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中米パナマのエンベラ族の観光ツアーに参加して感じた少数民族のジレンマと葛藤「伝統文化と近代化は両立するのか?」

      2016/12/19


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エンベラ族の子供との記念撮影

パナマの少数民族の暮らしを体験できるエンベラ族ツアー

中米パナマ共和国のチャグレス川流域には、「エンベラ族(EMBERA)」という少数民族が生活している。

パナマにはエンベラ族やクナ族、ノベブグレ族のような少数民族が暮らしており、彼らはアジア由来のモンゴロイド系民族だと推測されており、スペイン語でインディアンを意味する「インディヘナ」と呼ばれている。 

 

パナマのインディヘナの中でも、エンベラ族は「最も観光業に力を入れている民族」だ。

他の少数民族は山奥でひっそりと暮らしているか、パナマ人の下で労働者として働いているが、エンベラ族は観光を生業にして自分たちの力でお金を稼いでいる、商売上手な少数民族なのだ。

 

今回はエンベラ族の暮らしを体験できるツアーに参加した様子と、その経験を通して考えた少数民族のジレンマについてご紹介しよう。

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パナマシティ近くの船着き場から木でできた小船に乗る

エンベラ族は、パナマシティの北部に位置しているチャグレス川流域に暮らしているので、まずはチャグレス川まで車かバスで行き、そこからエンベラ族の送迎船に乗り、エンベラ族の集落を目指す。

ここが船着き場の待合所。

エンベラ族の船着き場

 

この待合所の対岸には、ぼくが以前稲作の調査をした集落がある。

この場所はパナマ運河の水門に水を供給する人口湖アラフエラ湖で、ここにチャグレス川が流れ込んでいる。

参考:焼畑農業禁止!協力隊の同期とパナマ運河の水源アラフエラ湖畔の稲作を調査した。

対岸にはコメを習った集落が

 

船着き場には、地元住民がたむろって遊んでいた。

彼らが使う船は細長い木のボートで、日本製のモーターを積んでいる。

エンベラ族の船

 

ぼくがエンベラ族ツアーに参加した時には、連絡ミスでエンベラ族の迎えの船とすれ違いになってしまったので、普通のおじさんが運転する船で集落へ向かった。

通常はこのような「少数民族です!」という雰囲気のお兄さんが迎えに来てくれ、エンベラ族ツアーに参加する雰囲気を演出してくれる。

船はチャグレス川を上流へ向かってさかのぼって行く。

船に仁王立ちするエンベラ族

少数民族の暮らしを体験できるエンベラ族ツアーは、パナマシティから日帰りで参加できることもあり欧米人旅行者に大人気で、ぼくが行った日は3隻の観光船とすれ違った。 

船に乗って15分ほどで、エンベラ族が住む集落が見えてくる。

観光客を乗せたエンベラ族の船

 

 

 

 

 

 

チャグレス川沿いのエンベラ族の集落へ到着

これがエンベラ族が暮らす伝統的な家だ。

ぼくが活動している山奥の集落よりも、大きくて立派な家だった。

エンベラ族の集落

 

 

集落の船着き場に行くと、若者が一人で出迎えてくれた。

ぼくらは連絡ミスがあったのでこんな感じだが、本来は村人全員が船着き場で楽器を演奏して出迎えてくれるらしい。

エンベラ族の青年

 

エンベラ族ツアーを受け入れている集落は3つほどあり、ぼくが訪問したのは「Panamá Púru(パナマ・プル)村」。

集落ごとに若干ツアーの内容が異なり、値段も変わる。

エンベラ族のパナマペルー村

 

 

 

 

 

 

エンベラ族の村長からエンベラ族の歴史を聞く

村に着いたら巨大な建物に案内され、そこにはすでに観光を終えた欧米人旅行者がいた。

そして、村長さんからエンベラ族の歴史をスペイン語で聞いた。

スペイン語が理解できない場合には、英語の通訳をお願いできると思う。

 

1.エンベラ族の村長さんによる説明と協力隊の補足

村長さんは男性で、おそらく40代だった。

誠実そうな人柄で、穏やかな口調で、でもしっかりと話をしてくれた。

そして、ぼくらの突っ込んだ質問にも誠実に答えてくれた。

エンベラ族の歴史を説明する村長

 

(1)村長さんの話

・エンベラ族はもともとはコロンビア国境近くのパナマと、コロンビアに国境をまたがって住んでいた

・今もそこに暮らしているエンベラ族がいるが、彼らはもっと原始的な生活を送っている

・私たちはチャグレス川流域に集団移住してきて、観光業を生業にしてお金を稼いで暮らしている

・家の建て方などはコロンビア国境のエンベラ族とは一部違う

・パナマ政府の学校があり、子供はパナマ人と同じ教育を受けている

・宗教はキリスト教カトリック教徒だが、エンベラ族特有の宗教も残っている

・固有の言葉があるが、パナマ政府の学校ではスペイン語を教えている

・固有の言葉や文化が失われつつある

・夢は「子供と一緒に暮らせる土地を守り、エンベラ族の暮らしを引き継ぐこと」

・しかし、エンベラ族の原始的な生活が嫌で、村を飛び出して町に暮らす者もいる

・観光客に木や草を使った民芸品を作って売っている

・タグアというヤシの木の実で民芸品を作る

・ハグアという木の樹液でタトゥーをする

・滝は神聖な場所

 

 

(2)エンベラ族の集落で活動中の協力隊員による補足説明

実は、エンベラ族の集落で活動している青年海外協力隊がいたので、彼から事前にエンベラ族の情報を教えてもらっていた。

彼はエンベラ族の集落に泊まり込みながら、学校で環境教育などを行っている。

観光ツアーに参加しただけでは絶対に知ることができない「エンベラ族の実態」を聞かせてもらったので、共有しよう。

 

・エンベラ族は観光業をするために集団移住した

・パナマ運河の水源であるチャグレス川流域は、焼き畑農業が禁止されているので、伝統的な生活はできない

・なので、パナマ政府が観光ビジネスの支援をしている

・民族衣装っぽいのは、実は最近作ったもので伝統的な衣装ではない(←えっ!?)

・本来はエンベラ族は「半裸生活」で、コロンビア周辺のエンベラ族は今でも半裸でいる

・男性はふんどし一枚、女性は腰巻一枚(上半身は裸)がエンベラ族の本当の姿

・しかし、観光客が男性の陰茎と女性の乳房が露出されていることを嫌がるので、最近になって「民族衣装っぽい服」を開発した

・普段着はTシャツとジーンズなど普通の洋服で、観光客が来る日だけは民族衣装っぽい服を着る

・観光客が来ると子供もダンスをしないといけないから、学校が休みになる(教育より観光業が優先)

・発電機や浄水器を使っていて、テレビも持っている(ぼくの活動先より100倍裕福!)

・エンベラ族は自治権を持っているが、政権変動の影響を受けるので、政治への関心は強い

 

などなど、こんな情報を頭にいれた状態で、エンベラ族ツアーに参加した。

 

 

2.女性による伝統的な染物の説明

村長の話のあとは、女性が伝統的な染物の説明をしてくれた。

協力隊の説明にあったように、彼女が身につけている腰巻が本来の服装で、上半身につけているカラフルなビーズでできた前掛けは、観光客向けに開発されたものだ。

エンベラ族は木の実を使って木の繊維を染めて、工芸品の材料として使っているそうだ。

伝統的な染物について説明するエンベラ族の女性

 

 

3.軽食タイム

女性の説明を聞きながら、プラタノという加熱調理用バナナのフライを頂いた。

※輪切りにして潰していないので「パタコン」ではない。

普段は川魚のフライもあるらしいが、この日は先に来た欧米人旅行者が全部食べてしまったそうだ。

昼食はプラタノフライ

 

この間、他の村人は大きな小屋の中でのんびりと出番を待っていた。

くつろぐエンベラ族女性たち

 

エンベラ族の集落は完全に観光地化されているので、トイレもコンクレートでできた綺麗なトイレが用意されている。

日本の公衆トイレよりも綺麗だったので、日本人女性でも使えると思う。

エンベラ族のトイレ

 

 

 

 

 

 

エンベラ族の伝統的な舞いを見学して、一緒に踊る

軽食タイムが終わると、村人が全員集まって伝統的な舞いを見せてくれた。

 

1.蝶の舞

少女から老婆まで村中の女性が小屋の中に集まって、エンベラ族に伝わる舞を舞った。

エンベラ族の女性たち

 

円になって、手を叩いたり、腕をパタパタさせながらグルグルと回った。

「蝶の舞」という名前だったと思う。

エンベラ族の伝統的な舞い

 

少し休憩してから、また別の舞を見せてくれた。

エンベラ族はモンゴロイド系なので、顔つきが日本人っぽい。

エンベラ族の女性

 

いくつかの伝統的な舞いを披露してくれた。

ただはっきり言って、村人はお金のためにやっている感があり、ダンスとしてのクオリティは低い。

エンベラ族の舞い

 

 

 

2.男性が楽器を演奏

女性が舞いを舞っている間、男性陣は楽器を演奏している。

太鼓やマラカスのような楽器を持って、音楽を奏でていた。

楽器を演奏する男性たち

 

次の舞は円になって踊る。

女性が声を出しながら、円の中央に集まったり離れたりを繰り返す。

エンベラ族の伝統的なダンス

 

一人一人腰巻の柄が違って美しい。

まるで東南アジアのような雰囲気だ(行ったことないけど)。

丸くなって踊る女性たち

 

楽器隊の少年はやる気がないけど、老人は真剣な表情で笛を吹いていた。

年齢から察するに、この集落の長老だろう。

楽器を演奏するエンベラ族の男性たち

 

頭に巻いたバンダナも決まっているし、マジカッコイイ。

笛を吹くエンベラ族の長老

 

 

 

3.二人一組で踊る

最後に二人一組で向かい合って踊っていた。

女性たちの目線に注目して欲しい。

二人一組で踊るエンベラ族

 

フォークダンスっぽい踊りなのだが、なぜか女性たちは一緒に踊る相手と目を合わせようとしない。

エンベラ族のダンス

 

どのような意味があるのかわからないが、エンベラ族の二人一組の踊りでは、目線は合わせてはいけないようだ。

目線を合わさないエンベラ族のダンス

 

幼い子供もダンスショーに出演していたが、かわいすぎた! 

まだダンスはマスターしていないようで、ヨタヨタとリズムとずれて体を動かしていた。

ダンスを踊るエンベラ族の子供

 

そして、最後には観光客もエンベラ族とペアになり、みんなでダンスを踊った。

観光客も一緒に踊る

 

 

 

 

 

 

エンベラ族の暮らしを体験

ダンスが終わると、その後は自分が体験したいエンベラ族の暮らしを体験できる。

 

1.タトゥー体験

エンベラ族はハグアという木の樹液を使って、タトゥーを描く文化がある。

希望者はタトゥーを描いてもらえる。

これは2週間ほどで消える天然の簡易タトゥーだ。

ハグアというエンベラ族の伝統的なタトゥー

 

墨汁のような黒い液体を、細いヘラで腕に塗っていく。

少女や男性がタトゥーを描いてくれた。

料金はタトゥーを担当してくれた人へ直接払う。

タトゥーを描くエンベラ族

 

水に塗れると消えたように見えるが、乾くとまた現れる不思議なタトゥーだ。

そして、2週間後には綺麗に消えてなくなる。

ハグアのタトゥー体験

 

 

 

2.民族衣装っぽい衣装を着る体験

男性と女性が来ている民族衣装っぽい衣装を着る体験もできる。

ぼくはふんどしに挑戦しなかったが、一緒に行った女性は民族衣装っぽい衣装を着ていた。

おかげで幸せな気持ちになれたので、エンベラ族ツアーにはぜひかわいい女性と一緒に行き、衣装体験をしてもらおう!

 

ぼくはふんどしを着る代わりに、少女たちと一緒に記念撮影をしてもらった。

エンベラ族の少女と写った写真をプロフィール写真にも使っているが、この写真を撮ったのにはちょっとした経緯がある。

エンベラ族の少女と記念撮影

 

 

3.サッカーの「鳥かご」勝負

民族衣装っぽい服を着た女性の写真を撮り終わって眺めていると、近くでエンベラ族の少女たちが集まって何かし始めた。

そして、すぐにそれがサッカーの「鳥かご」だと気づいた。

鳥かごとは、「数名がパス回しをして1~2名がそのパスをカットする」というサッカーの定番アップ方法だ。

とりかごをするサッカーエンベラ族

 

ぼくは一応、大学生時代はサッカー部と社会人フットサルチームに所属していて、サッカー少年だったので「エンベラ族も鳥かごするのかー!!」と感動して、思わず鳥かごに乱入してパスカットしてしまった。

すぐに少女たちも状況を理解して、「エンベラ族の少女 vs 青年海外協力隊」のサッカー鳥かご対決が始まった。

エンベラ族の子供とサッカーとりかご勝負

 

ここで誤算だったのが、エンベラ族の鳥かごは日本の鳥かごとはルールが違ったことだ。

・日本の鳥かごは、周りの人間が多少動きながらパス交換して、鬼役がボールを完全に奪い取ったら交代する

・しかし、エンベラ族の鳥かごは、周りの人間が1mmも動かずにパスをして、鬼役がボールに1mmでも触れたら交代する

 

慣れないルールに苦戦して、ぼくはエンベラ族の少女との鳥かご対決に負けてしまった。

そして、「いやぁ~、悔しかったッス」という表情で撮ったのが、このプロフィール写真なのだ。

エンベラ族の少女にサッカー鳥かご対決で負けた悔しさを忘れないために、プロフィール写真にしている。

エンベラ族の子供との記念撮影

 

 

 

 

 

 

 

エンベラ族の象牙ヤシを使った民芸品「タグア」

エンベラ族の集落では、彼らが作った民芸品を購入できる。

いろんな民芸品があるのだが、特に有名なのが象牙ヤシを使った「タグア」だ。 

 

1.タグアとは象牙ヤシ

タグアは表面は硬いが加工できる適度に軟らかく、象牙の代わりに使えるため、象牙ヤシという名前がついた。

象牙ヤシはゾウの乱獲防止と保護に繋がるので、最近注目されている。

エンベラ族のタグア

 

 

 

2.タグアの木と実

これが象牙ヤシという別名を持つ、タグアの木。

ハグアの木

 

タグアの木の実の種が工芸品に使われる。

これは殻がついたタグアの実。

タグアの実の殻

 

これを割ると、中に茶色い実が入っていて、これが一般的にタグアと呼ばれている。

アクセサリーや民芸品の材料として使われ、日本のアクセサリー屋でも人気だ。

タグアの実

 

このタグアの実を彫刻刀で削って、色を塗ると民芸品が完成する。

このタグアは、ぼくがエンベラ族の集落で買ったものだ。

カエルの模様のタグア

 

 

左から殻つき、タグアの実、完成品だ。

殻つきの実とタグアの実はエンベラ族のお土産物屋にお願いして、特別に譲ってもらった。

タグアを作る工程

 

 

 

3.エンベラ族が作るタグアの民芸品

ぼくが買ったタグアには4匹のカエルが彫られていた。

とてもかわいいし、細工が細かいので気に入って買った。

カエルが4匹描かれたタグア

 

裏側の葉に隠れている子カエルがマジかわいい。

エンベラ族の伝統工芸品タグア

 

大きさは手のひらサイズ。

これで7,000円くらいしたと思う。

エンベラ族のタグアには熱烈なコレクターがいて、出来が良いものは2万円以上する。

小さなタグア

 

 

4.タグアが虫に食われた

しかし、エンベラ族で買ってからビニール袋に入れてスーツケースの中で保管していて、半年後に確認したところタグアは虫食いだらけになっていた。

粉だらけで異変に気がついた。

虫に食われたタグア

 

買った当初は表面は平らだったのに、今は凸凹だらけで穴が空いている。

表面が虫食いだらけ

 

この穴には黒い何かが詰まっている。

このまま放置して見ると、中から出てきた。

穴に虫がいる

 

中から出てきたのは黒くて小さな虫だった。

タグアの実を食べているらしい。

7,000円もしたのにショック……

タグアを食べていた虫

 

 

 

 

 

 

 

近くの滝まで行って、泳ぐ

話しはズレたが、少女とサッカー鳥かご対決に敗れてから、近くの滝に泳ぎに向かった。

エンベラ族ツアーは、「エンベラ族の集落訪問」と「滝で泳ぐこと」がセットになっている。

ここからはエンベラ族の小舟に乗って向かった。

エンベラ族の集落の船着き場

 

チャグレス川を上流に向かってさかのぼっていく。

チャグレス川

 

 

水しぶきを撮影するのが楽しいことに気がついた。

水しぶき

 

チャグレス川のジャングルの中を突き進んでいく。

エンベラ族の集落から30分くらいかかった。

密林の中を進む

 

支流の浅瀬に船を上陸させて、ここからは少し歩く。

奥地へ分け入る

 

エンベラ族の少年が森に紛れてしまうほどの熱帯雨林の中を歩くと、いきなり滝が姿を現した。

熱帯雨林

 

豪快な音を立てながら水が流れ落ちていた。

エンベラ族にとっては神聖な場所だったらしいが、今では観光スポットになっている。

エンベラ族が使う滝

 

水しぶきの躍動感がカッコイイ。

豪快な滝

 

別に見るだけでもいいのだけど、せっかくなので泳いてみた。

水がめちゃくちゃ冷たくて気持ち良かった。

滝で泳ぐ

 

滝には着替える場所がないので、最初から水着を着て行くか、エンベラ族の集落で着替えよう。

ただし、ツアーの日程によっては、最初に滝に行ってから集落訪問の可能性もあるので、事前に確認しよう。

 

 

 

 

 

 

船着き場まで帰る

これですべてのプランが終了したので、最初の船着き場まで帰った。

ここから車かバスを乗り継げばパナマシティまで帰れる。

 

エンベラ族ツアーに参加するには、旅行代理店に申し込むのが一般的で、その場合にはこの船着き場とパナマシティ間の送迎もしてくれるはずだ。

伝統的な船にモーターがついている

 

船着き場には、観光客向けではない普段着姿のエンベラ族が座っていた。

エンベラ族の普段着

 

 

 

 

 

 

パナマの少数民族エンベラ族とノベブグレ族を比較しての考察

ここからはパナマの少数民族エンベラ族とノベブグレ族を比較して、ぼくが思っていることを書こうと思う。

1.エンベラ族の実態「観光地化したことで、伝統が崩壊している」

エンベラ族は良く言えば、伝統的な暮らしを守りながら、観光業を行って所得を向上している。

良い面だけを見せれば、まさに100点満点の「史上最強の成功事例」だろう。 

実際、エンベラ族の取り組みは高い評価を受けているらしい。

 

しかし、実際には観光客向けに自分たちの伝統的な服装を変えているし、普段はもはや洋服を着ている。

しかも、ぼくが活動している山奥の集落に住んでいるパナマ人よりも綺麗な家に住み、テレビなどの電化製品を使いこなしていて生活は近代化されており裕福だ。

ふんどしをつけた子供が頭にサンタクロース帽を被っていて、これがエンベラ族の実態を端的に表している。

エンベラ族は生活の質が向上しているが、その代償として固有の文化を失っている。

ふんどしを撒いてサンタクロースの帽子をかぶるエンベラ族の子供

 

 

参考までにこれがぼくが活動している集落の民家で、電化製品は一つもないし、飲み水は濾過していないただの川の水だ。

山奥の村の民家

 

これでは、エンベラ族は伝統的な暮らしをしているとは言えないだろう。

エンベラ族ツアーは、観光客向けの見世物ショーでしかない。

 

 

2.ノベブグレ族の選択「町で仕事をしているが、伝統を守っている」

パナマの西部には、ノベブグレ族というインディヘナが暮らしている。

ノベブグレ族の女性は女王様のような服を必ず着ているので一目で判別できるし、彼らはスペイン語ではなく彼ら固有の言語を使う。

 

ノベブグレ族はエンベラ族とは違い一切観光業を行っておらず、代わりにパナマ人の農園で「労働力」として働いている。

ノベブグレ族が住んでいる地域は、ぼくが住んでいるベラグアス県とボカスデルトロ県、そしてコーヒー栽培が盛んなチリキ県だ。

 

日本の皆さんへぜひ知ってほしいことがある。

パナマ産ゲイシャコーヒーは日本のスターバックス・コーヒーで1杯2,000円で販売されていたが、そのコーヒー豆は100%ノベブグレ族によって収穫されたものだ!

パナマの少数民族がいなければ、日本人がゲイシャコーヒーを飲むことはできない。

パナマのコーヒーゲイシャの生産農場の写真

 

彼らは収穫量に応じた出来高払いのコーヒー収穫者として、コーヒー農園に住み込んで働いている。

労働環境が過酷なのでパナマ人は働きたがらず、ノベブグレ族だけが働いている。

 

そして、これが彼らが住み込んでいる住居である。

日本人から見たら貧乏な家かもしれないが、ぼくが活動している集落の家の500倍は綺麗な家だし、エンベラ族の家よりも裕福だ。

インディヘナが住み込むアパート

 

コーヒー農園の従業員になっているノベブグレ族もいる。

ルイス農園のコーヒーツアーの案内をしてくれたのは、ノベブグレ族の男性だった。

参考:パナマ・ボケテ高原のルイス農園のコーヒーツアーで学んだゲイシャ品種の特徴と栽培方法、精製・焙煎技術、値段

オレンジの木とコーヒーガイド

 

彼らはコーヒー農園の保管室で働いていたノベブグレ族の男性たちだ。

彼らが日本へ輸出するコーヒー豆の梱包・発送作業を行ってくれている。

コーヒー豆の貯蔵庫で働く少数民族の職員

 

彼はレリダ・コーヒー農園の加工施設で働いているノベブグレ族の男性。

ぼくのコーヒー加工に関する質問に、何でも答えてくれたスペシャリストだ。

参考:中米パナマ・ボケテ高原のレリダコーヒー農園の生産・加工・輸入・テイスティング方法

コーヒー豆工場で働く少数民族の職員

 

ノベブグレ族は彼ら自身の生業を持たないので、パナマ人の下で労働者として働いている。

しかし、そのおかげで伝統的な服装や、固有の言語を変えずに暮らしている。

エンベラ族と同じように伝統的な暮らしが嫌で町に住んでいる人もいるが、山奥の集落で伝統的な暮らしを続けている人も多い。

 

 

 

3.近代化社会で、少数民族が伝統を守るためには、どうすべきなのか?

・一見、伝統的な文化を生かして観光業を営み、文化の維持と生活の質の向上を達成しているように見えるエンベラ族

・一見、パナマ人の下で働き、固有の文化を失われているように見えるノベブグレ族

2年前のパナマに到着した頃はこのように表面的なことしか見えていなかったが、今ではもう少し深いところが読み取れるようになったと思う。

そして、迫害されている少数民族よりも質が低く貧しい生活をしているパナマ人が、ぼくの活動している地域にはいる。

耳が炎症を起こしている子供

参考:ヒゼンダニという寄生虫(疥癬)に感染した子供と出逢い、青年海外協力隊から帰国後に突然医者を目指す人の気持ちが理解できた

 

 

近代化する社会では、どんなに山奥の集落で暮らしていても、物価の上昇や法律などの影響を受ける。

少数民族が伝統的な暮らし守りつつ、生活の質を向上するためには何をしたらいいのだろうか? 

エンベラ族とノベブグレ族の事例を見て、まだぼくの答えは見つかっていないが、パナマを訪れる日本人旅行者にはぜひエンベラ族ツアーに参加してみてほしい!

 

 

 

 

まとめ

パナマの少数民族エンベラ族ツアーに参加して、少女とのサッカー鳥かご対決に負けました。

「少数民族が伝統的な暮らし維持しながら、生活の質を向上させるためにはどうしたらいいのか?」を考えるキッカケになったので、パナマを訪れる旅行者にはぜひ参加してみてほしい。

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宮﨑大輔の紹介

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宮﨑大輔 Daisuke Miyazaki

【職業】

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VALU

【農業経歴】

1988年 長野県飯田市のリンゴ農家に生まれる

2011年 信州大学在学中に、実家のリンゴジュースを東京のマルシェやネットで販売する

2013年 信州大学大学院で農学修士号取得

2013〜2015年 青年海外協力隊として中米パナマ共和国で2年間農業ビジネス支援

2015年〜 農業コンサルタントとして日本、アジア、アフリカで、苺ビジネスのコンサルティング中

・テレビ出演(TBSあさチャン
・週刊誌監修(女性セブン
・書籍の監修多数

【トラベルフォトグラファー経歴】

2013〜2015年 中央アメリカで写真撮影を始める

2015〜2017年 世界20カ国を旅しながら風景写真を撮影

2017年〜 日本や海外で人物撮影、企業撮影、イベント撮影を行う



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