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プロ直伝!ゼロから農業を始めたい人に送る10個のアドバイス

   


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農業は誰にでもできる、ただしポイントを押さえて始めれば。

・農業の経験はないし、実家も農家ではないけど、一人で農業を始めたい。

・農業とは関係ない分野の企業だけど、これから農業分野に進出したい。

そんな人や企業のために、10個のアドバイスを送ろう。

ぼくは日本や海外で、農業ビジネスのコンサルティング業をしている。

その経験や実家の農園の様子を見ていて、ゼロから農業を始めるときのポイントを把握できた。

そこで今回は、ゼロから農業を始めたい人に送る10個のアドバイスを紹介しよう。

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五年間、日本と海外で農業ビジネスの支援を仕事にしてきた

2013年から2015年まで、青年海外協力隊・野菜栽培隊員として中米パナマ共和国に派遣され、無電化集落で家庭菜園、学校菜園、中国人向け野菜ビジネスの立ち上げを支援した。

その後、フリーランスの農業コンサルタントとして独立し、2015年から2017年まで日本、中国、ベトナム、ケニア、ルワンダで農業ビジネスの支援をしている。

最も専門性が高い作物はイチゴだが、今では果菜類全般(トマトやナスのように実がなる野菜)の依頼を受けている。

仕事の経験から、ゼロから農業を始めたい人に伝えたいアドバイスをまとめてみた。

 

 

 

1.あなたに起業家になる覚悟はあるか?

「農業」と聞くと、のんびりした自給自足生活を思い浮かぶ人が多いと思う。

たしかに、自給自足をすることで生活コストを下げることはできる。

ただし、経済社会から完全に抜け出せるわけではなく、税金も年金も払わないといけないし、子どもがいれば学校へ通わせないといけない。

農家になると、会社員のように毎月決まった金額の給料が支払われることはなく、売上から経費を引いた金額が収入になる。

人手が必要なときには労働者を雇わないといけないし、土地や農業設備を用意するために借り入れも必要になる。

そして、生産した青果物を販売するためには営業活動が必要で、いろんな人に頭を下げて回らないといけない。

ようやく野菜が売れたと思っても消費者からクレームが来るかもしれないし、台風や洪水が起きて売上がゼロになるかもしれない。

そう、農業を始めるということは、起業家になることと同じである。

「農家が自営業だということは知っているし、苦労が多いこともわかっているよ」

と思う人もいるかもしれないが、あなたの予想している以上に大変だと思う。

「農業がこんなに大変だとは思わなかった……」

と漏らす農業経営者を何人も見てきたからね。

ただ、絶対にやめておけというつもりはなくて、

「それでも、農業をやりたい!」

と思える人はぜひ挑戦してみてほしい。

 

 

 

2.(複数人で始める場合)縁を切る覚悟はあるか?

農業だけでなく他の業界とも共通することだけど、複数人で起業することがあるよね。

農業ビジネスも同じで、友人や知人と一緒に始めるという人がいる。

たしかに複数人でやることには、メリットがある。

・資金を出し合える

・スキルを出し合える

・労働力を出し合える

ただし、デメリットもあって、それは人間関係が壊れる危険性があること。

数十年間もずっと仲が良かった名コンビが、一緒に海外で農業ビジネスを始めたことが原因で、断絶してしまった例もある。

大学のサークルのようなノリで始めたとしても、実際にビジネスをやり始めるとそのノリは続かない。

もし、複数人でビジネスを始める場合には、その人と縁を切る覚悟をしよう。

「この人との縁は絶対に切りたくない」

と思う人とは、起業してはいけない。

 

 

 

3.ビジネス経験はあるか?

農業を始めることは、起業することと同じ。

「会社員の経験が長いから大丈夫」

と思わないでほしい。

起業することと、サラリーマンとして働くことは別物だ。

農業ビジネスを成功させたかったら、会社員経験よりも小さくてもいいからビジネス経験を積むべき。

 

学生時代のぼくは、長野県内の企業の社長さんにインタビューをする活動をしていた。

そこで必ずしていた質問が「どうやったら、商売のスキルが身につきますか?」というもの。

そして、その答えはどの社長さんもだいたい同じで、「雇われていては商売のスキルは身につかない。商売を覚えたかったら、金額は小さくてもいいから自分で商売をやってみなさい」。

 

農業以外の商売の経験がある人は、農業ビジネスをしても成功する可能性が高いと思う。

商売の経験がない人は、農業分野でも成功することは難しい。

 

 

4.補助金頼みは危険

日本の農業業界は補助金だらけだ。

新規就農者向けの制度を使えば、3,000万円が借りられる(法人は一億円)。

中には返済義務がない補助金もあるし、水稲の減反政策により飼料米を育てることで補助金がもらえたりする。

「補助金がもらえるから農業を始めます」

という人も本当に存在する。

補助金を充てにしたビジネスは、絶対にうまくいかないから辞めたほうが良い。

利益が出ないから補助金を使って設備投資して、その商売でも利益が出ないから、また補助金を使って別の事業を始めることになる。

実際には日本の農業向けの補助金は形を変えて更新されるので、補助金がなくなることはないが、一生補助金に頼った経営をしないといけなくなる。

 

 

 

 

 

5.「何を作るか」よりも「誰に売るか」が大切

農業の相談に乗っていると、「○○を作りたい!」と真っ先に考える人が多い。

【例】

・美味しいトマトを作りたい

・甘いイチゴを作りたい

・無農薬のレタスを作りたい

・巨大なスイカを作りたい

・苦くないゴーヤーを作りたい

 

しかし、本当に大切なことは、何を作るかではなく「誰に売るか」だ。

例えば、トマトを生で食べる食文化がない地域で美味しいトマトを作っても、誰も買ってくれない。

コストをかけて無農薬のレタスを作っても、慣行栽培のレタスよりも高い値段で買ってくれる人がいないと、経営的には厳しくなる。

そもそも、野菜よりも穀物の方が求められている地域なら、穀物を作ったほうが良い。

 

 

 

6.農業ビジネスを始める正しい手順

農業を始めるときには、「育て方をどうするか?」を一所懸命に考えがちだが、それよりももっと先になるべきことがある。

農業ビジネスを始めるときには、以下の手順を参考にしてみてほしい。

【農業ビジネスを始める手順】

(1)マーケット調査をして需要を探る

(2)農園のポジションと戦略を作る

(3)栽培作物を決める

(4)作物の品種を決める

(5)栽培方法を決める

(6)生産する土地を探す

(7)販路を決め、仮契約をする

(8)準備を始める

(9)試験栽培する

(10)計画を見直す

(11)本格的に生産する

 

【よくある話】

・サクランボが好きだから、サクランボ農家になりたいです

・耕作放棄地があるから、サツマイモでも植えてみます

・トウモロコシがたくさん収穫できたんですが、売り先がまだ決まってなくて……

こんな感じに無計画に始める人が多いので、ちゃんと計画を立てよう。

 

 

 

7.大切なことは1.ロケーション、2.ロケーション、3.ロケーション

ぼくが学生時代に参加した施設園芸の展示会で、アメリカの研究者が語った言葉を今でも覚えている。

「農業ビジネスを成功させる秘訣は、三つあります。

一つ目はロケーション、二つ目にロケーション、そして三つ目にロケーション。

とにかくロケーションが肝心です。

ロケーションがすべてといっても過言ではありません」

 

その研究者は、とにかくロケーション(立地条件)が大切だと語った。

その理由はビジネスを始めた後でも変えられるものと、変えられないものがあるかだ。

【変えられるもの】

・栽培作物

・作物の品種

・栽培方法

・経営計画

・販路

 

【変えられないもの】

・土地の広さ

・ハウスなどの大型設備

・市場までの輸送距離

・標高

・降水量

・気温

・地下水脈

・水源からの距離

・住宅地からの距離

・土地代

 

農業ビジネスを始めた後には変えられないものは、立地条件に強く依存する。

なので、農業ビジネスを始めるときには、立地条件が何よりも大切なのである。

 

 

 

8.農業をする目的は何か?どのようなライフスタイルを目指すのか

ここまでは、農家のビジネス面を強く主張してきたが、きっと反論したい人もいるだろう。

・私は農業がしたいだけで、お金を稼ぐつもりはない

・育てたい作物を自分が納得する栽培方法で育てて、自由に好きに売りたい

・愛情が注げる規模で農業をしたい

・農業の業の部分ではなく、農の部分が大切

・お金儲けだけが人生じゃない

・私は環境負荷が少ない有機農法をするつもりだから関係ない

・自然農法をするのでコストがかからないし問題ない

 

最初に説明したとおり、農業をすることは起業家になることなので、好きにしたらいいと思う。

・どんなライフスタイルを送りたいのか?

・人生で何が大切で、何が大切ではないのか?

このあたりを考えて、優先順位を付けて農業を始めれば問題ないと思う。

 

ただし、経済社会が嫌になって自然農法の農園を始めた人から、

子どもが学校に通うようになってお金が必要になったから、施設園芸(自然農法の真逆)の方法を教えてほしい

と頼まれたことがある。

ある無施肥自然農法の農園では、

土中の肥料分がなくなって野菜が育たなくなってしまったから、今では尿素(化学肥料)を撒いている

という。

自然農法や有機農法をしてお金に依存しない自給自足の生活を目指しても、結果的にお金に困ってしまい、逆にお金を求めることになる人もいるの注意してほしい。

 

 

 

9.あなたは神を信じるか、科学を信じるか。トンデモ農法に騙されるな

最近、世間ではトンデモ医療の問題が話題になっている。

・ガンが治るという怪しい民間療法

・民間療法にハマって崩壊した家庭

 

 

ぼくはトンデモ医療の問題が他人事だとは思えない。

なぜかというと、農業の世界もトンデモ農法だらけだからだ。

【例】

・宇宙の波動を受け止められる棒を地面に刺す農法

・時計回りに二十回かき混ぜると効果を発揮する肥料

・果実の大きさと甘さが3倍以上になる水素水

・すべての病気と害虫を防ぐ電磁波発生装置

 

笑ってしまうような農法が実際に行われて、それが有名人によって紹介されている。

そして、その農法を実現するための機械が、業者から農家に販売されている。

 

ちなみにぼくがトンデモ農法を他人事だと思わないのには、もう一つ理由がある。

それは、ぼくの実家の祖父母や母親も騙されているからだ。

出入りしている業者から、怪しげな農業資材を買っている。

科学的な根拠がない商品を信用して、お金を払っているのだ。

 

 

 

日本には、信仰の自由があるし、表現の自由もある。

なので、トンデモ農法を信じることも自由だ。

でも、そんな相手に騙されるようだと、農業ビジネスは絶対に失敗するよ。

 

 

 

10.農業資材会社の根拠がない営業トークに騙されるな

トンデモ農法ほどではないが、気をつけないといけないのが、農業資材会社の営業トーク。

はっきりいって、日本の農業資材はレベルが高いから、どれもそんなに大差ない。

だからこそ、過剰な表現を使って売りつけている事例が多い。

 

【注意すべき農業資材会社の手法】

これを使わないと失敗しますよ

「イチゴを育てるためには、弊社のイチゴ栽培キットを使わないと失敗しますよ」

といって商品を売りつけている会社がある。

ただし、実際に第三者が比較してみると、その商品を使わなくても問題なく栽培できる。

二枚の写真の比較

二枚の写真を並べて、

「左側の慣行農法よりも、右側の弊社商品の方が実が巨大になりました!」

と謳っていたら怪しい。

統計データで比較しないで、たった二枚の写真では違いはわからないから。

大学教授の推薦

「○○大学教授が研究、推薦」も怪しい。

企業から研究費さえもらえれば研究はできるし、専門外のことを副業としてやっている教授もいる。

宇宙工学の研究をしている大学教授が始めた、サイドビジネスの有機肥料が売れているのには驚いた。

 

【農業資材会社に騙されない対策】

農業資材会社に騙されないための対策をお教えしよう。

自分で知識を付ける

一番良いのは自分で、科学を勉強して知識を付けること。

ただし、農業ビジネスをしながら勉強する暇はないと思うので、これは無理だろう。

複数の業者と取引する

次におすすめなのは、複数の業者と取引すること。

そうすると、すべての業者が「弊社の商品が一番良いです!」といってくるので、全部嘘だとわかるだろう。

農業改良普及員を呼ぶ

地方公務員である農業改良普及員を呼べば、農業の知識がある程度ある人の意見が聞ける。

ただし、普及員のレベルもピンきりで中には農業を何もわかっていない人も多いので、信じ切るのはやめておこう。

 

 

 

まとめ

今回は、ゼロから農業を始めたい人に送る10個のアドバイスを紹介した。

1.あなたに起業家になる覚悟はあるか?

2.(複数人で始める場合)縁を切る覚悟はあるか?

3.ビジネス経験はあるか?

4.補助金頼みは危険

5.「何を作るか」よりも「誰に売るか」が大切

6.農業ビジネスを始める正しい手順

7.大切なことは1.ロケーション、2.ロケーション、3.ロケーション

8.農業をする目的は何か?どのようなライフスタイルを目指すのか

9.あなたは神を信じるか、科学を信じるか。トンデモ農法に騙されるな

10.農業資材会社の根拠がない営業トークに騙されるな

 

ぼくは「農業ビジネスを始めたい」と思いながら、結局は「農業コンサルタント」として農業起業家を支援する仕事をしている。

日本と海外の両方で仕事をしているので、ご依頼はこちらまで。

→ 農業コンサルタントの仕事依頼ページ

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VALU

【農業経歴】

1988年 長野県飯田市のリンゴ農家に生まれる

2011年 信州大学在学中に、実家のリンゴジュースを東京のマルシェやネットで販売する

2013年 信州大学大学院で農学修士号取得

2013〜2015年 青年海外協力隊として中米パナマ共和国で2年間農業ビジネス支援

2015年〜 農業コンサルタントとして日本、アジア、アフリカで、苺ビジネスのコンサルティング中

・テレビ出演(TBSあさチャン
・週刊誌監修(女性セブン
・書籍の監修多数

【フォトグラファー経歴】

2013〜2015年 中央アメリカで写真撮影を始める

2015〜2017年 世界20カ国を旅しながら風景写真を撮影

2017年〜 日本で人物撮影、企業撮影、イベント撮影を行う

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