステム

・のびのびシステム

・循環式ロックウール栽培

・Berry Good system

・苺棚式栽培システム

・イシグロ方式

・ベリー・ザ・キット

・ネオサンアップ

・熊本県方式

・宮城式

・とこはるシステム

・ストロンベンチ

・佐賀Ⅰ型

・らくちんシステム

・立体式高設2段

・長崎型ベンチ栽培

・岐阜方式

・OPとこはるシステム

・トライアンベリー

 

500万円より高いメーカー

1,000㎡の施工費が500万円を超えるメーカーもあり、一般的な新規就農の面積である2,000㎡で考えると、高設ベンチの施工費だけで1,000万円を超える。

・カネコココファーム

・ダイゾー式

・OPオーロラシステム

 

追記

イチゴの基礎知識という本にも記載があったので、一部引用します。

・らくラック:250万円

・杉バーク高設栽培:200万円

・NK毛管水耕:350万円

・らくらくベンチ:370万円

 

 

高設栽培システムのポイント

ここからは高設栽培システムを選ぶときのポイントを紹介しよう。

1.栽培槽の素材

まずは栽培槽の素材が何か?

素材によって保温性や通気性、排水性が変わってくる。

・プラスチック製のプランターか、発泡スチロール製の箱か、ビニール製のシートか、ビニール製の袋か

 

2.栽培槽の形状

栽培槽の形状も重要。

栽培槽が繋がっているか場合にはコストが安く、培地加温のための温湯パイプが通しやすいが、数株ごとに分かれている方が水や培地で媒介する病気の感染を防ぐことができる。

・一列が繋がっているか、それとも数株ごとに分かれているか

 

3.廃液の回収方法

養液栽培の廃液の扱いも、とても重要だ。

この失敗により栽培がうまくいかないケースが多いので、慎重に検討してほしい。

当たり前だけど、メーカーがいう営業トークをそのまま信用してはいけない。

・廃液を廃棄するか、再利用するか

・廃液を回収するか、そのままベンチの下に落とすか

・廃棄を回収する場合は、ベンチの内部を通すのか、それともベンチの外部を通すのか

 

4.一株あたりの培地量

イチゴ一株あたりの培地量にも注目しよう。

・一株あたりの培地量は何リットルか?

高設栽培の培地量の平均は、一株あたり2リットル。

メーカーによって培地の量が異なり、最小は1リットル、最大は5リットルまで範囲が広い。

「培地の量が少ないとダメ、多ければいい」という訳ではない。

 

5.培地の種類

高設栽培では培地の種類もいちごの生育に影響する。

培地についても調べよう。

・ロックウールか、有機質の培地か

・一種類だけか混合培地か

・耐用年数は何年か

 

 

おすすめの高設栽培システム

最後に、私がおすすめする高設栽培システムを紹介しよう。

実際には農園ごとにおすすめする高設栽培システムは異なるが、ここでは平均的ないちご農園の場合として聞いてほしい。

1.長野県の全農の発泡スチロール製の箱を使った栽培システム

長野県の全農が普及している発泡スチロール製の箱を使ったシステムは、デメリットが少なくていいと思う。

【特徴】

・直管パイプのベンチ

・発泡スチロール製の箱

・ドリップチューブ

 

2.ピートベンチ式

手作りできるピートベンチ式の高設ベンチはコストがとても安く、機能も優れている。

【特徴】

・直管パイプのベンチ

・不織布と防根シートの二重シート

・ドリップチューブ

 

3.らくちんシステム

香川県を中心に普及しているらくちんシステムはコストは高いが、そのかわり機能が素晴らしい。

【特徴】

・天井から吊り下げ式ベンチ

・袋栽培

・ボタン式ドリップ潅水

・日射比例方式

 

4.オリジナルの栽培システムを作る

ここで紹介した3つのシステムも良いが、自分でオリジナルの栽培システムを作るのも良いだろう。

農園ごとに必要な機能は異なるので、ベストな栽培システムを作ってみよう。

その方がコストも安くなるだろう。

 

 

まとめ

今回はいちごの高設栽培用のシステムを紹介した。

いちごの高設栽培は数百種類もあるので、どれを選ぶべきか迷ってしまうだろう。

実際、中には機能がよくないのに値段が高いシステムもあるので注意してほしい。

また、メーカーの営業トークを信じて購入してしまうと、取り返しがつかなくない失敗につながるので気をつけよう。

 

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宮﨑大輔の紹介

一眼レフカメラを握る宮﨑大輔

宮﨑大輔 Daisuke Miyazaki

【職業】

■農業コンサルタント

■トラベルフォトグラファー

→ 詳しいプロフィールはこちら

【フリーランス向け有料マガジン】

■ フリーランス向けマガジン Freelance Diary

【農業経歴】

1988年 長野県飯田市のリンゴ農家に生まれる

2011年 信州大学在学中に、実家のリンゴジュースを東京のマルシェやネットで販売する

2013年 信州大学大学院で農学修士号取得

2013〜2015年 青年海外協力隊として中米パナマ共和国で2年間農業ビジネス支援

2015年〜 農業コンサルタントとして日本、アジア、アフリカで、苺や野菜ビジネスのコンサルティング中

・テレビ出演(TBSあさチャン
・週刊誌監修(女性セブン
・書籍の監修多数
・地方自治体との地方創生プロジェクト

【トラベルフォトグラファー経歴】

2013〜2015年 中央アメリカで写真撮影を始める

2015〜2017年 世界20カ国を旅しながら風景写真を撮影

2017年〜 日本や海外で人物撮影、企業撮影、イベント撮影を行う

世界中の写真をInstagramにアップしています。

→ @jiburicom

ウェブメディアFINDRESでトラベルフォトグラファーとして「世界の都市をパチリ」を連載。

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